表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

323/480

戦神は地獄で鬼退治をしました

一方その頃シャラザールは地獄の中の最下層、無限地獄に送られていた。

シャラザールにとって千年ぶりの無限地獄だった。


昔入った当初は何も判らず、裏切られた怒りだけで、かかってきた鬼どもを返り討ちにしているうちに、牢名主ならぬ無限地獄の主になっていたのだが。今回は前回共に脱獄した者共も多くは死に絶えて地獄にも来ているものはいるはずだったが、流石に千年も経っていると、地獄に残っているものもいなさそうだった。


無限地獄は千年前に破壊し尽くした面影はなく、きれいに修復されていた。


本来囚人たちには無限地獄の風景はおとろおどろしくて、逃げ出したくなるはずなのだが、シャラザールにとっては久しぶりで懐かしかった。


檻の中に拘束されていなければ思いっきり地獄の中を走り回りたい気分だった。


その小さな檻で拘束されたシャラザールを、槍を握った10人の鬼たちが取り囲んでいた。


「その方が大罪人、殺人鬼シャラザールか」

鬼の一匹が言う。


「うーん、それは違うぞ。余は大罪人などではない。戦神シャラザールじゃ」

シャラザールが平然と言った。


「ふんっ、何を言うか。神が地獄に叩き込まれるわけはなかろう。貴様はただの大罪人シャラザールじゃ」

「そうじゃ、そうじゃ」

鬼たちが囃し立てた。


「うるさい鬼どもじゃな。せっかくの地獄を懐かしがっておるのに」

不機嫌になってシャラザールが言った。


このような不敬な態度を取るとは、人間ならそのまま爆炎魔術で焼殺するところだ。


いつもならば鬼といえども同じだろう。


ただ、厄介なことにこの檻がシャラザールの魔術の発動を邪魔しそうだった。


試しに手に魔力を流してみるが、途中で発散してしまう。


「で、雑魚どもが何のようじゃ」

面倒になってシャラザールが言った。



「な、なんと我ら閻魔様直属の鬼を侮辱するとは許せん」

「そうじゃ、まず一回目に血祭りにあげてやるわ」

「貴様はこれから何万回も殺されるのじゃ」

「覚悟するが良い」


「ええい、本当に雑魚どもはうるさいだけじゃの。能書きはどうでも良いから、さっさと来い。」

つまらなそうにシャラザールが言う。


「もう許せん。死ねぇぇぇぇ」


鬼の一人が槍を掲げるとシャラザールめがけて刺し殺そうと突き出した。

しかし、槍をシャラザールに突き刺したがあまり反応がない。


「えっ」

鬼は驚嘆した。槍の穂先からも血が流れてこない。


「そんなバカな」

鬼はやりを握り直した。


「今度こそ死ねぇぇぇ」

思いっきり槍を突き刺す。しかし、また反応はない。


「死ね。死ね死ね死ね死ね」

鬼は何度もシャラザールを突き刺した。


しかし、シャラザールはびくともしていないし、全く堪えていなかった。


「何じゃ。蚊でもおるのか」

余裕の対応だ。


「おのれ。もう許さん」

周りの鬼たちも一斉にシャラザールに槍を突き立てた。


10本の槍がシャラザールに突き刺さった。さすがのシャラザールもこれまでだろう。

鬼たちはそう思いシャラザールを見やった。


しかし、シャラザールは平然と檻に頬杖をついて鬼たちを見ていた。


「なんとも感じぬが、お主達なにかしたのか」

シャラザールはニヤリと笑った。


「ではそろそろ余の方から行くぞ」

そう言うや、その一本の槍を掴むと鬼の手から奪い一番最初に刺した鬼に突き刺した。


「ギャッ」

鬼は悲鳴を上げると倒れ込んでいた。



「た、大変じゃ。鬼が殺されたぞ」


「おのれ、よくも」


残りの鬼たちが必死にシャラザールを槍でつこうとするが、


「ふんっ」

とシャラザールが鼻を鳴らすと


「面倒じゃの」

いかにも面倒そうに言うと目にも見えぬ速さでその槍を掴んで次の鬼を刺殺した。


そして、3人めも。


鬼たちは唖然と見ていた。


「や、やばい」

一人の鬼が後ずさった。


「えっ」

更に4人目が刺殺される。


「ギャーーーー」

鬼たちは槍を放り出して一目散に逃げ出した。


やっぱり、地獄の鬼達では戦神シャラザールは殺せなかった・・・・・・・

シャラザールは地獄でも無敵です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ