表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第八章 ボフミエ王宮恋愛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/480

大国皇太子は最初に東方王女と踊る約束をさせられました

「なんで全然出ないんだ」

何回電話しても出ない、クリスにしびれを切らしたオーウェンは侯爵家令嬢のイザベラに電話することにした。


「これはこれは依然王女と仲の良い、皇太子殿下」

魔導電話に出たイザベラは嫌味ったらしく言う。

「何だそれは。たまたま、昔助けてもらった幼馴染に出会ったから、親切にしているだけだ」

オーウェンは言い訳した。

「ふうん。クリス様の前で二人で手を握り合っていましたよね」

「えっ。クリス見ていたの」

オーウェンは最悪の事態に初めて気がついた。

それで怒ってクリスは出ないのか。


「それで落ち込まれていたクリス様を」

「えっクリス落ち込んでくれたの」

喜んでオーウェンが言う。

「そこ喜ぶところではないです。それに元気のなかったクリス様を気になさった皇太后様がコレキヨ様をご紹介されてそれ以来お二人は親密な関係ですよ」

ニコリと笑ってイザベラが言う。

「な、何だと。おばあさまも余計なことを。イザベラ嬢も何とか二人の間を邪魔してくれ」

オーウェンは慌てた。

「えええ?せっかくクリス様は元気になられたのに。コレキヨ様は博識らしく、クリス様といろんな話題で盛り上がっていらっしゃいますよ」

「いや、イザベラ嬢。そこを何とか」

オーウェンはイザベラに頼み込んだ。

「取り敢えず、電話されたらどうですか。ご自身で謝られたほうが良いかと思いますが」

「電話しても全く出ないんだよ」

「余程嫌われたんじゃないですか」

「そんな」

呆然とオーウェンがする。


「アデリナどう思う?」

側にいたアデリナに聞く。

「二股の皇太子殿下は嫌いです」

アデリナに一刀両断にされ、オーウェンは絶句する。

「いや、だからそれは誤解であって」

「だってクリス様の目の前でクリス様の知らない女性と手を握り合っていたよね」

「本当に最低です」

「ちょっと待ってよ。15年前に陳国の西安で迷子になっていたのを助けてもらった子と久しぶりに会ったんだよ。そもそも握手しただけだろ」

「それはクリス様におっしゃって下さい」

「私なら絶対に許しません」

「いや、あのさ」

言い訳が通りそうになく、オーウェンは焦った。

「オウ。このような所で油を売っていらっしゃったのですか。ヘルマン様らが怒っていらっしゃいますよ」

そこへ依然が現れた。

「えっちょっと」

オーウエンが叫ぶと同時に電話が切れた。


「どう思う?アデリナ。いきなりあの女に電話切られたよ」

「オーウェン様もう最低です」

イザベラの問いにアデリナが応えた。

「だよね」

イザベラはもう知らないと思った。。



「依然っ。ちょっと」

「オウ。皆さん怒っていますよ。強引にでも連れてこいってヘルマン様に言われたんですけど」

強引に依然はオーウェンを引っ張って戻った。


「内務卿。一応依然王女には内務の概要は伝えましたよ」

シュテファンが言う。

「では実際にやってみる?」

「でも、まだ内務やるかどうかはわかりませんし」

依然は渋った。

「えっそうなの」

残念そうにヘルマンが言う。

「そんな事言わずに、お願いしますよ」

シュテファンが頼む。

「外務からも呼ばれていますし」

「アレクからか。じゃあ外務も………痛い」

そう言うオーウェンの靴をシュテファンが踏んだ。

「オーウェン様。僕疲れました」

白々しくうつむく。

「休み殆どないし、無茶振りされるし」

「えっ休み無いんですか」

「いやいや、そんなことはないよ。ちょっとまってね」

言いながらシュテファンを横に連れ出す。


「どういうことだよシュテファン」

「そんなの決まっているでしょ。いつも朝から晩まで頑張っているのに、仕事は全然減らないし。女の子もいないし。内務卿は仕事ほっぽりだしてどこかに行くし…」

「いや、そんな事は無いだろう。それに女の子がいないことないだろ。周りにはいっぱいいるし、新人も入ってくるし」

「王女がいるといないじゃ違うでしょ。ここは僕らのためにオーウェン様がもう一肌頑張って下さいよ。でないと僕も外務に行きます」

「判ったよ。やらあ良いんだろ」

ブツブツ言いながらオーウェンは部屋に戻った。


「依然王女。内務の人間は君が気に入ったようだよ。是非とも入ってほしいって言っている」

シュテファンとヘルマンが目を輝かしている。スミスとロルフは我関せずで仕事に勤しんでいた。

「ありがとうございます」

依然は嬉しそうにした。

「で、何か不満があるのか」

「オウ、1つだけ希望があるんですが、でも難しいかなって」

依然が言いにくそうにした。

「どんな希望だ」

「明日、なんかパーティーがあるみたいで」

「ああ、君たちの歓迎パーティーだろ」

新留学生をはじめ、新たな領地の施政官たちも呼んだ歓迎式典があるのだ。

その後舞踏会を兼ねたパーティーがある。

「私、この国にまだ知り合いがほとんどいなくて、出来たら最初はオウに踊ってほしいなと思って」

「えっ最初に踊るの?」

オーウェンとしては最初は怒っているクリスと必ず踊りたかった。

「ヘルマンは」

「ごめん、賭けで負けたので、アメリアと踊る」

「はいっ?なにそれ。アメリアと踊るのか」

驚いてオーウェンが聞いた。この組み合わせも予想外だ。最もアメリアが来た当初は色々二人でやりあっていたみたいだが。

シュテファンが依然の相手に立候補しようとしたが、

「オウが駄目ならペトロ様に頼んでみるわ」

ペトロはこの国の公爵家で父は閣僚だった。きっとしてシュテファンがオーウェンを睨む。

「踊ったら内務に入ってくれるのか」

「やった。有難うオウ」

抱きつきそうな勢いで依然はオーウェンの手を握ってきた。

まあ、クリスは最初に新しい財務卿のコレキヨと踊るか………・

想像するだけで限りなく嫌になったオーウェンだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 個人的にオーウェンの株がかなり下がっているけど、卍解できるのでしょうか? クリスが幸せになるのなら何の問題もありませんが... [一言] 「大切なファーストダンスをクリス以外と踊るなん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ