ザール教国決戦2 戦神はザール教軍を一瞬で殲滅しました
「緊急事態だ。直ちに総員戦闘配置につけ。ボフミエが攻めてくるぞ」
魔導電話を切られてマウノ・アールネは叫んでいた。
直ちに次々に部下が指示を出しだす。この建物を中心に5千名の聖騎士と聖魔導師を配備して転移攻撃に備える。
しかし、そうこうしている間にボフミエ軍一同200名はその中心部、臨時に設置されたザール教本部に転移していた。
「ギャッ」
シャラザールが真上に出現してマウノ・アールネは蹴倒されてシャラザールの脚の下敷きにされていた。
建物内にいた全員が転移してきたジャンヌらの下敷きに足蹴にされる。
「あなた何!私のスカートの下から除いているのよ」
不幸な兵士はアメリアの下敷きにされた挙げ句に怒ったアメリアの爆裂魔術で消滅させられていた。
瞬時に敵司令部を占拠した、シャラザールは手を上に上げた。
一瞬にして建物の天井が木っ端微塵に弾け飛ぶ。
「いたぞ、あそこだ」
聖騎士達が慌てて駆けてきた。
「ふんっ」
シャラザールが小指を突き出すと一瞬にて騎士たちが消し飛んでいた。
「全員伏せよ」
シャラザールが叫ぶや頭の上で腕を一閃する。
慌てて伏せた一同の真上を凄まじい爆裂魔術が飛び出した。周りの建物を凄まじい勢いで消滅させた。配備されていた聖騎士も聖魔導師も何の出番もなしに壊滅していた。
転移1分もたたずに、シャラザールを中心とした1キロ四方は瓦礫とかしていた。
「シャラザール。いきなりの攻撃はやめていただきたいんですが」
思わずジャンヌが抗議するが
「ふんっ。ジャンヌ、これくらい気配を察して避けよ」
シャラザールは平然と言い切った。
「おいっ、雑魚、お前らのボスはどこにおる」
シャラザールは下敷きにしたマウノ・アールネ教皇魔導師団長に尋ねた。
「貴様などに言うものか」
マウノは命知らずにも言い切った。
「ギョェェェェ」
次の瞬間マウノはシャラザールに急所を踏みつけられて悶絶していた。
アレクは思わず顔をそらした。
「まあ、良い。ところでジャンヌ。敵が全然おらぬではないか。余がせっかく親征してきてやったと言うのに」
シャラザールが文句を言った。
「えっ」
ジャンヌは固まった。
「今、攻撃して壊滅させましたよね」
皆頷く。
「何?いや、ここでは戦うにしては狭いと思い、場を広げただけなのだが・・・・・」
場を広げただけで敵を殲滅ってどういうことだよ。
皆思ったが、懸命なことに誰も口には出さなかった。
「いや、ザール教の本国の備えがこんな事ではなかろう。たしか、少しは骨のある魔導師団長と騎士団長がいるはずだが」
「おい、小僧」
側に倒れていた魔導師の胸倉を掴んでシャラザールは持ち上げた。
「魔導師団長はどこだ」
「あ、あなた様が足蹴にされて・・・・」
「な、何。この弱い男か」
シャラザールは自らの下で悶絶した男を見下した。
「では、騎士団長はおろう」
「えっ、どこかにいるはずですが」
その声を聞いて瓦礫に隠れていたタネリ・マキラ教皇騎士団長はビクッとした。
(絶対に見つかってはいけない)
タネリはシャラザールには敵わないことが姿を見た瞬間に判った。慌てて逃げ出したにもかかわらず、周りの建物をシャラザールが一閃瓦礫の山に変えたので、逃げられずにいたのだった。
(シャラザールだと、何故伝説の戦神が・・・・そんなのに勝てるわけはない)
もし捕まったらとんでもない目に合うだろう。恐怖を感じて、ゆっくりと這いながらタネリは逃げようとした。
しかし、シャラザールはその気配を感じた。
「そこか」
小指を向ける。
一瞬で光がシャラザールから光った。
タネリは逃げる暇もなかった。一瞬で黒焦げになっていた。
さすが戦神、でもせっかく来たアレクたちの意味がなかった?
しかし、このままで終わるわけはなく・・・・・








