表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第八章 ボフミエ王宮恋愛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

245/480

赤い死神は外務に陳国の二人の騎士を強引に勧誘しました

一方内務の向かいの外務ではアレクが依然の護衛騎士の词语と護衛魔導師の悠然を皆に紹介していた。

「依然王女は内務に取られたのですね」

ペトロが内務で話している依然を見て聞く。

「ペトロ。でも、ちゃんと陳国の方をお二人も連れてきただろう。何しろ悠然は外務大臣の周氏の親戚なんだそうだ」

「本当ですか」

「はい。遠い親戚ですけど」

「遠い親戚でも周氏とはこれで連絡は取れよう。彼女たちは外務省に勤務して頂ける」

「えっ殿下そこまでは」

悠然が驚いて言う。

「何を言っているのかな。2人がかりで私に勝てなかったら、外務に勤務すると約束したではないか。外務に勤務していただければ、週に1回は私が稽古をつけてあげよう」

「えっ本当ですか」

词语はアレクの話に惹かれた。敵とは言え、赤い死神に稽古をつけてもらえるなんてめったに無い。それにボフミエには強い騎士がゴロゴロいた。

「私としても陳国とよしみが出来ることはとても嬉しい」

ニコリとアレクは笑って言った。


「しかし、依然王女殿下の護衛の任務がありますし」

悠然は抵抗する。

「依然王女がこちらに来て頂くと言うことはないのだが、あちらは内務卿に首ったけみたいだし。

ここは王宮。基本は安全には問題はないぞ。何なら、陳国の国王に聞いてみようか」

「えっそのような恐れ多い」

アレクの言葉に慌てて悠然が否定しようとする。

「それは心外だなあ。陳国が強大過ぎてこの外務卿では話してくれないと」

ギロリとアレクが見る。

「いえ、そのような」

悠然は震えあがった。相手は赤い死神だ。一番怒らせてはいけない相手だった。

周りも青くなる。

特にペトロは。対応誤るとトリポリのように陳国の宮廷に火の粉がかかる。


そこに魔導電話が鳴った。

これ幸いとペトロが取る。

そこにはクリスが映った。ペトロはホッとした。


「おはようございます」

「おはようございます」

クリスの挨拶に慌てて全員立上って挨拶する。

悠然はアレクが姿勢を正すのを見て驚いた。他の皇太子と相対するのとは全然違う。他の皇太子とは友達感覚だったのに。

「アレク様。お忙しいところすいません」

「いえ、クリス様。何も問題はありませんよ」

悠然はアレクがクリスに様をつけたのも驚いた。


「実は新しい財務卿がやっと見つかりまして、外務の皆さんにも紹介させて頂きます。

ジパグ国の皇太子殿下であらせられるコレキヨ様です」

「コレキヨでございます。アレクサンドロ皇太子殿下にはお初にお目にかかります」

コレキヨは深い礼をした。

「コレキヨ様。ここでは私は皇太子ではなくて外務卿です。あなたも財務卿なのですから、同僚ですよ」

「これはこれは失礼いたしました。ではアレキサンドロ様と」

「アレクでいいですよ」

アレクは笑って言った。

「ではアレク様。よろしくお願いいたしますね」

にこやかにコレキヨは笑った。


「で、アレク様。そちらの2名の女性の方はどなたですか」

目ざとくクリスが見つけて言った。

「こちらは陳国からの留学生の词语さんと悠然さんです」

「李词语と申します」「周悠然です」

いきなり振られて二人は慌てて挨拶した。


「クリスティーナ・ミハイルと申します」

「お二人共、外務の仕事に興味を持ってた頂いたのですが、留学生の身。手伝うには国の許可がいるということで陳国の国王陛下にお電話でお許しを頂こうかと思いまして」

「えっ、そうなのですか。陳国の国王陛下とお電話で話されるのですか」

何故かクリスがそこに食らいついてきた。

「まあ、本来はお会いしたほうが良いとは思うのですが、何分遠いですし」

「アレク様。出来たら、そのお電話の中で私もご挨拶させていただくわけにはいかないでしょうか」

「筆頭魔導師様自らですか」

アレクが驚いて聞く。

「あのう、私のような者が直接お話させていただくのはおこがましいとは思うのですが」

「何をおっしゃいます。魔王を退治なされたクリスティーナ様と話すのを忌避するものなど、どこにおりましょう」

「そうは言ってもアレク様のお父様とはお話させて頂けたことは無いではないですか」

クリスがいじけて言う。

「何をおっしゃいます。ノルディンなどという辺境の北国の王などとお会いいただかなくても宜しいではありませんか。そもそも私めがここにおりますれば、会う必要など無いでしょう。私では役不足ですかな」

悠然らは唖然としていた。傲岸無比と噂されるノルディンの皇太子が自国を卑下しているのだ。それも何故か必死だ。

もっともアレクとしてはどこでシャラザールが来臨するかわからないクリスなど連れてノルディンに行ける訳なかった。下手したら一瞬で帝都は灰燼と化す。

「そうですか」

残念そうにクリスが言う。

「陳国国王との面談のおりはクリス様にご同席頂けるように手配しておきます。ご帰還は明日ですね」

「明日は色々ございますので、明後日以降でお願いしたいのですが」

「判りました。お任せ下さい」

「宜しくお願いいたします」

電話が切れた。


ほうっとアレクはため息をつく。

それを珍しそうに他のものが見ているのに気付いて

「ペトロ。悠然と協力して、クリス嬢が話したように、明後日以降で、陳国国王と魔導電話会談の設定を。スケジュールはクリス嬢のスケジュールに合わせろ」

いつものアレクに戻って命令していた。


「でも、アレク様。本当に大丈夫なのですか」

「何がだ」

「だってこの前はトリポリ国王に全く相手にされなかったではないですか」

「そんなことはないだろう。なあ悠然」

「そうは思いますけど」

いきなり振られて悠然は慌てた。

「この前のトリポリみたいに宮殿破壊は止めてくださいよ」

思わずペトロは言ってしまった。

「何を言っている。ペトロ。君は北極旅行がしたいのかな」

「いえいえ、とんでもありません。早速に悠然様と国王にお電話できるように調節します」

慌ててペトロは言った。


「最悪、依然王女にお願いすればいいだろう。断るとは思えないけれど。なあ、悠然」

悠然はコクコクと頷いた。陳国の宮殿が火の海になるのは嫌だ。どんな事をしても対話できるようにしようと心に決めた悠然だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ