エピローグ クリスはシャラザール教の教皇となりました
その日もザールの太陽の光は暑かった。
その暑い中、多くの信者がザール教改シャラザール教の大聖堂跡地に集まっていた。
クリスの純白の聖女の衣装が太陽の光を反射して光り輝いていた。
クリスとしては教皇なんてやりたくもなかったが、シャラザールの神託が下ったからクリスしかいないとジャンヌやアレクから散々言われて仕方無しに受けざるおえなかった。
クリスはゆっくりと壇下に立った。
周りより凹んでいて一番低いところだった。クリスの心のありようがここにも反映されていた。
「皆さん。私はクリスティーナ・ミハイルと申します」
クリスは集まってくれた一同を見上げた。
「ザール教は禁止薬物のパラウェイを信者の方々に使用していました。また、聖職者の多くが性奴隷を使役するという恥すべき行いをしており、多くが逮捕されました。そして、戦神シャラザールがお怒りになり、天罰が下り、この地ザールはこのように消滅したのです」
周りは誰一人何も言わなかった。多くの者が戦神シャラザールの怒りの攻撃を目にしていた。
「ザール教は禁教とされ、今日ここに新生シャラザール教に生まれ変わりました。元々ザール教の始まりは戦神シャラザールの息子のザール様が母である戦神シャラザールの活躍を褒め称えるために作られたとシャラザール歴伝にはしかと記されてあります。この度不祥事でザール教自体は消滅しましたが、その心はシャラザール教に引き継がれることと思います」
クリスは周りの一同を見渡した。皆熱心にクリスを見ていた。
「かつてシャラザールはおっしゃいました。『嘆く暇があるならば、努力せよ』と。私の好きな言葉です。でも、私自身まだまだで、到底努力が足りません。嘆いていることも多く、反省することも多々あります。シャラザールがお知りになられれば、何をしておるのかとお叱りを受けそうです」
クリスは少し笑った。
「教皇なんて立派な事を行えるような人格者では到底ありません。まあ、前教皇と比べれば誰でも人格者になってしまいますが・・・・」
クリスは苦笑いをした。
「この座席が示すように、教皇とは決して偉い立場ではありません。皆さんを支える立場が教皇なのです。私の出来る事は皆さんと一緒に一歩ずつ努力をしていくことしかありません」
クリスは手を上げた。そして真剣に一同を見遣る。
「私はここに宣誓します。皆さんと一緒に一つずつ、この世界が皆さんの住みやすい世界になるように努力していく事を誓います」
クリスの言葉に一斉に盛大な拍手が起こった。
この日、クリスティーナ・ミハイルはボフミエ魔導国筆頭魔導師にプラスして全世界200万人の信者のいるシャラザール教の教皇となった。
強い日光の日差しの中、群衆の間を吹く風も暑かった。
皆さんここまで読んで頂いてありがとうございます。とりあえず、これで完結です。
次の話の構想はありますが、少し休みます。ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました。
ブックマーク、評価頂けたら幸いです。
さて、新しいお話書き始めました。
娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します
https://ncode.syosetu.com/n4496gy/
今回の主人公はな、なんとシャラザールです。しかも、何故かめちゃくちゃシリアス。お涙頂戴のお話になる予定です・・・・・
ぜひともお読み下さい。








