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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

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王妃は息子に裏切られ、魔王に憑依されました

その頃、エドワードは王妃を訪ねていた。


「どうしたのですか。あなたから私を訪ねてくれるなんて」

王妃は驚いた。


青年期に入ってから今までエドワードは必死にエリザベスを避けていたのだ。


「何をおっしゃっていらっしゃるのですか。母上。私もいつまでも子供ではありませんよ」

エドワードの言葉に王妃は瞠目した。


思わず王妃の目から一滴の涙が流れ出していた。


「母上、どうされたのですか」

涙を見てエドは驚いた。


「あなたがそんな事を言ってくれるなんて思ってもいなくて」

王妃は涙を拭って言った。


「北の大地で苦労したのですか」

「ええ、私も色々と思うことがありました。今までいかに自分勝手で皆に迷惑をかけていたか、よく判りました」

殊勝にエドが言う。


「あなたがそのような反省してくれるなんて」

また、王妃が目を押さえた。


エドはその母の様子を見て、自分のこれからしようとすることに若干の躊躇が生じた。


しかし、ここまで来たのだ。今更やめるわけにいはいかない。ここで止めることは、最愛のクリスをオーウェンに取られることにつながるのだから。


「実は母上に折り入って頼みがあって参りました」

姿勢を正してエドは話しだした。


子供の頃からクリスが好きだったこと。母がオーウェンからクリスをかっさらって婚約させてくれたことに対してとても感謝していたこと。そして、クリスがいかにマーマレードにとって大切な存在なのか。

再び、出来ればクリスと婚約を結び直したいことを。


「しかし、エドワード。あなたの言いたいことは判りますが、今更結び直すのはとても難しいのよ」

王妃は出来れば素直になったエドの気持ちを汲んでやりたいが、それはとても難しいことだった。


「私があのようなことをしたからですよね」

「ええ、何であなたはあのような公の場でクリスに婚約破棄したの」

王妃は非難するようにエドに言った。


「それは私に非があります。でも、その時クリスは邪神に憑依されていたのです」

エドはシャラザールのことを邪神と言い切った。エドにとってはシャラザールは確かに邪神だった。


「はっ。邪神に?」

驚いて王妃は目を見張った。


「そうです。私は4年前のサマーパーティーでその邪神にボコボコにされたのです。でないとあんな可憐なクリスが私に暴力を振るうわけ無いでしょう」

「それは私もおかしいとは思ったけれど、あれはクリスが酔ったよった勢いで魔力を暴発させたのではなくて」


「婚約破棄の時の私の全治2ヶ月の怪我も全て邪神にやられたのです」

「そんな事信じられないわ」

王妃は否定する。


「じゃあクリスがあんな事できたとお思いなのですか」

逆にエドは聞いた。


「あれはジャンヌがやったのではなくて」

「姉上はいくらガサツとは言え、弟に対してあそこまでやりませんよ」

エドは言い切った。もっともジャンヌならやりかねないとは思っていたが………


「で、今回はその邪神をクリスから切り離すことに成功したのです。これで何の障害もなくクリスと一緒になれるんです」

エドは心底安心したように言った。


「でも、エド・・・・」

「私はこの4年間クリスから邪神を切り離すのに必死に努力してきたんです。婚約破棄もその一環でした。うまく行かずあんな事になってしまいましたが。でも、やっとそれがやっとかなったのです」

エドは全て自分に良いように言い換えた。


「せっかく邪神からクリスを切り離せたのに、母上はそれに反対されるのですか」


「でも、エド、あんな事やってしまって、たとえあなたが言うことが本当だとしても、今からやり直すのは難しいのよ」


「ほう、じゃあ母上は、また、キャロラインおば上に負けて良いとおっしゃられるのですか」

「姉上に負ける?」

王妃は厳しい目でエドを見た。


「そうです。ピーター王を二人して取り合っていましたよね」


「ど、どうしてそれを」

いつもは冷静なエリザベスが思わず慌てた。

ピーター王子に気があったのは元々エリザベスの方で、キャロラインは全く気にしていなかったのだ。でも、アプローチするエリザベスの方は全くピーターは相手にされなかったのだ。それでエリザベスは諦めた経緯があったのだ。いつも目立つ所はキャロラインが持っていって、真面目で地味なエリザベスはいつもそれを指を咥えて見ているだけだった。


「今回も可愛いクリスがおば上の息子に取られても良いと思うのですか」

エドの目がランランと光っていた。


「これはおば上に一泡吹かせるチャンスなんです」


「でも、」

エリザベスは抵抗しようとした。


しかし、体は何か繰られるように言うことを聞かなくなっていた。


「エド、あなた何かしたの?」

キャロラインは思わず立ち上がろうとした。


「御免なさい。母上。てもこれが国のためなんです」

言うや、エドは黒い石を王妃の胸に突き出していた。


一瞬で黒い禍々しい煙が王妃を覆った。


王妃はゆっくりと倒れた。その体を倒れる前に抱き止める。

母の体温を感じるのは久しぶりだった。前世の記憶を取り戻したとは言え、コンセの記憶もエドにはあった。母は厳しかったが、それでも母は母だった。

そんな母を利用することがエドにも若干堪えた。


と王妃はかっと目を開いた。


「うーん、なかなかの体じゃな」

王妃に憑依した魔王が言った。


「そうだろう。母上は魔力も多い」


「それよりも良かったのか。自分の母を魔王の依代に差し出して」

「目的のためには仕方あるまい」

ニタニタ笑う魔王にエドは言い切った。


「余はクリスのほうが良かったのだが」

「クリスに指一本でも触れてみろ。貴様を封印し直す」

きっとしてエドは言い切った。


「まあ、良かろう。余を足蹴にしたシャラザールは地獄に送ってやったし、クリスの小娘も嫌いな貴様の妻になるのだからな」

「クリスの心はいずれこちらに向かすさ」

「ふんっ。そう上手くいくかな」

王妃となった魔王はニヤリと笑った。


「誠心誠意かければなんとかなるさ」


「ふんっ、貴様に似合わぬ言葉じゃな」

魔王はつまらなそうに言った。


「まあ、良い。明日からが楽しみじゃな」

魔王は高笑いした。

またまた魔王の登場です。

今回魔王は前世神だったエドではなくて、魔力の多い王妃に憑依しました。

クリスはエドのものになってしまうのか。

シャラザールの運命やいかに。

まだまだ更新していきます。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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