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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

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クリス ジャルカに助言もらう

王都ではそろそろ暑くなってきたが、北の都では、やっと少し太陽の光が強く感じられるようになってきた。

ジャルカは王都へ急遽呼び出されたジャンヌに代わって、駐屯地でのんびり過ごしていた。


そのジャルカの前に突如として魔導電話が光った。


「これはこれはクリス様。

一別以来でございますな。

いろいろございましたが、おからだは大丈夫でございますか?」


「はい。ジャルカ様にいろいろご指導賜りましたのに、

私がふがいないばかりに婚約破棄されてしまい申し訳ございません。」

クリスは頭を下げる。


「何のなんのクリス様は何も悪くはございませんぞ」


「悪いのは全てあのボケ皇太子でございます」


「いえいえ、私が殿下の心に沿えなかったのです」


「何をおっしゃっていらっしゃるのです。

クリス様は王宮で働いている者たちの心に沿われたではありませんか。

爺はそのことをお伺いした時に感動感涙いたしましたぞ」


「そのような事。私はまだまだでございます。

動転した余り、皇太子殿下や王妃殿下のせいにしてしまいました。」


「クリス様。あの場では致し方ありますまい。

爺でもお二人を張り倒しておりますわ」


「まさかそのような

私の為にそのようにおっしゃっていただかなくても」

クリスはジャルカの心遣いに感激していた。


「いやいや、決して嘘ではございませんぞ。

で、このようなおいぼれにお電話いただいた理由は何ですかな?」


「本来ですと、まずお詫びに直接出向かせて頂かないといけないのですが、

母からはしばらくは領地の邸宅からは出るなと言われておりまして、お電話で申し訳ありません。

王妃様や他の皆様にもご迷惑かけた手前、ご相談もできず、出来ましたらジャルカ様のお知恵をお借りできたらと思いお電話したのですが」


「いやいや、クリス様のご相談なら大歓迎ですぞ。」


「私、王妃にはもうなれませんが、この国の役には立ちたくて、将来的には王宮で働かせて頂こうかなと思うんです。」


「なるほどなるほど官僚か何かになろうとされているのですな。」


「まだ具体的には決めていないのですが。

でも、あんな事をしでかした手前、しばらくは王宮にも行けなくて。

母が気分転換も兼ねて少しドラフォードにでも行こうと。

先日ドラフォードの王妃様からもお誘いのお電話賜りまして」


「なんと、ドラフォードの王妃様から直接お電話を。

確か、クリス様のお母様とキャロル様は昔からのお知り合いでしたな。」


「でも、せっかく行くのでしたらどのような事に気を付けたらよいかなと。

いろいろアドバイス賜るとありがたいのですが。」


「なるほどなるほど。細かいことはルーファスからまた送らせますが、あそこのドーブルの爺は知り合いですが、」


「トッポの戦いで有名な」

クリスが口をはさむ。


「さよう、よくご存じですな。」


「王妃教育で学びましたから」


「流石ですな。その応用が大切です。

あいつはそこでノルディンの皇帝を破ったのが一生の自慢です。

あの戦いはあいつが言うには馬の優劣が肝でしての。」


「どのようにドラフォードが優秀だったのですか。」


「それは秘密です。」

「判りました。それをドーブル様にお伺いすれば良いのですね」

笑ってクリスは言った。


「そう、さすがクリス様。

ただし、ドーブルは話し出したら止まりませんからな、適当なところで切り上げる事を忘れないようにして下さい。」


「ありがとうございます。」


「あと、あそこの陰険皇太后は農業に凝っておりましてな、

何でも政務の基本は農業だそうですから。

その手を見せてもらうと今後の参考になりますぞ・・・」


10分くらい電話で話してジャルカは電話を切った。


「うーむ、こんなことを話してよかったのかの。

マーマレードの為にはならんし、あの陰険皇太后を喜ばすだけじゃが。

それにしてもエド様はやってくれたの。

ま、ヘンリーのせいでもあるが。」

ジャルカは遠くを見た。


「アルフレッド様。あなたのなされたことがまだ響いておりますぞ」

遠く王都の方を見ながらジャルカは現国王ジョージと王弟ヘンリーの父親の事を思い出していた。




「あのくそ爺。

この忙しい時に、ドラフォードの情報まとめろだと。

ふざけやがって」


諜報局の局長室ではぶつぶつ言ってルーファスが作業していた。


「ルーファス元気か?」

学園で同期だったマーカスが入ってきた。


「なんだ一体。今忙しい。」

マーカスは伯爵家の跡取りで役職にもつかずのんびりしている。

ルーファスは三男で官僚になるしか食べていけなかった。


「いやあ、忙しいところすまん。学園時代の友人に聞きたいことあってな

うちの息子にミハイル嬢はどうかなと思って、お前いろいろ情報を持っているだろう?」

ルーファスは友人の頭の先から足先まで眺めた。


「お前はバカか」


「馬鹿とは何だ。うちは伯爵家だし、向こうも侯爵家、全く釣り合わないことは無いだろう。」


「そういう馬鹿が多すぎ。お前で俺に直接聞いてくるのは3人目。」


「そんなに。いやあ婚約破棄されたから、ねらい目かなと思って」


「ミハイル侯爵が切れているぞ。そういう馬鹿な後妻狙いも多いって。」


「後妻よりはいいだろ」


「お前な、そんな馬鹿が多いんだよ。既に婚姻の申し込みは100通以上届いているそうだ。

大国の公爵家の跡取りを筆頭にな」


「えっそんなに。」


「そもそも国王陛下のところにも各国の王子クラスから30通以上。

はっきり言って伯爵クラスじゃダメ」


「そうか、各国の王子が」


「ドラフォードの皇太子を筆頭にな」


「そうか、あの婚約破棄の場で、ドラフォードの皇太子がミハイル嬢に婚姻申し込みしそうになったって言うのは本当なんだ。」


「ジャンヌ姫様がせっかくつぶしてくれたのに。これは国家の損失だ。」


「お前がそこまで言うか」


「王妃教育は厳しかったが、基礎は出来ている。本当にうちの皇太子はバカだよ」

ルーファスはジャルカに言われて自国の為にならない、資料集めにせいを出さねばならなかった。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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