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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第九章 ザール教騒乱

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閑話 エドの憂鬱と黒い石

閑話と言いつつ次章の始まりの部分です。

北の大地はまだ寒い。

エドは毎朝布団から出るのが億劫だった。それも毎朝6時起床なんてやってらんない。

王宮にいる時は学園に間に合うギリギリに起きていた。

今は北方師団の一小隊長として日々鍛錬の日々だった。


クリスとの婚約破棄から左遷まで怒涛の日々だった。クリスに張リ飛ばされた傷が治るのに、2ヶ月かかったが、その前から北方に居たので、王弟反逆時も特には関係なかった。ノルディンの動きが少しきな臭くなって北方戦線は少し緊張したが、反逆が鎮圧されると静かになった。何故か王弟もほとんどお咎め無しで戦いが終わり、それ以降は平和な状態が続いている。


姉と違って兵役をしたことがなかったエドには訓練は大変だったが、半年経てば流石に慣れてきた。



「あああ、たまには王都に帰りたい」

朝の訓練が終わった後にジェームス・ギルティが言った。

「本当だよな。いつまでここにいるんだか」

エドの取り巻きの一人だったマーク・フリップも言う。


そう彼らもエドに付き合わされてこの北方につれてこられたのだ。


ノルディンの戦いの後3年間、ジャンヌがこの地に滞在して北の備えとなっていた。

もっともその間北の皇太子の赤い死神と楽しくやっていたようだが。


誰か王族がいる必要があるということとクリスの婚約破棄の責任を取らされてジャンヌと交代した形になっていた。しかし、この12月からジャンヌもいつの間にかボフミエの地に転出しており、王都には誰も国王の子供が居ないという異常な事態が続いていた。エドを王都に呼び戻すという案もあるみたいだが、1年間は北方で修行するということで閣議決定がされたらしい。


その婚約破棄したクリスは何故かボフミエ魔導国の筆頭魔道士として今は大国の皇太子達を部下に従えて君臨していた。クリスを好いている大国ドラフォードの皇太子オーウェンやジャンヌと仲良くやっているのは知っているが、あの赤い死神を傘下に堂々としているクリスというのも考えられなかったが。ジャンヌと違ってクリスは個人技の戦いは得意ではないはずだ。まあ、人たらしのクリスであるが、それでも何故傍若無人の赤い死神を配下に従えられているのかはよく判っていなかった。



「はっ」

エドも溜息をついた。


何で婚約破棄なんてしてしまったのだろう。


決して部下の前では言えないが、エドは後悔していた。たしかにクリスは口うるさかったが、決してエドをないがしろにしたこともないし、王妃に言われていたのか、他の男子生徒達と仲良く話していることもなかった。エドをきちんと立ててくれていた。


たまたま、エドが反抗期でクリスに反発している所に公爵令嬢で人当たりの良いというか貴族らしくないマティルダが寄ってきて、それと意気投合してしまったのだった。彼女はエドはもう十分に努力しているのだから、そんなに頑張らなくて良いと甘いささやきを告げてきた。


それに乗ってしまったのだ。


エドが悪かった。


今からしたら何でクリスを振ってしまったんだろうと思う。


クリスは容姿端麗で儚げで見た目は弱々しい。


しかし芯が強くて負けず嫌いだった。でも、人に対する気遣いも抜群で、しかもエドを立ててくれていた。


いつも言う事は正論で、面白くないと思っていたが、それは仕方がないことだった。


何しろ本来の王女王妃王子教育をジャンヌとエドは逃げていてクリス一人で耐えていたのだ。


「本来あなたが守ってあげないといけなかっんじゃない」

とジャンヌに言われて、お前が言うなと反発したが、確かにそのとおりだった。


母の王妃はシャラザール3国の一つテレーゼ王国の王女だった人で気位が高く、礼儀作法に異常にうるさかった。エドから見ればクリスは完璧で、1ミリ違うとか王妃の言う事はよく判らなかった。


そうだ、王妃に反発していたのなら、その時にクリスも一緒に守ってやらないといけなかったんだ。自分なら出来たはずだ。


それにも関わらず、クリスをほったらかしにして、マティルダらと遊んでいたのだ。後悔先に立たずと言うが本当に1年前に戻りたかった。



折角ドラフォードの陰険皇太子から母が横取りして皇太子の婚約者にしてくれたのに。

3っつ上の陰険皇太子とは年齢上から言っても、何一つ勝てなかったが、クリスの件だけは勝てて本当に喜んだことを覚えている。


なのに、3年前のノルディン戦の前後から何かがおかしくなったのだった。

何故おかしくなったか判らなかったが、猛烈にクリスに会いたくなくなったのだ。



「何故なんだろう」

エドは首を振って部屋に戻ろうと歩き出した。



そして、その途中で森の先で光るものを見つけた。


「んっ?」


エドは気になってそちらの方に歩き出した。



それは森のハズレに落ちいた。黒光りする石だった。


禍々しい不吉な色をしていた。


でも、何故かエドにはそれがとても良いものに思えた。


エドがそれを拾い上げた時だ。


エドの記憶が全て蘇った。


「そうか、そうだったのか」

エドは何故クリスに嫌悪感を抱くようになったか判った。そして、どうしたらそれが無くなるかも。


「はっはっはっは。何だそんなことだったのか」

エドは高笑いをするとどうやってクリスを取り返したら良いか急激に悪巧みをし始めた。

皆さん、いつも読んで頂いてありがとうございます。

次章、この土曜日から怒涛の執筆に入ります。

今回はオーウェン対エドワード

クリスを巡って取り合いです。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


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■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「完結済」のままですが、新章始まりますよね? また、エドやその側近って王都に戻れるのですか? 元王太子が王都で現王太子で国外って状況は国の内部が荒れそうですが... [一言] エドの前…
[一言] 全てを思い出したということは神の時の記憶も思い出したのかな…?
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