表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第七章 魔王復活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

230/480

クロチア最終決戦11 魔王カーンはひたすらシャラザールに恭順すると偽って最後に本性を現しました

「シャラザール様!」

感極まったようにメイが叫んでいた。


そう、そこには今までのクリスとは比べ物にもならぬほどの圧倒的な存在感で周囲を圧倒したシャラザールが来臨していた。


「ああ、ついに現れた。これでこの国も終わりだ」

アレクが震えて言う。

シャラザールが現れる時はいつも最悪感満載だったが、今日のシャラザールはいつにも増して周囲を威圧していた。

アレクは初めてシャラザールを見た時のように漏らしてしまいそうだった。

今日のシャラザールはそれほど怒りに燃えていた。


「そんな馬鹿な。シャ、シャラザールだと」

カーンは呆然として立っていた。

シャラザールには1000年前に悲惨な目にあわされた。それ以来絶対に会わないようにしていた筈なのに。魔王カーンは復活する時を間違えたことに気づいた。


そう、その後悔に泣きそうな魔王カーンの目の前には光り輝く戦神シャラザールがいた。

その威圧感、その人を人とも思わない傲慢な態度といい、魔王カーンを魔王とも見ない、

いや、ごみ屑以下にしか見ていないその態度、忘れても忘れられない屈辱の数々をカーンは思い出していた。

1000年前はシャラザールと戦ってぼろ布のようにやられて完敗だった。

魔王として存在してより初めて自分よりも強いやつの存在を思い知らされた。

アッシーとして雑用をさせられて、シャラザールの小間使いを引き受け、シャラザールが肩が凝ったと言えば肩を揉み、のどが渇いたと言われたら、紅茶を入れてただひたすら仕えた。靴をなめろと言われれば、その靴をも舐めてしのいだ屈辱、魔王カーンはその屈辱の数々を思い出していた。

(絶対に許さない)

魔王カーンは両拳を思いっきり握っていた。

そして……


「申し訳ございません」

シャラザールの前に土下座して謝った。


「…」

周りは唖然とした。


「えっ」

ウィルらも唖然としてみていた。

今までの傲慢な態度はどこへ行ったかのようにただひたすら頭を擦り付けて謝っていた。



「シャラザール様が復活していらっしゃるなんて露ほども知らず、ご無礼の数々平にお許しください」

もうシャラザールの靴をなめろと言われても舐めそうな勢いだった。

そう魔王は前回で理解したのだ。いくら頑張ったところでシャラザールには絶対に勝てないと。身に染みて理解させられたのだ。

だから絶対にシャラザールには逆らってはいけなかった。

そう赤い死神と同じように。

アレクは戦う前にそれを理解したが、魔王は何回も戦って絶対に敵わぬことをその身に叩き込まれたのだ。


「魔王でも恐怖に感じるくらいなのだ。ひたすら逃げだして本当に正解だった」

ノルディン戦で恥もプライドも投げ捨てて逃げた己を今の魔王の姿に重ねてアレクは褒めていた。


「なんでも致します。なにとぞお怒りを収めていただきたくお願いいたします」

肢体を投げ出さん勢いで魔王カーンは謝っていた。


シャラザールはその様子を不満そうに見ていた。

せっかく、全力で戦える相手が現れたのだ。

今まではクリスが戦っていて、特に最近はシャラザール自身で戦える場面が殆どなかった。

例えあったとしても魔人レベルだ。

シャラザールがちょっと撫でてやれば相手がやられるレベルだ。

でも魔王はおそらく全力で叩きつけても、そう簡単には死なない。

久しぶりに全力を出せるはずだった。

1000年ぶりの全開攻撃をできると期待に震えてクリスから出てきたのだ。

それも少しタイミングをずらして正義の味方の出現するタイミングで。

クリスを突き刺すということは己の体に汚らしい屑の魔王の体の一部が入ったという事だ。

シャラザールはそのことに怒り狂っていた。

その怒りも出てくるタイミングを計って抑えていたのだ。

やっとその怒りを放出できると期待に打ち震えて出現したのだ。

しかし、ここで少しでも反抗的な態度をとったらそのまま殴りつけようとしていたのに。

ここで謝るだと。シャラザールとしては絶対に許せなかった。


「シャラザール様のお怒りのほど、良く判ります。私が悪うございました。

どのような罰でもお受けいたします。

靴を舐めろと言われれば舐めましょう。なにとぞ命だけは、命だけはお許しください」

魔王カーンはただひたすら謝っていた。


いくらシャラザールでもここまで謝っている奴をすぐに消滅させることは出来なかった。


「そこまで言うなら、魔物の屑、屑の中の屑のカーンよ。こちらに来よ」

シャラザールはカーンを呼んだ。


「ははあーー」

魔王カーンは平伏するとそのままシャラザールの元へ小走りに駆け寄る。


「余の靴を舐めてみよ」


そのままシャラザールは足を突き出した。


「ははあーーー」

再度平伏するとカーンは両手で靴を押し頂くように添えて頭を再度下げる。

そして、靴ごとシャラザールの足を引っ張った。

「何を」

慌てたシャラザールの体に下から魔王カーンの手が剣のように鋭く伸びてシャラザールの体を貫いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ