表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/480

大国の皇太后はお怒りです

皆さん。こんばんは。読んでいただいてブックマークしてもらったり

評価していただいたり大変ありがとうございます。

ついにストックが無くなりました。

1日二回更新もなかなか厳しいかも。

とりあえず続けられる限りは頑張ります。


一方その王宮ではドラフォードの国王が執務室を珍しく訪れた母のアン皇太后に責められていた。


「ピーター、オーウェンの嫁を廷臣らに相談もせずに決めたって本当?」


「これはこれは母上。ご機嫌麗しう。」


「しらじらしい。全然機嫌は良くないわよ。」

むっとしてアンは言う。


ここ最近のドラフォードの繁栄は国王ピーターの治世でもたらされたといわれていたが、そのピーターをもってしても母は苦手だった。特に昔ながらの農耕に拘る母は守旧派の人脈の中心におり、新しい商人グループと親しいピーターとはそりが合わないことも多かった。

王妃も新しいもの好きで、古いものを愛する皇太后とはそりが合わない。

王族と言えども嫁姑の争いはどこにでもあることで、皇太子の嫁問題でも、皇太后と王妃はもめていた。そこへクリスがオーウェンの婚約者に決まったと聞いたから大変だ。


「一国の皇太子の婚約者を決めるのにあまりにも軽々しいのではなくて。

それも私は何も知らないわ。あまりにもひどくない?」


「母上をないがしろにしたと言うことは無く、まだ、正式には決まっておりませんよ。」


「本当に?今も、バーミンガム公爵が私のところに来てさんざん文句を言われたのだけど。」

厳しい顔でアンは言う。


「それもマーマレードの皇太子に婚約破棄をされたところの令嬢だとか」


「オーウェンはそれは政争に巻き込まれただけで、本人はとてもいい令嬢だと」


「そもそも公の場で婚約破棄をされるなど言語道断。

そんなことで1国の王妃が務まるとでも思っているの?」

皇太后が手厳しく言う。


「母上。今回はオーウェンのたっての願いなのです。

あまり、わがままを言った事がなかったオーウェンがどうしても隣国のミハイル侯爵令嬢が良いと電話でねだって来た次第でして」

ピーターとしてもこんなに急に決めていいのかという疑問もあったが、珍しい息子の希望をつい優先してしまいたいという思いもあった。

国内の景気も良く、海外も何故かここ3年は侵略国家のノルディンが静かで。

皇太子の相手が誰でも良いとは思っており、ノルディンの侵略の手を止めてくれたマーマレードの王家ともつながりの深い侯爵令嬢でもいいのではないかと思っていた。


王妃はミハイル譲の母親とは親しく、王妃の妹のやっていた王妃教育の成果もはっきり評価されると聞き及び、令嬢本人とも電話で話して好印象を持っていた。

側近連中の反応も悪くはなく、問題は守旧派がどう思うかだったが。

早速その代表格の母が怒鳴りこんで来たか。


「まあ、母上。ミハイル嬢も今は婚約破棄をされたところ。

すぐにというわけではなく、こちらの方にキャロラインが呼んでいるので一度本人に会ってご判断いただけますか。」


「判りました。今の王妃は商業国家のテレーゼの王女だったんだから、今度は是非とも国内から選んで欲しいものね。

もっとも私の話なんか誰も聞いてくれないけど」

皇太后は嫌味を言って出て行った。



「というわけで、皇太后様はご機嫌斜めだったぞ。

もう少しうまくやって欲しいんだが。」

ピーターはその夜に王妃のキャロルに苦笑いをした。


「皇太后さまのお勧めはナヴァール侯爵家のイザベル嬢なんですけど、オーウェンは学院時代から嫌っていて」


「オーウェンは小さい時からクリス嬢が好きなんだろう」


「それを知ったエリザベスがこちらが手を打つ前に、さっさと自分の息子の婚約者にしたのよ」

むっとしてキャロルが言う。

オーウェンがクリスが好きみたいッてエリザベスに匂わした翌月には婚約が調っていたのだ。まさかクリスを10歳で婚約させるなんて思わなかった。

その時に散々オーウェンに喚き散らされたが、それ以来8年間、13歳から18歳までの学園時代含めてオーウェンには浮いた話が無くて、心配していた矢先がマーマレードへの留学だ。


「まあ、諦めきれなくて、3ヶ月のマーマレード王国短期留学なんてするオーウェンもオーウェンだが」

呆れた表情の国王が言う。

「目の前でその婚約者が婚約破棄されて、歓喜に震えていたって。」


「なんか聞いてた話が違うぞ。」

国王が突っ込む。


「心の言葉はそうよ。だからこれを逃すと二度とないって必死になって電話してきたじゃない。」


「慌てるあまり何言っているか理解するのに30分くらいかかったが。」


「それ諦めさせるの無理じゃない?」

諦めた表情でキャロルは言った。


「どれだけ持ち出しても婚約話には絶対に頷かなかったオーウェンだしな。」


「申し訳ないけど、皇太后さまには諦めて頂かないと」


「でも、母上はオーウェンと同じで頑固だぞ」

「そうよね」

二人は見つめ合ってため息をついた。





翌日その国王が激怒してオーウェンに電話していてた。


「お前、なんで一国の皇太子殿下をほったらかしにしてマーマレードに行こうとしている」


「は?何言っているんですか父上。

あいつは私とミハイル嬢との仲を邪魔するためにこの地まで来たんですよ。」

馬上でオーウェンは叫ぶ。

「何をふざけたことを言っている。

一国の皇太子殿下がそんな暇な訳無いだろ。

お前が焦るのは判るが、一国の皇太子殿下の用も聞かずに飛び出したと聞いて

私は頭が桃色になるのもいい加減にしろと思ったぞ!


ノルディンの大使にも皇太子殿下は我がノルディンよりもその女性の方の方が

大切みたいですねと嫌味を言われるしな。」


ピーターはノルディンの大使にだけは嫌味は言われたくなかった。

今までどれだけノルディンには嫌な目にあわされてきたか。

それを邪魔するたびに嫌味を言ってきたのに。

今回はいつもと逆だ。


「ジェキンス」

電話で皇太子の護衛隊長を怒鳴る

「はい、真横におります」

「判ったな。今すぐその桃色皇太子を王都に帰して、ノルディン皇太子の用件を実行させよ」

「はっ」

馬上で礼をする。

「オーウェン。今回の件をきちんとしない限り、婚約は認めないからな」

ピーターは叫ぶだけ叫ぶと電話を切った。


「国王陛下。オーウェンはどちらに行こうとしていたのですか?

もう2、3日したらクリス嬢がこちらに着きますけど」

横で聞いていたキャロルが言った。


「えっそんなに早くか」

驚いて国王が聞いた。

「はい。今シャーロットから連絡が入りまして。こちらに来る船があったからそれに便乗したと」

「あいつは知らないのか」

「そうみたいですね。

すいません。伝えておりませんでした。

というかその暇もありませんでしたし、帰って来るからその時に言おうと思っていたのですが、

会う事も無くマーマレードに行こうとするとは想像だにしませんでした。

伝えましょうか?」


「いや良い。今伝えると何しでかすか判らん。

とりあえず、何しに来たか判らんが赤い死神の用件をきちんと終えさせた後だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ