表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第九章 ザール教騒乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

288/480

クリスの母からの電話でクリス争奪戦が勃発しました

それからが大変だった。

ハイランドシア公爵家はお取り潰し、急遽ジャスティン率いる大隊がハイランドシア領に派遣された。

ロヴィーサは王宮預かりの身となった。もっとも護衛魔導師のオスキャルと護衛騎士のドリスは敬愛するウィルやメイの側にいられると喜んでいたが・・・・。

よく判っていないロヴィーサも窮屈な生活から解き放たれて、ビアンカの側にいられて喜んでいる面もあった。

クリスとしては公爵家を取り潰した手前、官僚になりたければその道を、能力的に難しければどこかの貴族に嫁入れさせる気は十分にあった。基本、公爵家の出をひけらかす面が鼻持ちならぬと捉えられる恐れもあったが、最悪、グリンゲン宮内卿の養女にして嫁がせれば問題は無いだろうと思っていた。


そして、当事者のザール教は布教に麻薬の使用と販売、奴隷売買に関与したことで直ちにボフミエ全土で禁教になった。




「大変でございます」

マウノ・アールネ・教皇魔導師団長が教皇アードルフ・ナッティネンの所に転がり込んできた。

「どうしたのだ。余はボフミエでの不首尾で機嫌が悪いぞ」

「それどころではございません。ボフミエの小娘が手を回したものと思われますが、ドラフォードで禁教が決まりました」

「な、何だと!」

「それだけではございません。マーマレード、テレーゼ、ノルディン、陳、ジパグ各国でも禁教令が出たそうです」

「理由は何なのだ」

「布教にバラウェイが使用していたことがバレたものと」

「全てはアルヴィが勝手にやっていたことにせよ」

「そう言う理由を全ての教区で発令致しましたが、各国当局は聞く耳を保たずで、次々に司祭がバラウェイ所持罪等で各国で掴まっております」

「おのれ、ボフミエの小娘め。こうなったらもう許さん。直ちにタネリ・マキラ教皇騎士団長とファントマ商会を呼べ」

教皇は命じていた。こうなれば最後の手段だった。ボフミエの小娘らには目にもの見せてやる。アードルフは歴代教皇が取ってきた非常手段を取ることにした。




一方、ボフミエ魔導国の閣僚食堂は今日もざわついていた。

騎士団長のジャスティンがハイランドシア公爵領を接収して中間報告に帰還したのだ。その報告会兼ねて食事会が開かれていた。ジャスティンは大した抵抗も受けずに、ハイランドシア領を接収していた。その食事会も終わろうとしている時だ。クリスの魔導電話が鳴った。


「母様?」

久しぶりの母からの電話だった。

会議も終わろうとしていたので、クリスは皆に合図して取った。


「母様」

「久しぶりね。クリス。たまには電話してきてほしいわ」

「ごめんなさい。中々いろいろあって忙しくて」

「まあ、大変なのはわかるけど、少しはいい人が見つかった?}

「母様!今は忙しくてとてもそんな暇は」

「これはこれは母上様」

横からオーウェンが強引に出てくる。


「これはオーウェン様」

娘の電話にドラフォードの皇太子が出てきて、シャーロットは驚いた。それもシャーロットの事を母と呼んでいるし。

「何という事をクリス嬢に言われるのですか。私というものがいるにも関わらず」

「オウ、面倒なことになるから出てこないで下さい」

クリスが強引にオーウェンを画面の外に押し出す。


「クリス、オーウェン様とその後、進展はあったの?」

シャーロットが心配して聞いた。


「何も無いです」

クリスは即座に否定するが、

「侯爵夫人。我が父から婚姻の申込みは大分前にそちらにお送りさせていただいているのですが」

横からオーウェンがまた出てくる。


「えっ!オウ?それってドラフォード国王陛下から正式な申し込みがされているってこと」

クリスは驚いて聞く。


「何今頃言っているんだよ。クリス。そうだって前から言っているだろう。そうですよね、侯爵夫人」

「えっ、まあ、数え切れないほど届いていていてよく掴んでいなくて」

シャーロットは笑って誤魔化そうとした。

「な、なんと、そうですか。では父より直接侯爵閣下に電話させますね」

「えっ、いや、そのような恐れ多いことは」

オーウェンの言葉にシャーロットは慌てた。

「オーウェン様。クリスはマーマレードの皇太子に婚約破棄された前科がありますし、ドラフォードのような大国の妃が務まるとはとても思えませんが」

「何をおっしゃっていらっしゃるのですか。クリス嬢はこのボフミエ魔導国のトップとして十二分にやっておられますよ。私や、アレクやジャンヌやアメリアなど各国の皇太子を率いておられて、ドラフォードの王妃なんて問題なく出来るでしょう」

「皆々様のご厚意によってご指導いただいているだけだと思うのですが」

シャーロットが皆様のおかげだと言う。


「まあ、ドラフォードが大国ということでしたら我がジパグの妃はいかがでしょうか」

後ろからいきなりコレキヨが参戦してきた。


「な、コレキヨ、貴様。依然はどうした」

「えっいや、それは」

オーウェンのツッコミにコレキヨが動揺する。

「えっ、コレキヨ様って依然王女殿下とお付き合いしてるんですか」

クリスが聞く。

「いや、まあ、まだ正式なことではなくて・・・・・」

コレキヨが赤くなる。


「皇族が駄目なら、グリンゲン公爵家は如何でしょうか」

「ペトロ、何横から出てきている。それならばドラフォードの筆頭公爵家のバーミンガム公爵家を」

ペトロが横から出てきて、それにアルバートも参戦する。


「アルバート、お前はその6男だろ。継承権がないではないか」

「そんなもの、クリス様が降嫁いただければ父に言えばなんとでもなるわ」

男たちが言い争いを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ