シャラザールは地獄に叩き返されました
本日2話目です
シャラザールは気付くと檻に入れられていた。
「何だこれは」
暴れて出ようとするが、出られない。というかとても狭い檻で、体を折り曲げていないといけなかった。
「がっはっはっは。やっと捕まったか、シャラよ」
その声にはシャラザールは聞き覚えがあった。
「貴様、閻魔か」
「1000年ぶりに帰ってきたか」
閻魔はご機嫌だった。
「何故貴様がここにいる」
「何を言っている。貴様が地獄に送り込まれたからに決まっておろう」
閻魔はニヤリと笑って言った。
「な、何だと」
シャラザールは慌てて周りを見渡した。確かにそこはシャラザールが脱獄した地獄の門の前だった。
「今頃気付いたのか」
馬鹿にして閻魔が言った。
確か3年前にシャラザールがボコボコにしたエドの前にクリスが行って、そして、何か禍々しいものに吸い取られたというか、クリスの中から強引に出されてそのまま弾き飛ばされたのだ。
それが地獄へ弾き飛ばされたのか。
しかし、そのような事が可能なのか。あの軟弱エドワードは確か、昔シャラザールが天国から地上に叩き落としたゼウスの息子、確か豊穣とブドウ酒と酩酊の神ディオニューソスの生まれ変わりだったはずだ。魔力もそんなに多くはなかったし、こんな事が出来るとは思ってもいなかった。いや、しかし、あの禍々しい感じは………
「閻魔、貴様魔王と組んだのか」
シャラザールは叫んでいた。
「ふんっ、魔王かどうかは知らんが、ゼウスの係留のエドとかいう男が貴様を地獄に送り返したいと言って来たからの。魔道具を貸してやったのじゃ。見事に引っかかったの」
閻魔は笑った。
「おのれ」
シャラザールは暴れようとするが檻はびくともしなかった。
「無理無理。その檻は貴様用の特注品だ。何しろ地獄の鬼達が百年もかけて作ったのだ。そう簡単には破れんよ」
閻魔は嬉しそうに言った。
「貴様が1000年前に地獄の門を破って逃げてからずうーっと貴様が帰ってくるのを待っておったぞ」
「余はこんなところにいる暇はない」
シャラザールは暴れようとするが檻はびくともしない。
「何を言っておる。貴様が途中でほっぽりだした分、プラス貴様が地上で犯した罪は100万人分にもなろう。何万年もかけてじっくりと罪を贖うのじゃ」
「何を言っておる。余の罪はゼウスによって許されたはず」
「ふんっ、そのゼウスも今やこの地獄におるわ。すなわちそれは貴様がゼウスを地獄に叩き込んだ3年前から無効じゃ。よって貴様の命をもって贖え」
閻魔が言うとシャラザールの足元に穴が開く。
「おい待て、閻魔」
しかし、シャラザールの言葉は閻魔には届かなかった。
シャラザール1000年ぶりに地獄に送り返されました。詳しくはこちらを
「娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します」
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