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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

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戦神はムチを持った王妃に追いかけ回されました



そこにはさっさと来臨しろとオーウェンが必死に祈っていたシャラザールが仁王立ちしていた。


瓦礫と化した壁の中からオーウェンは立ち上がった。


確かにシャラザールに早く出て来て欲しいと祈りはした。


しかし、何も、全て終わって危険が去って、今にもクリスとキスしようとした、この時に出てくることはないではないか。


シャラザールの意地悪な行動にオーウェンは泣きたくなった。


「オーウェン。貴様、余にキスしよとするとはどういう料簡だ」

激怒してシャラザールが言った。


「いえ、あなたにしようとしたのではなくて」


「無理やり、クリスとしようとしたのか」

シャラザールは更にヒートアップする。


「なわけ無いだろう。やっとクリスからキスしてくれたのに」

わなわなと震えてオーウェンは文句を言う。


「姉さま!」

そこに束縛から解放されたウィルらが飛び込んできた。


しかし、そこには姉ではなくてシャラザールが立っていることをみて一同驚く。


更にオーウェンをいじろうと思ったシャラザールは対象を変える。オーウェンなどいつでもからかえる。今は全然力を使えず、ウズウズしているこの憤りを何とかしたかった。



「遅いぞ。今まで何をしていたのだ」

自らの事を棚に上げて戦神は言い切った。


「申し訳ありません」

アルバートらが謝る。


「もう少しで小僧にキスされるところであったわ」

ブスッとしてシャラザールが言う。


「はっ?」

アルバートらは意味がわからず、


「オーウェン!」

シャラザールの言葉にウィルが切れる。



「どのみち単細胞のその方らのことじゃ。甘い言葉に騙されて、今まで眠らされていたのであろう」

シャラザールの言葉に、一同何も返せずただ俯いた。


「で、魔王はどこじゃ。余が今度こそ決着をつけてやるわ」

戦神は嬉々として周りを見渡した。地獄では檻が勝手に暴れただけでというか、シャラザールがクリスに惹きつけられて檻ごと動いただけで、何も暴れられなかった。戦神は欲求不満だった。この欲求不満を解消するにはあの生意気な魔王を叩き潰すに限る。

キョロキョロとシャラザールは周りを探した。



「魔王なら、クリスが浄化しましたけど。見ていなかったんですか」

ふてくされてオーウェンが言う。


「な、なんと、魔王を浄化したのか」

戦神には衝撃だった。千年前のシャラザールでも魔王を封印することしか出来なかったのに。

それを浄化するとは。


シャラザールには思いもしなかった方法だった。


力には力で単細胞なのはシャラザールも同じだった。



そもそも魔王はシャラザールの欲求不満の解消先だった。弱すぎもせずに、戦える、ゼウスを除くとただ一人、手加減せずに戦える対象だったのに。

それが浄化された。


シャラザールはショックを受けた。


とするともう地界には対等に戦える相手がいない・・・・・


シャラザールは折角地獄から帰還できたのは良いが、今回は檻が勝手にクリスに引き寄せられて地獄を破壊しただけで、戦神には全然物足りなかった。でもその欲求不満を解消する相手が浄化された……・


「致し方ないの。また、負けたジャンヌやアレクにも稽古をつけてやるか」

戦神は諦めていった。


まあ今は弱いがこれから鍛えれば魔王並みになろう。

シャラザールは気分を切り替える。


遅れてやってきたジャンヌとアレクはぎょっとして部屋の前で立ち止まっていた。


アレクは完全に失敗したことに気付いた。


これならばもっと気絶していれば良かった。



「よし、行くぞ」

シャラザールが剣を構えようとした時だ。


「シャラザール様」

地獄の底から届いたような声が部屋に響いた。


全員は貴固まる。


誰だこんな声を出すのは。その声は魔王並みの破壊力を持っていた。


シャラザールはゆっくりと声の方を振り向いた。


「シャラザール様。思い出しました。前世の記憶を」

そこには、黒い笑みをした王妃が立っていた。


「貴方様はまた、か弱い侍女の私に暴力をおふるいになったのですね」

地獄の底からの声もどうかという恐ろしげな声が響く。


「えっ、いや違うぞ、エリザベス」

シャラザールの目が恐怖に引きつっていた。

シャラザールの唯一の天敵、ジャルカによってつけられた礼儀作法の教師兼侍女だったエリザベス。彼女にはシャラザールは頭が上がらなかった。


前世が侍女のエリザベスだとシャラザールは気付いていたのだが、王妃は気付いていないようだった。それでも、前世の記憶を思い出されていは面倒なので、その王妃の前には出ないようにしていたのに。


それがついにバレてしまった。


シャラザールは蒼白となった。


慌ててクリスと代わろうとするが、


「お待ち下さい。今日という今日は許しませんよ」

エリザヘスは手に持ったムチでシャラザールを打とうとした。

シャラザールがかわす。


全員目が点になった。

シャラザールが悲鳴を上げて逃げ惑っているのだ。


シャラザールを鞭打つ人物を見るのも初めてなら、慌てて逃げ惑う戦神を見るのも初めてだった。


「おい、待て、エリザベス。今回やったのは余ではなくてクリスだ」

「何を申しておられるのですか。クリスが私にそんな事をしないのはよく知っております」

「いや、ちょっと待て」

「お待ち下さい。待てって言っているでしょう」

逃げ出したシャラザールを追って王妃は走りだした。


皆その後ろ姿を呆然と見送っていた。

ついにシャラザールの天敵登場です。

魔王でも全能神でもなく、無力な侍女・・・・・


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[一言] 「無力」って何でしょうね。 ※前世はともかく、国営にも口が出される王妃が無力って言われたら皆が無力になってしまう。
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