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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第七章 魔王復活

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クロチア最終決戦9 クリスが魔王に倒さる報に世界は混乱しました。

クリスがカーンの体から飛び出た鋭利な物に刺された瞬間、世界に激震が走った。


「クリス様!」

マーマレードの王宮で仕事そっちのけで画面を見ていた女官たちは悲鳴を上げていた。


そして、画面がブラックアウトする。

「なんで画面が消えるの」

「クリス様」

みんなが画面に詰め寄る。


「そんな、クリス様が魔王に負けるなんて」

呆然として侍女のメリーがいう。

魔人と化した王弟も張り倒して元に戻したほどの方が負けるなんて。





国王は執務室でクリスの刺される様子を見て呆然としていた。


「あなた。どういうことなの」

そこへ王妃のエリザベスが飛び込んできた。

「どうにもこうにも、画面の通りだろう」

国王は感情のこもっていない声で言った。


「そんな、あのクリスがやられるなんて」

真っ青になってエリザベスが言った。


ブラックアウトした画面に情報局長のルーファスが出てきた。

「すいません。魔道電話がクロチアの間で不通になっていました」


「ルーファス、状況はどうなっているのよ」

そのルーファスにこれ幸いとエリザベスが食って掛かった。

「お話ししたとおり、魔道電話が不通になっており確認できません」

「そこを何とかするのがあなたでしょ」

「そんな無茶な…」

「何か言った、ルーファス」

「いえっ。至急、ありとあらゆる手段を使って状況把握に努めます」

そう言うやルーファスは慌てて画面から消えた。



ドラフォード王宮では国王のピーターと王妃のキャロラインが呆然とブラックアウトした画面を見ていた。

「あなた。クリスがやられたわ」

呆然としてキャロラインが言った。

「ああそうだな」

「あのかわいかったクリスが」

「……」

「オーウェンが必死にアタックしていたのに」

「……」

「ボフミエで貧乏くじ引いても必死に頑張っていたのに」

「……」

「お粥しか食べられなくてもけなげにふるまっていたのに」

「……」

キャロラインの声にピーターはほとんど応えられなかった。


「あなたなんか言えないの」

ヒステリックにキャロラインは叫んでいた。

「何故、黙っているのよ」

魔道電話をつかむと地面に叩きつけていた。

「キャロライン。落ち着け」

慌ててピーターが言う。



「落ち着けですって。落ち着いていられるわけないわよ」

キャロラインは怒りのオーラ満載で叫んでいた。


「クリスは、あの子はまだ18なのよ。子供なのよ。

そもそも本来、クリスは剣を持ったこともない可憐な令嬢なのよ。なのに私達はあの子に戦場に行かせてしまった。本来ならば魔王の相手は私達各国王家が協力してしなければならなかったのに。それを楽だからってあの子たちに任せてしまったのよ。判っているの。あなたは」

キャロラインは机を思いっきり叩いていた。


「私たち大人がこんな後方でのほほんと魔王との戦いを見物しているなんていけなかったのよ」


「そうは言っても、こちらはオーウェンをはじめ最強の東方第一師団も出している」

ピーターが言い訳する。

「それがどうしたのよ。相手は魔王よ。国王親征の元ドラフォード全軍出撃するのが筋でしょ」

「全軍?私が親征するのか?」

ピーターが尋ねた。

その他人事のようなセリフにさらにキャロラインはヒートアップする。


「当然でしょ。魔王が前回出たときは皇帝シャラザールご自身が親征されたのよ」

「いや、あれはシャラザールは元々戦いの神で」

「何言っているのよ。シャラザールはこのドラフォード王国の前身のシャラザール帝国の皇帝でしょうが」

「しかしだな、全軍で出ればこの王宮を守るものもいなくなるが」

「はんっ?何言っているの。魔王が生きている限りどこにいても同じよ。私も魔術師として戦場に出ます。あなたが出ないなら王妃親征になるけど」

キャロラインは言い切った。

戦場に出たことのない王妃が親征すると言い出したのだ。

王妃はこうと言ったら聞かなくなる。


「判った。全軍に出撃命令を下す」

やむを得なしにピーターは諦めて言った。




一方のその息子のオーウェンは地面にへたり込んでいた。


クリスがやられた。

こんなことなら一人で行かせるのではなかった。

後方が大事だからと居残りさせられたが、絶対に一緒に行くべきだった。

剣の力はアレクには勝てず、魔術でもジャンヌには劣ったが、クリスの盾となって魔王の攻撃を受けることはできたはずだった。


この身を犠牲にすればジャンヌやアレクが魔王に対するのにプラスになるかもしれない。

クリスの傍にいられられないのがオーウェンには耐えられなかった。


地面にへたり込んでいたオーウェンがきっとして立ち上がった。


「ジャルカ殿。頼む。俺を戦場に送ってくれ」

ジャルカに向けて頭を下げた。

「しかし、オーウェン様。戦場にいきなり転移させるのは危険です。どこにどのような攻撃がされているかわかりませんし」

「頼む。何としてもクリスを助けたいんだ」

オーウェンはジャルカの手を取った。

あまりの真剣さにジャルカはほだされかけたが、男に手を握られる趣味はジャルカには無かった。


「今更行かれても、プラスになるとは思えませんが」

「頼む。何としても行きたいんだ」

手を振りほどこうとするジャルカをオーウェンは離さない。

「致し方ありませんな。転移させることはできませんが、スカイバードで送る事はできますが」

「それで良い。何としてもすぐにクリスの傍に行きたい」

オーウェンはさらにきつくジャルカの手を握った。


「ただし、衝撃吸収装置はついておりませんぞ」

「かまわない。それで頼む」

「判りました」

必死に頼むオーウェンの手を引きはがそうとジャルカは顔を引きつらせつつ頷いた。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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