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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

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赤い死神が大国皇太子に嫌がらせをしました

赤い死神は恐怖のシャラザールがドラフォードの味方になるのを恐怖しています。

「なんで貴様がここにいる。」

オーウェンは切れていた。

父の国王からノルディンの外務大臣が来るから会いに帰ってこい。

と言われ、慌てて帰って来てみれば、目の前にいたのがアレクだった。


「いやあ、この前の学園のサマーパーティー以来だね。

あの時は本当にすごい活躍だったよね」

王宮の応接室でアレクは優雅に紅茶を飲んでいた。


「貴様とはその時会ったし、何故わざわざドラフォードでまた会わなければならない?」

本来なら、あの後、領地にこもってしまったクリスを訪ねて少しでも親睦を深めたかったのに、目の前の男のせいでその時間が取れなかったのだ。


「忙しい中、君の為に時間を割いて来たのに、君はなんて冷たいんだ」

全然悲しそうな顔をせず、むしろうれし気にアレクは言う。


「何を言っている。毎日暴風王女の機嫌を取りに国境侵犯を繰り返しているだけだろ。

少しはノルディンの王都に帰って国の役に立て」


「何を言っているんだ。

僕がノザレにいるおかげで

暴風王女様はノルディンに逆侵攻して来ないんだよ。

国には十分に貢献しているよ」

こともなげにアレクは言う。

というか、今回は国の為に動いているんだから。

クリスがオーウェンとくっつくことは何としても阻止したかった。

それでなくてもドラフォードは大国。

ノルディンと違って温暖な地方にあり国力はある。

人口はノルディンの5倍以上。

ここに、クリスが加入すれば史上最強の国家が誕生し、ノルディンは膝を屈するしかなくなる。

アレクも必死だった。


「暴風王女様には相変わらず、相手にされていないじゃないか。

この前もワインを頭からひっかけられてついて来ていたよね。」


「何を言っている。あれはお前にかかるワインを俺がかばってやったんだぞ。」

「はんっ、なぜ貴様が俺をかばってくれる。

お前がぶっかけるのを間違って頭からかぶったと考えた方がよほど整合性があるわ」


「何言ってやがる。転移するタイミングがたまたま当たって貴様の盾になっただけだ」

「ほら見てみろ。俺をかばってくれる訳はないと思ったんだ」

そこでオーウェンは不審に思う。


「でもなんで俺がワインをぶっかけられなければならない?」

「はんっ。そんなのあんな群衆の前で結婚の申し込みをしようとしたバカ者を邪魔しようとしたに違いないだろ」


「えっお前あの場では聞いていないだろ」

「愚か者!

何百人もいる前で結婚の申し込みをしようとしたドラフォードの馬鹿皇太子のことなど、

既にノルディンの全国民が知っておるわ」

アレクは笑った。


「皆笑いものにしておるぞ。クリス嬢も恥ずかしがって

二度とお前には会いたくないとジャンヌに言っていたぞ」


「ふんっ、嘘をつくな。クリス嬢からはその時のお礼を言いたいからまた直接お会いしたいとの心温まる直筆の礼状が来ておるわ」

余裕をもってオーウェンは言うが


「礼状なら俺ももらったぞ」

アレクが懐から取り出した礼状にオーウェンは目が点になる。


「ちゃんと直筆だぞ。

先日は私をかばってワインをかぶって頂いて本当にありがとうございましたとな」


「なんで貴様に…・」

オーウェンはショックだった。

わざわざ礼状をもらったのだから脈ありかなと思ったのに。


「そんな礼状など貴族令嬢のたしなみの一つなのだよ」

余裕をもってアレクは応えた。

「クリス嬢は気づかいの出来るご令嬢だからな。

こんな礼状なんて何通も出しているんじゃないか」

アレクはオーウェンが立ち直れなくなるショックを与えようと畳みかける。


ボリスにワインをタイミング悪くぶっかけられて

怒りのあまり北極送りにしようとして逃げられたアレクだったが、

そのおかげでクリスから礼状もらったので、ボリスの事は許そうと思った。

既にクリスとジャンヌによって強制的に許したことにさせられていたが…


二人は知らないが、何せあの件でクリスが礼状送ったのはこの二人だけだったのだから。

しかし、調子に乗って余計なことまで話してしまった。


「それにクリス嬢にはいろんな国から結婚の申し込みが大量に来ているそうだぞ。

お前のような軟弱な男には・・・・」


「アレク、その話本当か」

いきなりオーウェンが詰め寄る。


「えっ。お前はつかんでいないのか。ドラフォードの諜報局も大したことは無いな」


「個人的な事に諜報局を使えるか!」


「まだまだ甘いな」


「で、実際は」

トラフォードがにじり寄る。


「まあ、別に秘密じゃないから良いけど、

王族だけで10通、

テレーゼ国の第二王子だろ。マイセンの皇太子だろ

あそこの皇太子はお前よりもよほど美形だぞ。

それとウルの筋肉皇子。」


「こうはしておられん。何としてもクリス嬢の心を掴まねば

失礼する」

慌てて、オーウェンは応接室を飛び出して行った。


「・・・・」

アレクと随行の大使は呆然と見送った。


「殿下、結局持ってきた案件使いませんでしたけど、宜しかったので」


「うーん、まあ、この案件でしばらく引っ張れるな。

明日くらいにお前からドラフォード国王に伝えてくれ。

今回の事を。

いくら温厚な国王でも、一国の皇太子に対して用件も聞かずに飛び出したと知れば怒るだろう」


「当然とは思いますが。」


「私がどうしようかと、大使館で途方に暮れてお待ちしているとお伝えろ。」

アレクはにやりと笑った。


「ただちにオーウェンは呼び戻されるだろ。

これでしばらく時間をつぶせる。

皇太子が帰ってきたら連絡しろ。」

アレクは立ち上がった。


「お待たせして良いのですか?」


「かまわんよ。

俺が帰ってくるまでは無視されたショックのあまり高熱で寝込んでいるとでも何とでも言い訳しておけ」


「了解しました。」

大使はこんな事して何になるのかと思いもしたが、下手に聞くと藪蛇になりかねないので、黙っていることにした。



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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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