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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

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戦神は檻ごと地獄から脱獄しました



一方その頃地獄ではシャラザールをどうしたものか、皆悩んでいた。


鬼たちでは殺せない。


恨みつらみ1千年の重みも何故かシャラザールの逆鱗に触れて一瞬に返り討ち。


それ以上となると、最後は閻魔がいるが、閻魔でも対処できないと地獄の威信が崩れてしまう。


閻魔としてはそれだけはなんとしても避けたかった。


これは完全に魔王に嵌められたのではないか。


地獄で対処しきれなくなるのを見越して、シャラザールを寄越したのではないか、という疑念も閻魔の中には生まれ始めた。


そして無限地獄では、この日も狭い檻に閉じ込められているシャラザールは暇だった。

周りには遠巻きに鬼どもが二重三重に取り巻いているが、一度近づいてきた鬼に息を吹きかけただけで、百メートルは遠ざけられていた。



クリスの中にいる時も暇だったのだが、最悪の王妃の礼儀作法講座にしても、昔の事が脳裏に蘇ってシャラザールには懐かしかった。


しかし、ここにはそのクリスもいず、本当に暇だった。


クリスの周りには魔王がいたようだが、おそらく今の力はクリスの方が上。まさか負けることは無いとは思うが、一緒にいたのがあのオーウェンではいまいちシャラザールの信頼がない。


しかし、脱獄して様子を見ようにも、この檻はシャラザールの意思ではどうしようもなかった。



しかし、


「んっ?」

シャラザールは少し気分がよくなった。


「何だこれは」

心が浮き立つ。


酒を飲んだ気分だ。シャラザールは気分が更に良くなった。



そして、それと同時に檻が少し動いた。


「な、何じゃ」

シャラザールも驚く。


「おい、檻が動いたようじゃが」

「まさか、あの檻はそんじょそこらの力では動かんぞ。いくらシャラザールの力が強いとはいえ、動かすのは無理だ」

「いや、しかし、見ろ、動いているぞ」

確かに檻は徐々にスピードを上げていく。

鬼たちは驚いた。



「やばい」

「檻を止めろ」

鬼たちがわらわらと檻に群がって止めようとしたが、檻はその鬼たちを弾き飛ばして進む。



「ようし、行け、行くのじゃ」

シャラザールが喜んで言う。


しかし、檻はただひたすら真っすぐに動いた。


「おい、待て、先には針山が」

バキン


「ぎゃっ」

もろ針千本が檻の中に突き刺さる。

さすがのシャラザールも悲鳴を上げた。


「おいっ、ちょっと待て」

しかし、シャラザールの悲鳴をものともせずに、檻は次は火の山の中に飛び込んでいく。


「ギャーーー」

さすがのシャラザールも1万度の温度には参った。


そして、次は氷の地獄、零下200度強の絶対零度の世界だ。


檻はただただ真っ直ぐに進む。そして、さらに加速する。


そして、その先には無限地獄の門が。


ドカーン・・・・・・・・・



凄まじい衝撃をシャラザールに与えながら、檻はシャラザールの意思とは関係なく、二度目の無限地獄の門破りを敢行した。



「え、閻魔様、大変です。シャラザールが檻ごと無限地獄の門を破ったと報告が」

「な、何じゃと。檻を壊して逃亡ではなくて檻ごと逃げているというのか」

「はい。何故そうしているかはわかりませんが、各地で鬼が止めようとしておりますが、全く相手にはなりません」

副官が報告する。


「閻魔様。焦熱地獄の門が突破されました。檻のスピードが早くて鬼どもでは対処が出来ません」

「すいません。叫喚地獄ですが、檻のスピードが早すぎて目視に失敗。気づいた時は破られておりました」


「な、何なのじゃ。シャラザールは浮遊術を使っておるのか」

「判りません。しかし、檻の速度は光速に近付いているかと」

「な、何じゃと。それじゃとすぐにここまで来るぞ」

閻魔は立上った。


エクスカリバーと地獄の剣という二本の宝剣を掴んで構える。


「おのれ。シャラザールめ。どんな小癪な手を使おうが今回は行かせん」

閻魔は剣を構えた。

とっておきの宝剣、それも二本もあるのだ。今回は阻止できるはずだ。

いや、絶対に阻止せねばなるまい。

閻魔は決意も新たに構える。




しかし、次の瞬間


ズコーン


という大音響の後、実際は音がしたのははるか後なのだが、等活地獄の門が突き破られた。


そして、その勢いのまま檻ごとシャラザールが閻魔に激突した。


閻魔は斬りつけるまもなく剣を構えたまま、弾き飛ばされる。


そして、檻は閻魔諸共、地獄の門に激突。


「ギャーーーー」

何人もの悲鳴を残してそのまま飛んで行った。


跡には閻魔の影も形も残っていなかった・・・・・・

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

この章もまもなく終わります。

ここまでいかがでしたか。


今回のこの2話。自信をもって書いたのですが……


評価まだの方は宜しくお願いします。






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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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