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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第九章 ザール教騒乱

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戦神はザール教本国への親征を決断しました

そこにはクリスではなくてシャラザールがいた。


「えっ」

皆固まった。


アレクはその気配を感じた一瞬で部屋の外に思わず飛び出していた。


どういう事?


本来クリスがアルコールを摂取するとシャラザールになるはずが、クリスが恥ずかしがりすぎてもシャラザールになるのか?


オーウェンの悩みはもっと深刻だった。


こんな事でクリスがシャラザールになるならば、キスしてもシャラザールになるのか・・・・・


「者共、何を戸惑っておる!」

シャラザールが声を出した。


「これは戦神シャラザール。いや、いつもはクリスがアルコールを飲んで来臨されるのに、此度はどうされたのかと」

ジャンヌが代表して聞く。


「ふんっ。そこの小僧が、クリスを慰めておるので、出るのを待っておったのだ」

シャラザールはオーウェンを顎で指して言う。


オーウェンは更に固まった。クリスにはシャラザールが憑依しているのだ。いつもクリスにすることが見られているのだ。オーウェンは改めて思い知った。



「何を恐れておる。その方がクリスにしていることなど、ここ3年間ずうーっと知っておるぞ」

シャラザールはさも当然のように言う。

「余も大人だ。その方が何をしようとも、クリスが拒絶せん限り余が干渉することなど無いぞ」

シャラザールは笑って言った。


そうか、ならば何しても良いのか。一瞬オーウェンは喜んだ。


「ふんっ。しかし、余はまだ、貴様がクリスの婿になるのは許せんがな。まだまだ、力が足りんわ」

シャラザールが平然と駄目出しする。

オーウェンはがっかりした顔をする。


「何だ。もう諦めるのか」

「いえ、ますます精進して努力致して参ります」

「そうだな。もっと努力いたせ」


それを部屋の外で聞きながらアレクは絶対に自分は無理だと思った。シャラザールの憑依した相手など、恋心を抱くのは絶対に無理だと。


「アレク!」

「はいっ」

シャラザールの言葉にアレクは慌てて返事すると部屋の中に馳せ参じた。


「貴様ももっと努力せんとジャンヌにはふさわしいとは思わんぞ」

「はっ努力致します」

「シャ、シャラザール、何を仰るのですか」

シャラザールの言葉にアレクは跪き、ジャンヌは文句を言った。


「まあ、良い」

シャラザールは笑った。


「クリスの小娘はまだまだ甘い。ザール教があのようなことで壊滅などするものか。あのブタ教皇は地下室でほくそ笑んでおるぞ」

憤ってシャラザールが言うと画像を映し出した。



そこには女奴隷たちに姦淫している教皇の姿が映し出された。

「ははは、ボフミエの小娘よ。貴様も信者共に殺されて終わりだ。余に逆らう奴らはこのように殺されるか奴隷に叩き落としてやるわ」

教皇は高笑いをした。



皆唖然とした。


「な、あのボケナス教皇、なんてことを」

ジャンヌがプッツン切れて言った。

「あのやろう。今すぐ叩っ切ってやる」

ウィルが目を怒らせ剣に手をかけて言う。今すぐ転移して切りかかりそうになっていた。


皆いきり立っていた。

このような宗教が許されるわけ無かった。


「ジャンヌ。直ちに集められるだけの戦力を集めよ。ザール本国に出撃する」

シャラザールは宣言した。


「はっ、しかしどのようにして」

「そこのジャルカに送らせる」

困惑したジャンヌにシャラザールがサラッと答えた。


「えっシャラザール様。そんな殺生な」

端で目立たないように小さくなっていたジャルカは慌てて文句を言う。


「何を言っておる。別に余の代わりに貴様がザール教を征伐に行って来てくれても良いのだぞ」

不敵な笑みを浮かべてシャラザールが言う。


「いえ、そのような。シャラザール様に成り代わるなど滅相もございません。

しかし、転移させるのは100名が限界ですぞ」

ジャルカが釘を刺す。


「1000名送れ」

「それはいくら私でも無理です」

「ふんっ、ジャルカも耄碌したな」

「なんとでもおっしゃって下さい」

ジャルカは譲らなかった。

「止む終えまい。200名で許してやる。そこが限界だ」

「シャラザール様も無茶をおっしゃいますな」

ジャルカは苦笑いをした。


「何いつものことだ。ジャンヌ、聞いてのとおりだ。人選はその方に任せる」

「御意」

シャラザールの言葉にジャンヌは頭を下げる。


「アレク」

「はっ」

シャラザールの言葉に即座にアレクが反応する。


「陳国に1個師団の出兵の要請を直ちに行え」

「御意」

アレクはそう言うと直ちに部屋を出て行った。


「オーウェン」

「はっ」

「貴様の国も1個師団出兵させろ」

「御意」

オーウェンもシャラザールに跪いた。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
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小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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