クロチア最終決戦1 クリスは魔王軍に渾身の一撃を見舞いました
ボフミエ連合軍1万はクリスを中心にカロエから北上していた。
中核はジャスティンを中心にした北方軍7千。
ドラフォードのベン・ドーブネルの東方第一師団第一大隊千名。
ジャンヌの魔導師団200名。
テレーゼからの魔導中隊100名。
アレクが率いる魔導中隊100名と近隣の連合軍計2千名を含んでいた。
中心には馬車に乗ったクリスを中心に、アルバート、ウィル、ナタリー、メイが控えていた。
その馬車にジャンヌが転移してきた。
「クリスすまん」
「どうされたのですか。お姉さま」
いきなり転移してくるのはジャンヌのいつもの事だ。
慌ててクリスが確認する。
「カーンを本気にさせてしまった」
慌ててジャンヌが説明する。
「本気にさせるとは」
「兵士の過半をカーンに攻撃させて少なくしたんだが、カーンが
何か今までと違ってすさまじい魔力を纏い出して、魔人をいっぱい作って攻めてくるんだ」
ジャンヌの言葉に慌てて、幹部連中を集めて確認する。
「元々相手は魔王。それくらいの力があるのは当然のことですな」
テレーゼの魔導中隊を率いているサイラスが言った。
「魔人の数は20。残りの兵士たちも魔人に近い力を有しているかもしれん」
「5千人の魔人クラスですか」
「いや、2千程だ」
2千と言っても多い。
こちらの兵は1万人ほど。
それでなくても魔人が20もいれば対処は難しい。
「魔人に対処できるのはクリス嬢、俺、ジャンヌ。ジャスティン、サイラス卿か」
アレクが数えた。
「魔人が15余るが」
「それにクリスは魔王と対峙してもらった方が良いだろう」
「魔人が16余るぞ。」
「戦力も16等分して魔人に対処。他の対処は魔人を倒してからで良いのでは」
アレクらは他の戦力を16等分した。
「私が敵の中心部にまず、衝撃波を叩き込みます。アレク様達は出来るだけ多くの魔人を倒してください。
他の16部隊は出来る限り魔人の動きの牽制を」
クリスが言う。
彼らではおそらく魔人は倒せまい。
彼らが牽制している間に手の空いた4人が次々に魔人らを葬り去るのが無難な選択だ。
「なんか、行き当たりばったりのようにも思えるが」
アレクが言うが、
「なあに、魔王さえ倒せば何とかなる。クリス頼むぞ」
ジャンヌが言う。
「まあ、出来る限りの事はします」
クリスが不安そうに言った。
「まあ、戦神シャラザールの加護のあるクリス嬢が魔王なぞに負ける訳は無い」
アレクが言い切った。
「前方に砂塵が上がっています」
伝令が飛び込んできた。
「ようし来たぞ」
「戦闘配置」
クリスの前を空けて、全軍展開した。
カーンは敵の真ん中にクリスがいるのを見つけた。
「いたか。小娘。これを受けて見ろ」
カーンは指を1本突き出した。
そこからすさまじい爆裂魔法が飛び出す。
クリスは障壁を張ってそれを止める。
「これでも喰らいなさい」
そして、クリスは手を大きく振り下ろした。
カーンの発した物よりも100倍以上のすさまじい衝撃波がカーンらを襲う。
すさまじい爆発が起こった。
「よし、全軍突撃」
その結果を見る前にアレクが全軍に指示した。
最終決戦が始まった。
人物紹介
ベン・ドーブネル40東方第一師団第一大隊長べラサの退却戦で有名。
究極の無鉄砲。基本は先陣を切って敵に飛び込むこと。彼の前に退却の2文字は無い。
戦場では国王の言う事も聞かない。頭は脳筋と言われているが彼が先鋒に立って突き進むことを止められる者もほとんどいない。
第一師団長のミュラーからも睨まれているが、戦績が物を言って誰もあまり注意できない。
父はドーブネル将軍。








