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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

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ウィルとボリスは友達になる

「良かったですね。ボリス様。皇太子殿下のお許しを得られて」

クリスはにこっと笑ってボリスを見る。


「あれで許していただいたんでしょうか。

ミハイル嬢は最後はジャンヌ王女殿下の事をお頼みされていたような気がしますが」


「何言ってるのボリス」


「ウィル、ボリス王子殿下です。言葉づかいに気をつけなさい」

今まで成り行きを呆然と眺めていてたシャーロットが慌ててウィルを注意する。

隣国の赤い死神と言われた皇太子があんなに優雅でそれも丸かったなんて、シャーロットは知らなかった。

それもジャンヌ達に本当に溶け込んでいた。


「えっ、良いよね。ボリス。お互いに被害者同志だし、年同じだし、友達だし」


「はい。ウィルが良ければ。

まあ、王子と言えども第14王子ですし、母上は平民の侍女でしたから。

そもそもノルディンは武力第一主義で軟弱な私は雑用扱いですから。」


「そんな、12歳で従軍されていたのでしょう。

皇帝陛下のご期待もお強いのでは。

今も王立学園にご留学中ですし。将来を嘱望されていらっしゃるのでは」

シャーロットが話す。


「それはあり得ないですけれどね。

皇帝陛下がどのようなお考えかは判りませんが、兄上にとって私は完全に使いっ走りです。

今回もパーティで食事していたらいきなり電話してきて、

どんなことをしてもドラフォード皇太子殿下とミハイル嬢が仲良くなるのを阻止しろでしたから。


あっ今の忘れてください。余計な事を」

慌ててボリスは口をつぐむ。


「いや、それは判っているよ。」

ウィルが言う。


「だからオーウェン殿下にワインかけようとしたんだろ。

そこに言った本人が転移してきたから頭からかかっていたけど、本当に笑えるよね。」

ウィルは笑った。


「君笑うけどね。やった僕にしてみたら冷や汗ものだったよ。

命がやばいと思って慌てて逃げ出したけど」


「で、姉様にとりなしを頼みに来たと。」


「うーん、アレク兄さま、何故かミハイル嬢に弱いんだよね」


「そうだよな。昔お会いした時に、何故か殿下話している途中でどもるから、

戦場以外では上がり症なのかなと不思議だったんだ」


「あの傲岸不遜な兄上がそんなことありえないよ。他国の国王でも下手したら顎で使っているよ」

アレクが聞けば激怒しそうな不敬な事を平気でボリスは言っていた。


「普通そうだよな。おれもそうかなと思っていたんだけど、

北方の王女殿下のところにこの春からいるけど、毎日のように殿下のところに来て、

好きだって口説いていくんだ。

元々の印象と全然違ってこれは誰って感じだったけど。」


「それも別格。ジャンヌ王女だけだよ

何しろ兄上と戦場でまともにやりあったのは王女殿下だけだから。

そこは気に入っているんじゃないかな。」


「へえ、お姉さまは本当に愛されていらっしゃるんですね」

夢見るようにクリスが言う。


「じゃあ、姉様の前では何なの。あの態度。なんかおかしいよね」

ウィルが不審がる。

「まさか、クリスの事も気があるとか。」

シャーロットとしては母としてそこのところが気になる。


「まさか母上、あれはそういうのではなくて」

「なんか恐れていますよね」

ボリスが言う。


「まさか。皇太子殿下が私の事を恐れられるなんてことあるわけないでしょ」

クリスがありえないという顔でいう。


「まあ、姉様がそう思われるならそうだと思いますけど。なあ」

「ええ」

ウィルとボリスは目を合わせた。

二人は絶対にアレクは最低でもクリスの事は苦手にはしていると思っていた。



その日の夜、シャーロットは夫であるエルンスト・ミハイルと魔導電話で話していた。


「あなた。そちらはどうですか?」

「なかなか、忙しいよ。

今日もこれからまた会議だ。」


「もう20時に近いじゃありませんか。」


「今回の騒ぎの後始末がなかなか大変でな。クリスは元気になったか。」


「そうですね。たまにふさぎ込んでいますけど、大分ましになってきました。」


「皆の処罰の事は知らせたのか」


「いえ、まだ全く言っていませんわ。

いずれは知れると思いますけど」


「またふさぎ込むかもしれんな。いっそのこと、

ドラフォードにでも外遊してきたらどうだ。

うちの船が5日後に南部の港ゴーマレーから出る」


「しかし、宜しいのですか?

ドラフォードからは国王陛下に正式に婚姻の申し込みが来たと聞きましたが」


「それは全く良くない。父親としてはクリスは嫁に出したくない」

エルンスト・ミハイル侯爵は嫌そうな顔をした。


クリスの父としては娘はいつまでも嫁にはやりたくない。

特に婚約破棄なんかされた日には。

この婚約も王家から無理やり頼まれたから仕方なしに認めたのだ。

でなかったら認めていない。

それをあのボケ皇太子が…・いまだに思い出すと怒りがこみあげてくるエルンストだった。


「しかし、王弟殿下の動きが怪しい。

何か企んでいる可能性もある。」


「何かって、口に言えないようなことはしないでしょう」


「そうだと良いんだが、何を考えているのか。

王弟殿下からクリスを後妻にという申し込みまで来たしな」


「それはお伺いしましたが、王弟殿下は何を考えておられるのか」


「本当に。私は怒りの余り破り割いたよ」


「そんなことがまかり通るなら、クリスはドラフォードに嫁に出します。

オーウェン殿下は婚約破棄の時もクリスをかばって頂いたとか。」


「ああ、そう聞いた」


「婚約破棄されたところだから、今すぐは無理だと思うが、少し外の空気を吸ってきたらどうだ。

気分転換に。」


「まあ、本人はキャロル様のお誘いの時は行ってもいいみたいなことは言ってましたから。

でも、本当に宜しいんですか。

ドラフォードの王妃様は強引ですよ。

訪問したら、世間的にもドラフォードへの嫁入りが決まりみたいな事になりませんか?」


「うーん、そこは問題なんだが。

良くはないが、そこが一番条件的には良いような気がする。

幼馴染だし、母親同士も親しい。

移動は10日もあれば行けるし。

大国皇太子。今までの王妃教育も生かせる。」


「しかし、ドラフォードにはドラフォードのしきたりがありますよ。

大国なだけにいろんなしがらみもあるのではないですか?」


「それもまとめて見てきてくれ」


「判りました。そこまで言われるなら、あしたクリスに聞いてみます。」

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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