エピローグ
皆様、ここまでいろいろとありがとうございました。
つたない文章にもかかわらず、ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
誤字脱字報告も本当にありがとうございました。
御礼申し上げます。
また、ブックマーク、評価いただいた皆様方、本当にありがとうございました。
後、番外編少し書いて本編はとりあえず終了とします。
魔王の脅威がシャラザールの来臨で去った。
魔王が死んだかというと中々厳しいとの見方が多かったが、再度現れても、クリスがいる限り大丈夫だろうと世間は思っていた。
少なくともボフミエ魔道国とその周辺国家の指導者とその民たちはそう思っていた。
ボフミエ魔道国は最終的にモルロイとクロチアを併合して大きくなった。
ボフミエ魔道国が大きくなっていくことに周辺国家は危機感を持っていたが、ノルディン帝国とドラフォード王国という南北の大国の皇太子がその指導部におり、技術大国のマーマレードとシャラザール帝国の末裔を一番自負している女王国家テレーゼという4か国の皇太子が指導部におり、多くの周辺国家の王族ないし貴族が運営に参加しているので、なかなか文句も言い難かった。
特にその皇太子を送り出している大国の指導層はその官僚を初め不安に思っていたが、自らの後継者がそのボフミエ魔道国の中にいるのでどうしようもなかった。
小国が多く、その後継者争いや権力争いから、ノルディンとドラフォードの大国の介入を招いて両国の戦争になることも多かったが、その真ん中にボフミエ魔道国という中立国が出来たことで両国は中々争うことが出来にくくなった。
そして、周辺国から優秀な人材が集まり、マーマレードの技術力が結びつくことにより、更なる発展がみられるようになったのだ。
周辺の小国もその恩恵に預かり、民の生活も徐々に向上し始めるという作用もあり、反対する民は多く無かった。
ボフミエ周辺は平和を謳歌し民は潤い出す事になっていく。
それはまだまだ先の話だったが。
クリスはボフミエ国内では聖女クリスとして慕われていたが、クロチアとモルロイでは恐怖の女王として恐れられていた。
それがクリスには不満だった。
しかし、当初クリスの傘下に入るのに、嫌がっていた人々も、知事に任命されたルチッチらの善政と身分差があまり厳しくなくなり、物量が大量に出回りだして食糧事情も改善されたので、徐々にクリスの人気も持ち直し始めた。
そして、そのボフミエ国の王宮では広大な大広間のような空間に、巨大な執務室が出現していた。
すり鉢状になっているそれは一番底に筆頭魔導士のクリスがいて、クリスの秘書官らが働いており、その周りに、外務省や内務省のトップと実戦部隊が配備されており、大忙しで執務を行っていた。
下っ端になるほど端の高いところになっていくという普通とは逆の作りだ。
その中では相変わらず、クリスのチート対応が際立っていた。
時たま、背伸びをして筆頭魔導士の席から立ち上がるとふらふら?と歩き回るのだ。
「ジム。お子さんのメリーは元気?」
「はいっえっ筆頭魔導士様」
「トム、お母さんの腰の具合はどう?」
「ああ、母は大分ましだ……失礼しました。筆頭魔導士様」
まさか隣に来て話しかけているのが筆頭魔導士のクリスだとは気付かずに、それに気付いて慌てふためくのがいつものパターンだった。
ここではいつクリスが声をかけて来るか判らずに、気の休まる間もなかった。
というか、皆、クリスのような国のトップの人間が自分のような者の家族の事まで心配してくれているのに感激するのが常だった。
そして、王宮に勤める者は皆、クリスのファンになっていた。
クリスは執務を楽しんでやっていたが、一つだけ不満があるとすれば戦いの終わった後からやたらとオーウェンが傍にいることだった。
元々このような席の配置はオーウェンから提案されたことだったが、始まってみると何故かクリスの席の隣がオーウェンの席で、やたらと近かったのだ。
ウィルが間に自分の椅子を入れようとしてオーウェンと小競り合いをしたり、当初は大変だった。
内務の連中はこうすることでオーウェンの機嫌が良くなって、またクリスの目があるので以前のような無茶振りがなくなったので、喜んでいたが。
たまに仕事が立て込んでいて食事を食べる暇がないことがあるが、そういう時はオーウェンが嬉々としてクリスの口に一口サイズに切った食べ物を放り込んでくるのだ。
クリスが飛ぶように仕事をしていた時に、「はい、クリス、口開けて」
仕事のように言うので、そのまま何も考えずに、口を開けると開けると口の中にお菓子を放り込まれたのだ。
「うっ・・・・・」
クリスはどうしようもなく、食べるしかなかった。
「はいっもう一つ」
嬉々としてオーウェンが言うが、
「オウ、自分で食べられます」
クリスが抗議する。
「でも、時間がないでしょ。ほら、次の書類」
クリスの机の上にオーウェンは次々に書類を積み上げていく。
クリスはげんなりして仕方なしに書類を見ながら次のお菓子を口に放り込まれていた。
周りからの生暖かい視線に気づいてたのは5口くらい放り込まれた後だった。
そう、ここではすべて周りから見えているのだ。
数百人の生暖かい視線に耐え切れなくなってオーウェンを思いっきり叩いたのは言うまでもない。
それ以来、機会があるたびにやろうとするオーウェンがいるのだが、そのたびに言い争いになるのはいつもの事で、たまにその中にウィルも入って更にハチャメチャになるのだが・・・・・
外は早咲きの春の花々のつぼみが大きくなりだしていた。
冬が過ぎ春が来ようとしていた。
しばらくお休みします。
便宜上簡潔にしますが、次の構想練っています。しばらくお待ちください。
この話の前の物語「赤い死神の大侵攻作戦で王国を蹂躙します…しかし、その前に無敵の戦神が立ち塞がりました」
https://ncode.syosetu.com/n4865gt/
にて、投稿開始しました。
アレクとジャンヌの出会いのお話です。
戦神シャラザールが初めて出現した時のお話です。
ぜひともお読みください。








