クリスは諜報局長から元婚約者の皇太子が王宮にいることを知りました
本日3話目です。
翌日王都に向けてクリスは新しくミハイル家に雇われた侍女アガサと母と一緒に転移して王宮に向かった。
中に入るのは王弟反逆時に平定する時に入って以来だ。クリスは幾分緊張した面持ちで場内に入った。しかし、クリスが最初に向かったのは王妃のところではなくて侍女の控室だった。
「クリス様!」
たまたま控室にいた侍女のメリーが慌てて立ち上がった。
「メリー、元気?」
「はいっ。本当に帰っていらしたのですね。クリス様もお元気そうで」
クリスの顔を見て喜んでメリーが言った。
「ジャックは元気にやっている?」
クリスはメリーの息子の事を聞いてみる。
「はい。でも最近は本当にやんちゃになって結構大変です」
「ジャックは男の子だものね」
メリーの言葉にクリスは笑って言った。
「はい、これ、クッキー焼いたの。みんなで食べて」
クリスがクッキーの入った大袋を差し出した。
「えっ、こんなにたくさん。すいません。侯爵夫人にまで持ってきてもらって」
「そんなの気にしないで。今日は娘の付添だから」
付き合わされているシャーロットも笑って持ってきた袋を差し出す。
シャーロットはこんなにたくさんのお菓子を、王妃に対して手土産として持ってきたのだろうかと不思議に思っていたのだが、相手は違ったみたいだ。
侍女の控室を出ると、王妃の部屋とはまた別の所にクリスは歩き出した。
「お母様。もう一軒寄っていくから」
「えっ、あんまり時間がないわよ」、
「大丈夫よ。すぐに済むから」
クリスが向かった先は諜報局だった。
「これはこれはクリス様。わざわざこのような所におこしいただかなくても」
ルーファスは入ってきたクリスを見て驚いて立ち上がった。
「ルーファス様。いつも本当にありがとうございます。これつまらないものですけど皆さんで食べて下さい」
クリスがクッキーを差し出す。ルーファスにはいつも貴重な情報をクリスらにもたらしてくれてクリスらはとても助かっていた。ルーファスと直接会うのも久しぶりだ。
「えっ、クリス様の手作りですか。エドワード王子に怒られそうですな」
喜んでルーファスが言った。それと同時にクリスが思ってもいない人物の名前が出た。
「えっ、エドワード様がお戻りになっていらっしゃるのですか」
クリスは驚いて聞いた。確か北方勤務に1年間行っていると聞いていた。
「反省されて戻ってこられたみたいです。何か雰囲気が全然違いました」
ルーファスがボソリと言った。
「えらく丸くなられたとのことです」
「そうなんですね」
目で情報を教えてくれたルーファスに感謝を伝えて部屋をクリスは出た。
ルーファスがわざわざ教えてくれたということは何かあるのだ。
クリスはまだエドに会いたいとは思ってもいなかった。未だにエドに振られたことはトラウマになっていたのだ。しかし、帰ってきているということは、今日のお茶会でも話題になるだろう。
クリスは心して王妃に会うことにした。
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次回、あまり良い思い出のない元婚約者が登場です。
どうするクリス。
また明日も3話更新予定です。








