表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第八章 ボフミエ王宮恋愛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

264/480

陳国軍の嫌がらせでシャラザール来臨しました

その後が大変だった。


戦う気満々だったジャンヌらは1戦もせずに戦いが終わって拍子抜けしていた。

しかし、降伏したノルディン帝国の6個師団の生き残り5万人強を拘束するだけで大変だった。

また、城壁を大きく壊してしまったクリスは我に返るとただひたすら子伯爵に謝った。

ノルディンの6個師団の降伏を知った陳国王は慌てて飛んできて、クリスの前に平伏していた。


そして、国境沿いに展開していた陳国5個師団も慌てて宋城に集まり、今は祝勝の宴会が開かれていた。

「ええ、本日はボフミエ帝国の皆様のご活躍により、ノルディン帝国の6個師団が無事に降伏してくれました。陳国を救って頂き本当に有難うございます。国王として感謝の言葉もございません」

国王が礼を言った。

依然王女も感涙に涙して何度もクリスにお礼を言っていたし、子伯爵と悠然も同じだった。


しかし、陳国軍部では1戦もせずにノルデインが降伏したことについて鬱憤が溜まっていた。まともに戦っても勝てない相手だとは戦う前から判っていた。そのように戦う前は恐怖が軍部の大半を覆っていたのだが、こうもあっさりノルディンが降伏したことで陳国軍でも戦えば勝てたのではないかという見当違いの意見が盛り返していた。また、アレクあたりが元々企んでやったヤラセではないかと、心無い幹部たちは噂していた。そして、そのあたりの事を探ろうといろいろ画策していた。


陳国王の次に乾杯の合図をアレクがすることにした。

「陳国の諸君。この度の武勲は第一に筆頭魔導師様のお心を動かした依然王女にある。

そして、馬鹿な愚弟が筆頭魔導師様のお怒りを買ったことが全てだ。今君たちがここで生きていられるのは全て筆頭魔導師様のおかげでもある。ここに筆頭魔導師様に感謝の乾杯をしたいと思う。

筆頭魔導師様に乾杯」


「いえ、ちょっとアレク様。勝ったのは皆様のお力で」

クリスの言い訳を


「乾杯」


ジャンヌらの大声がかき消した。しかし、否定された陳国軍部の連中は面白くなかった。


そして、絶対にソフトドリンクにしろとアレクから言われていたにもかかわらず、クリスのグラスにはワインが注がれていた。クリスがアルコールに弱いとのことで、意趣返しの意味もあってアルコールにすり替えられていたのだ。そして、不幸にもアレクらはそれに気付いていなかった。

その陳国軍の心無いものの悪戯によって、彼らはクリスによって命を救われたことを身を以て知らされることになった。


ダンッ


クリスがグラスを一口飲んだ瞬間、凄まじい音がしたと誰もが思った。

そして、凄まじい気が会場を制圧していた。

アレクは最悪の事が起こったことに気付いた。恐る恐る後ろを振り返るとそこには憤怒の形相のシャラザールが仁王立ちしていた。


「アレク、貴様良くも余に土下座わさせたな」

「えっ、いや、私がさせたわけでは」

アレクは走ってくるシャラザールに恐怖を感じる間もなかった。

次の瞬間シャラザールの怒りの鉄拳がアレクを直撃凄まじい音と供にアレクは林の中に飛んでいった。

皆唖然と見ていた。あの赤い死神が一瞬にして弾き飛ばされたのだ。大半のものが何が起こったのか理解していなかった。


「陳国のクズ将軍ども」

そこには可憐なクリスの姿はどこにもいず、歴戦の勇将戦神シャラザールが怒りに仁王立ちしていた。


「貴様らのその腐った根性、1から叩き直してやるわ。全員剣を構えろ」

シャラザールは剣を構えた。

「えっいや、そんな」

「おらおら、早くせい」

シャラザールは剣を構える前から次々に将軍達を弾き飛ばしていく。


「えっクリス、どうしたの?」

何も知らなかったオーウェンは唖然とした。

「貴様が軟弱皇太子か」

「えっ」

そこにはクリスとは似ても似つかぬ建国の戦神シャラザールが剣を構えていた。

「戦神シャラザール」

そうそこには何度も肖像画で目にしたことのある建国の戦神シャラザールがいた。


「軟弱な貴様などクリスにはもったいないわ。どうしてもクリスが欲しければ、剣を構えて余に打ちかかってこい」

「えっ、いや」

「余に打ち勝てんうちはクリスを嫁にははやれんぞ」

オーウェンは驚いた。何がどうなって建国の戦神がクリスに成り代わって立っているのか判らないが、クリスの為になるならばやるしかあるまい。オーウェンは覚悟を決めて、戦神に撃ちかかっていった。


しかし、アレクでも瞬殺されているのに、オーウェンでは叶うはずもなく、一瞬で地面に叩きつけられていた。そのあまりの衝撃の強さに息が詰まる。ゆっくりと立ち上がった。

「ふんっ。少しは骨があるのか」

「行くぞ」

再度斬りかかるが、一瞬で弾き飛ばされる。

それを重ねること二十数度、オーウェンは立っているので精一杯だった。

「降参するのか」

「何を」

オーウェンは最後の悪あがきをすることにした。ここまで十年以上、ただひたすらクリスの事を思ってきたのだ。駆け出すや、剣に魔力の全てをまとわせて、シャラザールに叩きつけていた。

シャラザールはそれを剣で受けて、オーウェンに叩きつける。

オーウェンは弾き飛ばされて林の中に叩きつけられ気を失っていた。


「ふんっまだまだ、軟弱じゃな。しかし、少しは見込みがあるか」

オーウェンの飛んでいった方をみてシャラザールが呟いた。


「おらおら、お前ら。何ぼうっと突っ立っておる」

シャラザールの力は有り余っていた。


捕まったはずのノルディンの兵らも連れ出され、死の訓練がシャラザールよってなされたのは言うまでもなかった。

そして、ノルディンの連中も陳国の連中もアレクが何に恐れをなしていたか身を以て初めて正確に知ったのだった。その場にいた連中は誰もが、絶対に逆らってはいけないものがいることを身を以て知ったのだった。


陳国王は心に誓った。絶対にボフミエだけには逆らわないようにしようと。


宋城の近くの河原では桜の花が風で散っていた。


しかし、生きる屍とかした兵士たちはそれを見る余裕のあるものなど一人も残っていなかった。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

もう一話入れて取り敢えず完結とします。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

この後は書きかけのこの3年前の「赤い死神の大侵攻作戦で王国を蹂躙します…しかし、その前に無敵の戦神が立ち塞がりました」

https://ncode.syosetu.com/n4865gt/

続編書きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ