クリスは王宮に留まることになり、ウィル達はマーマレードに向かいました
本日3話目です
クリスが倒れたという報告は王宮の侍女たちによって直ちに王妃とお茶しているシャーロットにもたらされた。
二人は慌ててクリスが寝かされている客室に行く。
「クリス大丈夫」
枕元に立つエドをみやりつつシャーロットはクリスに駆け寄った。
「ええ、お母様。少し立ちくらみがしただけよ」
クリスは気丈夫に言った。
「申し訳ありませんる侯爵夫人。私が無理を言ったばかりにクリスティーナ様には心労をかけてしまって」
エドが謝る。
「いえ、少し疲労が貯まっていたのでしょう」
シャーロットが言う。
「ジャンヌ達がクリスに無茶振りして苦労をかけているのね」
エリザベスは自分の娘を思い出していた。
「いえ、ジャンヌお姉さまは積極的に協力いただいていますわ」
クリスがジャンヌを庇った。
「まあ、それなら良いんだけど」
結局クリスはその日は王宮で部屋を借りて休むことになった。
しかし、あまり大げさにするのは良くなかろうとボフミエ側には伝えられなかった。
翌朝、アルバートを筆頭にウィル、メイ、ナタリー、ミア、フェビアン、イザベラの7名は完成したスカイバード発射台からボフミエ王都ナッツァ経由で一路マーマレードの王都マーレに向けて旅立った。
イザベラはよろしく頼むとすがりつくオーウェンを振り払うのに結構大変だった。
ウィルはそんな来れないオーウェンをいい気味だと見ていた。
実家に帰っているのならば久しぶりに姉さまと二人だけでゆっくりする暇もあるだろう。王都に着いたら、アルバート達はほっておいて、取り敢えず、家に一足先に帰ろうとウィルは思った。
スカイバードを乗り継いでマーマレードの王都マーレに着いたのは昼を回っていた。
「じゃあ、アルバート、姉さまが心配だから悪いけど先に行くよ」
着陸湖岸についた途端に、ウィルはアルバートに言った。
「えっ、不慣れな俺たちをおいていくのか」
アルバートが言う。
「よく言うよ。半年いただろう。それにメイもいるし」
「じゃあ、ミアとイザベラを連れて行ってくれ」
今にも飛んでいきそうなウィルにアルバートが侍女と女官を頼む。
「えっ、重さ百キロも抱えて家まで飛ぶのは無理だよ」
「ちょっとウィル。私達が百キロもあるっていうの」
「本当です。酷すぎます」
ウィルの何気ない一言でイザベラとミアが切れる。
「だって一人五十キロはあるだろ」
「あるわけ無いでしょ」
二人はハモった。
「ウィル様」
メイが驚いてウィルを端につれていく。
「女性に体重の話をするのは禁句です」
「でも、ほとんど五十キロはあるだろう」
「ウィル様。たとえ一キロしか軽くなくても女にとって体重は大切なんです」
「メイも失礼よ。私49もないわよ」
「本当です」
メイの言葉にイザベラとミアが噛み付いた。
「その持っている荷物も入れて」
しかし、次の瞬間ウィルの言葉に二人は黙り込んでしまった。
たしかに大きな荷物入れたら二人で100キロは超える。でもそれを大きな声で言うことはないではないか。二人は不満そうにウィルを見た。
「ウィル様。また、クリス様に怒られますよ」
「えっ、それは困る」
ウィルは慌てた。そう言えば姉も体重については気にしていた。あんなに細いんだから気にしなくても良いのに。それに幼馴染の生意気なガーネットにもしばかれた事があったことを思い出していた。
「ああ、二人共ゴメンゴメン。連れて行くから許して」
態度を180度変えてウィルが言う。
「じゃあ、ウィル。俺も連れて行って」
フェビアンが横から言うが、
「男は嫌だ」
ウイルが即座に拒否する。
「何でだよ。俺以外みんな騎士じゃん。そんな奴らと一緒に行動するの無理なんだけど」
フェビアンが言うが、
「じゃあ」
ウィルは無視すると2人を連れて転移していった。
「えっ、うそ」
フェビアンは固まった。
「じゃあ馬を探そう」
アルバートが言う。
「そんな、お前らと一緒に行くなんて無理なんだけど」
「グチグチ言わない」
「そうよ、フェビアンも男なんだから」
ナタリーとメイに言われてフェビアンは固まった。
「そんな、お前らに比べたら俺は本当にか弱いんだから」
ぎゃあぎゃあ抵抗するフェビアンを無視して3人は行動を開始した。
「おいっ、ちょっと待って、置いていかないで」
フェビアンは慌ててついていった。
ウィルが実家に帰ってもクリスはいません。
どうするアルバート・・・・
フェビアンは無理やり馬に乗らされて………








