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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

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大国皇太子とクリスの甘い夜???

軽い軽食を6人で食べた後、オーウェンはうまいこと言って何とかクリスを宮殿のテラスに誘い出すことに成功した。


宮殿は少し小高い丘にあったので、そのテラスからはドラフォードの王都イエーナ街並みの美しい夜景が見れた。

「きれい!」

クリスはこのような夜景は初めてだった。


「どう。これをあなたに見せたくて。マーマレードの王宮からの夜景もきれいだったけれど」

「いえ、イエーナには到底及びません。素晴らしいですね。」

振り返ったクリスの瞳があまりにもきれいで、思わず抱きしめたくなってオーウェンは必死に自制する。


馬車の中では散々話したので、オーウェンとしてはこの3か月間、いやいや、会えなかった8年間分話したような気になっていたが。

お互いの口調はやっと昔に戻りつつある。

クリス嬢って言えるようになったし、オーウェン様って呼んでくれるようになったし、とオーウェンは浮かれていた。


「まあ、マーマレードの王都に比べれば大きいだけかな」

「比べ物にならないかと。これだけの人々が生活しているんですね。」

「市井の人々の暮らしも興味がある?」

「はいっ。でも危険だからって実際には見た事無くって」

残念そうにクリスは言った。


「じゃあ明日でも行ってみる?」

「えっ本当ですか。」

喜んでクリスが言う。

「じゃあお忍びで行ってみよう」

冷静な声とは裏腹にオーウェンの心の中は星が飛び回っていた。


「うーん、でもお母様がなんていうか。」

「大丈夫。隠れて護衛は付けるから。問題ないよ」


その後ろの木陰でガーネットとウィルは隠れていた。

「なんでこんな陰でこそこそと」

ウィルがぶつぶつ言う。

「うるさいわね。今良いところなんだから」

目をキラキラさせてガーネットが言う。


そのウィルの電話が光る

「しいいい」

ガーネットの声にウィルは慌てる。

さっと出るとそこにはジャンヌがいた。

「ウィル元気」

「えっなんとか」

「あっジャンヌお姉さま」

その横で静かにしろと言っていたガーネットが画面に食らいつく。

「えっお前誰?」

「ガーです。」

「うそっ。がーってこんなにかわいい女の子になったんだ。」

昔からジャンヌについて回っていた子だった。

それがこんなにかわいい女の子になったなんて、ジャンヌにとっては驚きだった。


「お姉さまこそますますりりしくなられて」

憧れのジャンヌを目にしてガーネットは感動していた。


「ウィルは、ガーと一緒にいるってことはもう王宮に着いたんだ」

「はい、そうですよ」

小さな声で話す。

「静かにしているって事は話してはまずい?」

「静かに話すことは問題ないです。」

ガーネットが言う。

「クリスとオーウェンは」


「今、二人で夜景見ていますよ」

「えっそこまで仲良くなったのか」

横からアレクが出てくる。

「皇太子殿下そのモミジマークは?」

驚いてウィルが聞く。

「お前のところの王女にヤラれた」

「あんたが悪いんでしょ」

「えっ皇太子殿下ってひょっとしてノルディンの」

ガーネットが驚く。

「まあそう」

「すごいですお姉さま。大国の皇太子殿下のほっぺを張り倒すなんて」

ガーネットは感激しているが

「外交問題にならないと良いけど」

ウィルは憂鬱だ。


この二人本当に今後どうするんだろ。

素直に疑問にも思う。

エドが首になったから王女はマーマレードのおそらく皇太子。

絶対にやりたくないとは思うけど。

片一方はノルディンの皇太子。

敵国同士。

方や科学立国だけどトップは軍人

もう一方は軍事立国でトップも軍人

ノルディンは後継候補は掃いて捨てるほどいるけど、

マーマレードは今や2人だ。

アレクが入り婿????

それもあり得ないと思うが…


「で、二人は」

「何でも明日お忍びで二人で出るみたいですよ」

「何。そこまで親しくなったのか?」

悔しそうにアレクが言う。

「えっお姉さま。恋の下僕がクリス姉様狙っていますよ」

「誰が下僕だ」

「そうそう、こいつは関係ない」

二人して否定する。


「でも、市井に出るか」

「ここは黙っているわけには」

二人してぶつぶつ言つている。


「あっお兄様、手を重ねた」

キラキラしてガーネットが言う。

「何」

ウィルは慌ててそちらを見ようとして剣が立てかけてあった椅子を倒す。

ガッシャーン

大きな音がした。



オーウェンはイエーナの夜景を見ているクリスを暖かい眼差しで見ていた。


どれだけ、二人でこの夜景を見たいと思った事か。


でも、エドの婚約者になったので絶対に不可能だと思っていた。


その彼女が自分の側にいる。


それも自由な立場として。


やっと自分にも可能性が出てきた。


絶対にダメだと思ってもあきらめきれなかったクリスが自分の側に。


手すりに載せる白いほっそりとした手に見とれて思わず手を重ねてしまった。


ハッとししてクリスはオーウェンを見た。


その時にガッシャーン

と大きな音が。


「何してる!」

隠れていた二人を見て少し怖い顔でオーウェンがガーネットに言う。


「えええ?お二人が見えなくなったので、探しに来たんです」

ガーネットがしらを切る。


「まあ、ごめんなさい。二人で楽しそうに話しているから邪魔しちゃ悪いかなって」

クリスが言う。


「えっ」


「僕たちの事ですか。」

驚いて二人は聞く。


確かに昔の事は話していたが、絶対にオーウェンが二人きりになりたいからそういう言い訳したんだ。

二人は白い目でオーウェンを見る。

「お姉さま。

私はお二人の方が仲良くしていらっしゃるようにお見受けしましたけど」


ガーネットはオーウェンをちらりと見て言う。


「まあ、オーウェン様には色々助けて頂きましたから。」

クリスが笑って言う。


「私としてはお姉さまが本当のお姉さまになって頂けたらこんなにうれしい事無いんですけど」

ガーネットは爆弾発言をした。

思わず、オーウェンは咳込む。


「まあ、ガーネット様ったら。オーウェン様がお困りですよ。

そのような恐れ多いお話。」

クリスが流す。


「えええっ。でも今も後ろからお見かけしたらとてもいい雰囲気でしたけど。」


「それは、オーウェン様がお優しいからですわ。

婚約破棄の時も助けて頂きましたし」

うーん、オーウェンは絶対に自分から進んでやっていたよね。とウィルは思う。


「まあいいですわ。お姉さま。今日は一緒に寝ましょう。

いろいろお話したいこともありますし。」

「えっ。そのような恐れ多い。」

「もうお姉さま。昔のようにガーって呼んで。

シャーロット様には私がお願いしますから」


余計な事を話すなよ。とオーウェンはガーネットに釘を刺そうとしたが、ガーネットはにやりと笑ってクリスを連れて行った。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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