表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

326/480

暴風王女はボフミエの生き残り魔導師を退治しました

さて、戦いは最終局面に突入しました。


今日はあと2回投稿予定です。



ジャンヌは城門の前に転移してきた。


そして、即座に城門の中に入ろうとする。


「許可証の提示をお願いいたします」

見知らぬ兵士がやりで行く手を阻む。


「はっ?貴様、もぐりか」

ジャンヌはそのまま強引に通ろうとした。


「駄目です。許可証のないものは何人たりとも入れるなと皇太子殿下からの命令が出ています」

門番は必死だった。


「おい、門番。貴様、その皇太子に向かって何を言ってる」

切れてジャンヌは門番の胸倉を掴んだ。


「前皇太子は放蕩がたたって皇太子を廃嫡。エドワード様が皇太子に・・・・・・」

その瞬間、ジャンヌの衝撃波が門番を襲った。


門もろとも門番が弾き飛ばされる。


「勝手に廃嫡するな! 私は皇太子をやりたくてやっているわけではないぞ」

ジャンヌは切れていた。


爆発音を聞いて慌てて城内から兵士たちが飛び出してくる。


「で、殿下」

ジャンヌを知っている者達は怒り狂ったジャンヌを見て驚いた。

なにせ相手は暴風王女だ。それも何故か後ろに赤い死神を従えて立っている。


この二人にかなう者はそう簡単にいるわけはなかった。


「そこのおまえ、直ちにエドの前に案内せよ。あいつをたたっ斬ってやる」

ジャンヌは完全に切れていた。


「で、殿下、私も皇太子殿下の居場所は」


「良いからチャッチャッと案内しな」

今にも魔力を暴発しそうになりながら、ジャンヌが叫んでいた。


後ろではアレクが黒い笑みをしていた。


な、何ていう最悪のシチュエーション。


怒り狂った暴風王女が、お供に薄気味悪い笑みをした赤い死神を連れて攻め込んで来た・・・・・・


マーマレード王国もこれで終わりだ…………


何人かの兵士たちは確実にそう思った。


「ヒィィィぃ」

兵士は引きずられるように王宮の中に連れ込まれた。


エドの部屋を知っているジャンヌはどんどん歩いていく。



「これはこれはどこのネズミが入ったのですかな」

そのジャンヌらの前に、サロモン・フィッシャーが現れた。


「そう言うきさまこそ、どこのネズミだ。直ちにひっとらえろ」

ジャンヌが周りでオタオタして付いてくる兵士たちに指示を送る。


兵士たちは王子付きのサロモンと王女との板挟みになって慌てた。


「何をおっしゃっているのです。私は皇太子殿下付きの筆頭魔導師ですぞ」


「はんっ、そこのボケナス。やりたくはないがな、今のマーマレードの皇太子はこの私だ。

文句はやりたくないという私を10人がかりで説得した奴らに言え」

未だに皇太子をやらされていることに納得いかないジャンヌだった。


しかし、ボフミエにいると色んな国の皇太子がいる。オーウェンの内務に対する仕事ぶりや、財務卿のコレキヨを見ていては、到底皇太子なんて出来るわけはないと思ってしまうが、遊んでいる(ジャンヌにはそうとしか見えない)アレクや、トリポリの皇太子なんか見ていると自分にも出来ると思えてしまったジャンヌだった。最近は優秀な補佐がつけばアメリアくらいは出来るのではないかと、アメリア本人が聞けば確実に切れそうな不遜なことまで考えているジャンヌだった。

あのボケナスの弟よりはましだと思っていた。



「はんっ、さすが礼儀のなっていないと名高いがさつ王女なだけはありますな」

にやりとサロモンが笑った。


「何を申すやら。国に仇なす魔導師とは貴様のことか」


「何をおっしゃいます。私は王妃様から直々に無断侵入した曲げ者をひっとらえろと言われているのです」

サロモンは切り札と思しき王妃の名前を出す。


「ほう、母上が反逆されたと」

しかし、さすがというかジャンヌはびくともしなかった。


「何をおっしゃっていらっしゃるのです。廃嫡されたあなたより王妃様のほうが位は上です」

サロモンはなおも余裕だった。


「ふんっ、何をとち狂ったことを申しておる。私はクリスに憑依された戦神シャラザールより命を受けて参った。逆らうものは反逆罪として処断せよとな」

勝手に理由づけしてジャンヌは言った。というかこれくらいはシャラザールは許してくれるだろうと、もはや、ジャンヌの頭の中では戦神は戦仲間のレベルまで落ちているのだったのだが。


「せ、戦神シャラザールなどと伝説の戦神を出されても」

サロモンは笑おうとしたが失敗した。サロモン自体も戦神には一度叩き潰されている。

しかし、あの化け物は今は地獄だ。戻っては来れないはずだ。


「ふんっ、ノルディン戦を生き残ったものは皆知っておるわ。正義は我にあり。反逆者に与するものは今より成敗してくれよう」

ジャンヌは剣を抜いた。


「き、貴様、王妃様に逆らうのか」

サロモンは少し慌てた。


「ふんっ、悪いな。昔から母上には逆らったことしか無い」


ジャンヌはそう言うと衝撃波をサロモン目指して放った。


サロモンは障壁で防ぐ。


「ふんっ、少しはやるではないか。3流魔導師よ」

「な、何を。魔導師の世界で私の名前を知らないやつなど所詮3流」


「ふんっ、貴様の名前を知っている方が3流なのだ」


ジャンヌは剣を構えると


「行くぞ」

叫ぶや駆け出した。


サロモンは衝撃波を放つ。


それをジャンヌは剣で弾く。


その度に王宮の壁や屋根が破壊される。後でまた母からは散々な小言を食らうかもしれないと、こんな状況でも余計なことを考えてしまったジャンヌだったが……


「喰らえ!」

ジャンヌは爆裂魔術をサロモンに叩きつけた。


「おのれ」

サロモンは必死に衝撃波で防ぐ。


しかし、そこにジャンヌが剣を構えて飛び込んできた。


そして次の瞬間には張った障壁諸共ジャンヌの1刀のもとに、切られていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ