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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第八章 ボフミエ王宮恋愛編

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クリスは大国皇太子を看病します

オーウェンはショックだった。

クリスに戦神シャラザールが憑依していたなんて全然知らなかった。

アレクが何故クリスを恐れていたか、やっと判った。

クリスが不死身だという意味もやっと判った。あんな化け物がクリスについていたらクリスがやられる訳なかった。そして、その戦神に勝たないとクリスは嫁にやらんと言われた事を考えるとオーウェンは呆然としていた。


シャラザールから受けた傷と精神的ショックのためにオーウェンは2日間寝込んだ。

その間中オーウェンはクリスに振られる悪夢を見続けた。

精神的に最悪の状態でオーウェンは目覚めた。


体が重い。

ゆっくりと周りを見ると視界の下の方に金色の何かが見える。

それはよく見ると金髪だった。

誰かがオーウェンの胸に倒れ込んで寝ている。

でも、金色の髪って、オーウェンの頭の中には一人しか思い浮かばなかった。

でも、シャラザールに駄目だしされた後だ。それにここ最近口も聞いてもらっていなかった。

でも、依然にしても悠然にしても黒髪、ジャンヌは茶髪・・・・・。

恐る恐るオーウェンはその髪に手を伸ばしてみる。

やらかい髪だった。

その少女が身じろいだ。

ゆっくりとこちらに顔を向ける。

「オウ、おはよう」

それは紛れもなく、クリスだった。


「オウ、ごめんなさい」

クリスが謝った。


「えっ」

オーウェンにはくりすに謝られる理由が無かった。

シャラザールにはボコボコにされたが、クリスには何もされていない。


「本当にごめんなさい。また酔ってしまって助けようとしてオウが怪我してしまったって」

「えっそんなことはないよ」

クリスの話にオーウェンは驚いた。


「嘘よ。ジャンヌお姉さまたちが昨日教えてくれたわ」

「そうだったかな」

オーウェンは絶対に違うと判っていたが、そうなっているならそれでいいかと思った。


「熱は下がったわね」

クリスがオーウェンのおでこに触って言った。

触られて思わず、オーウェンは赤くなった。


「まだ、熱っぽい?」

「そんなことはないよ」

「何か食べる?」

クリスに言われると一昨日の戦闘の後から何も食べていないのに気付いた。


慌ててクリスが食事を取りに出る。

それと入れ替わりにジャンヌとアレクが入ってきた。

「よう元気か」

ジャンヌが聞く。

「なんとかな」

「シャラザール様からの伝言だ。まだまだ軟弱だが、少しは見込みがあると」

アレクが言う。


「良かったな。完全否定されなくて」

「その代わりにボロボロにされた」

「何言ってる。俺も同じだぞ」

オーウェンの言葉にアレクが言う。

「シャラザールは最後に回復魔法をかけてくれるからな。普通は翌日は筋肉痛で痛いくらいだ」

散々経験しているアレクが言った。

「そうなんだ」

初体験のオーウェンは驚いた。そう言えば肋も何本も折れたはずが痛くない。


「何がソウナンですか」

そこへ食事を持って入ってきたクリスが聞く。

「いや、クリス嬢。何でも無いよ」

慌ててアレクが否定する。

「じゃあクリス」

二人は慌てて病室を出ようとする。


「えっ、もう行くのか」

「おじゃま虫は消えるよ」

ジャンヌはそう言うと出て行った。シャラザールの伝言だけ伝えに来てくれたみたいだった。

ジャンヌにしては珍しかった。


「あれっ二人きりになっちゃったね」

「本当に。いつも気なんか使わないのに」

言いながらクリスは膝の上に食器類をおいて座ると、食器を持ってオーウェンの口元に持っていく。


「はいっ。オウ」

「えっ」

「私のせいで怪我したんだから私が食べさせます」

そう言うとスプーンでヨーグルトをすくうとオーウェンの口元に持っていく。


「いや、クリス」

そう言って止めようとしたオーウェンの開けた口の中にスプーンを入れる。

仕方無しにオーウェンは食べる。というか、オーウェンはそのクリスの行為に嬉しさで頭の中がパンクしそうだった。


「いつもの仕返しです」

いつもオーウェンに口の中にお菓子を入れられているのだ。今日くらいは逆に食べさせたい。

クリスの笑顔にオーウェンは目が点になる。

クリスは次にお粥をフウフウして運ぶ。

もうオーウェンは幸せで死にそうだった。こんな事ならたまにはシャラザールにボコボコにされても良かった。オーウェンは久々に幸せ気分を満喫した。

本日もう一話更新して今章終了します。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[一言] オーウェンが結果オーライでクリスといい雰囲気なのが... シャラザールって小賢しいのとか、陰険なのとか嫌いなイメージがあったので、オーウェンが多少でも評価されたのはびっくりしました。 ※一…
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