表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

336/480

クリスの浄化魔術は人の心までも浄化しましたが、人の我欲は1日ももちませんでした。

そして、聖女クリスの浄化魔術は物だけではなくて、人の心をも浄化した。


多くの人々が自らの日々の行いを悔いた。多くの人々は後悔し、教会の懺悔室の前には凄まじい人々の行列が出現した。


また、兵士の詰め所には多くの人が犯罪を自白するために詰めかけた。


今まで解決していなかった、多くの難解迷宮入りの事件が罪人の自白で解決した。


また、王宮でも、賄賂を受け取った多くの者が一斉に懺悔をはじめて官僚は罪人だらけになってしまった。


クリスは人々が良心に目覚め犯罪が激減した事に(実際は今まで闇に隠れていたものまで表に出て、犯罪は急増したのだが)感激していた。


「クリス、今まで母上の面倒を見てくれてありがとう。私も母上の礼儀作法教室を受けてみるよ」

とジャンヌが言うのを聞いて、クリスは目を剥いた。

でも、やっとジャンヌが王妃と親子で向き合ってくれることがクリスには嬉しかった。



しかし、それを聞いた一同は目が点になった。


「姫様が王妃様の礼儀作法講座を受けられるなんて、大地震の前触れで無ければ良いのですが。」

「いやいや、津波で王都が沈む前触れだ」

「太陽が落ちてくるに違いない」

「もう、終わりだ。地球の終わりの時が来たのだ………」

外野は大騒ぎしたが、本人はいたって真面目だった。


クリスが酔った勢いで書いた書類に自らも納得してサインしていた。


ライラなんて、

「姫様。頭のうちどころが悪かったんですか。後で後悔しても知りませんよ」

必死で諌めたが、ジャンヌは頑として聞き入れなかった。



驚いて電話してきたジャルカは一言。


「姫様。悲観のあまり人生を投げ出されてはいけません」

と訳のわかんないコメントをのたまう。


「何を言っているのだ。ジャルカ爺。私はクリスにも無視し続けた母にも悪いと思っているのだ。1ヶ月の礼儀作法講座を受ける事など、大した事はないではないか」

ジャンヌは皆が騒ぐのが気に入らなかった。


「なるほどなるほど。今の言葉、しかと聞きましたぞ」

ジャルカは念を押した。


「よし、俺は姫様が3日ともたないことに金貨1枚」

「俺も」

「私も」

魔導師団の面々が賭けを始める。


「おい、待て、全員そちら側だとかけが成立しないじゃないか」

ザンが文句を言った。


「じゃあザン。お前耐えられる方に賭けろよ」

「そんなの太陽が西から昇る事よりあり得ないだろう」

ヨハンの言葉にザンが即座に否定する。


「お前らなあ。よし、判った。逆に私が賭けよう」

ジャンヌが言い切った。


「本当ですか」

「やったあ。じゃあ金貨もう一枚追加で」

「私も」

「俺も」

魔導師団員たちはどんどん追加していく。


「じゃあ、私も金貨1000枚で」

ジャルカまでもが乗り出した。


「き、貴様らなあ」

ジャンヌは切れていた。


しかし、一方でジャンヌは思った。これは金を貯めるチャンスだと。

自分さえ我慢すれば良いのだ。高々3日など我慢できるだろうと、ジャンヌはほくそ笑んだ。


聖女クリスの浄化魔術。


多くの人が改心し今までの行いを悔い改めた。


しかし、人間の多くは欲があり、なかなかクリスのように人のために自らを犠牲にするなんて出来ない。だからそれが出来るものが聖女と呼ばれるのであって、皆が皆そうなれば、皆が聖女になってしまう。


そして、そんな事はあり得なかった。


「すいません。昨日話した、殺人事件。実は私はやっておりません」

自ら自首して来た囚人がいきなり言葉を違えた。


「はっ?、お前、犯人しか知りえない情報をはっきりと言っていたぞ」

「いえ、つい出来心で嘘をついてしまって」

「そんな訳あるか。誤魔化すな」

兵士は机を叩いて怒鳴っていた。


「財務卿。金貨1枚猫糞したのは嘘です」

「何を言っている。残業を毎日1時間誤魔化していたと、証人まで連れて懺悔していたではないか」

「いや、それはその・・・・・」


皆、昨日の懺悔の行動を恥じて、というか、罰が怖くて誤魔化そうとしだした。

必死に否定しようとしだしたのだ。




そして、ここにも一人、必死に逃げ出した者がいた。


はあはあ言いながら、木陰に隠れている。



「ジャンヌ。ジャンヌはどこにいるの」

それを探す王妃が・・・・。


ジャンヌも最初の10分は何とか耐えた。


それもクリスバージョンの礼の角度が1度違うとかいうとんでもない礼儀作法ではない。

普通の礼儀作法なのだが、それでも、耐えられたのはたったの10分だった。


何とか王妃のすきを突いて逃げ出したのだ。


「だから無理だと言ったのに」

そこには同じく幼稚園ならぬ孤児院から逃げ出したアレクがいた。


「お前には言われたくない」

ついジャンヌの声が大きくなった。


「ジャンヌそこにいたのね」

王妃が叫ぶ。


「やばい」

慌ててジャンヌは駆け出した。


「待ちなさい。ジャンヌ」


ジャンヌを追って王妃が走っていく。


「お姉さま。大丈夫かしら」

それを見送ったクリスが心配そうに言った。


元々酔った勢いであんな事を書いたクリスが悪いのではないかと、周りは思わないでもなかった。


しかし、しっかりとやりますとサインしたのはジャンヌ自身なのだ。


元々、礼儀作法なんて食べられないからいらないというジャンヌが、王妃の礼儀作法講座なんて耐えられるわけ無かったのだ。


それをクリスの聖魔術で心が浄化され、おそらく一番単純なジャンヌが一番魔術の影響をモロに受けてしまったのだ。


そこで聖女のようになったジャンヌが勢いで受けてしまった。


それが悲劇の始まりだった。


皆は心から思った。


クリスの言うことは、シラフの時に、それもじっくりと考えてから受けようと肝に銘じたのだった。

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。


明日、1話、閑話上げて本章は終了、一旦完結とさせていただきます。


この1話はクリスとオーウェンのお話にしようと思います。


評価まだの方はぜひとも広告の下の☆マーク、宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ