表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/480

クリスに泣きつくノルディン帝国王子

皆さま、いつもつたない私の文章お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告を記載いただいた皆様方。本当にありがとうございます。

今日から第二部開始です。

クリスがオーウェンの故郷ドラフォードの王宮に招待されます。しかし、そこにはクリスを皇太子妃にするのに反対勢力がいて、シャラザールを恐れる赤い死神もドラフォードが強くなるのを阻止するために反対工作を必死に行います。クリスとオウは果たして結ばれるのか?ドラフォード王宮恋愛編です。

出来る限り1日2話更新頑張って行こうと思いますのでよろしくお願いします。

「おのれ、ジョージめ。王位継承権剥奪だと!」

ヘンリーは怒りのあまり傍にあった灰皿を地面に叩き割った。

ガラスの破片が周りに飛び散る。


「それも昔母上を貶めたミハイル家出身の娘ごときのために」


王弟ヘンリーの母は平民出身の侍女で、妾の子供と言って、昔は散々いじれめられた。

その時の王妃はミハイル家から出ていた。

クリスの曽祖父の妹、曽祖叔母というはるかに遠い親戚だった。

もっとも曽祖叔父、おじいさんの父の弟は、クリスが15の時ノルディン帝国の侵攻の時に戦死したから、その上の姉だったので、クリスは名前だけは知ってはいたが。

まあ、国王ジョージの実の母でエドやジャンヌにとっては祖母だったが。

クリスの生まれる前に亡くなっていた。

ちなみに今の王妃はこの王妃に王妃教育で徹底的にしごかれたので、それをクリスにしていたにすぎないのだが。



「せっかく昔、母上を追い出したミハイル家に恥をかかせてやろうと思ったのに。

忌々しい」

「殿下。このまま従っていて宜しいのですか?」

候爵に格下げされたアーカンソーも濁った眼でヘンリーを見る。

「我が娘は修道院送りになったにもかかわらず、あのミハイルの小娘はのほほんとしておるのですぞ!」


「今回はうまくやられましたな。小娘と侮っておりましたが、ミハイルの出身なだけあって、平民の人気取りもうまいようです」

北方師団へ転属命令の出たギルティも忌々しそうに唇をかむ。


「殿下、このままでは娘も報われません。」

アーカンソーが泣きつく。


「そうじゃな。わしももう十二分に我慢した。

あと少し待て。

何としても目にもの見せてやるわ」

王弟ヘンリーの目は怒りに燃えていた。




「お母様。取り急ぎ3通書きました」

クリスが居間に降りてきた。


「オーウェン様と

スティーブン・スミス様ってどなた?」

シャーロットが封筒の宛名を見る。


「同級生です。

他の子達にいじめられていた時に助けて頂いたんです。」

「でも、男の子でしょ。とりあえずは私が礼状書いておくわ」

不審がるクリスにシャーロットは説明する。


「ごめんなさいね。礼状書くのは当然だけど男の子に礼状送って勘違いされると困るでしょ」

「どう勘違いされるのですか?お礼状に勘違いしようがないと思うのですが」

クリスは純粋培養。

恋愛感情には疎い。

今までは皇太子の婚約者として、他のものはほとんど手を出してこようとしなかった。

でも、今は婚約破棄されて言ってみれば誰に好意を寄せられても問題はない。

既に王都の公爵邸には何十通という釣書が来ているという。

皇太子に婚約破棄されたところにもかかわらずだ。


皇太子から婚約破棄されるという侯爵令嬢的には本来致命的な状態なのはずなのだが。

普通なら18で婚約破棄されたら、次に相手を探すのは大変なはずなのだが、クリスは姑の王妃にいじめられた挙句に、息子の皇太子に婚約破棄されたかわいそうな令嬢として同情票が集まったらしい。


振った皇太子の人気が最悪だったこともあるが。


後妻狙いの、侯爵的には怒りのあまり地面にそのまま叩きつけた切れた釣書もあるが、

侯爵は王弟は殺すと言っていたが、

大半は伯爵クラスの後継ぎとか2男3男の若い独身が多いと聞く。

王立学園の同級生、先輩、後輩、士官学校の貴族の子弟が大半だった。


そういう状態のところに本人から手紙を出すのはまずいとシャーロットは思った。


「うーん、まあ、相手がこちらが好意があると勘違いされるかもしれないでしょ」


「でも、お母様。助けてもらったときはきちんとお礼しなければいけないと平素おっしゃっていらっしゃいますよね」

クリスは納得しない。


「そうは言ってもね。今は微妙な時なのよ。」


「微妙ですか?皇太子殿下に婚約破棄されたところですし、謹慎という意味でいけないのでしょうか?

それなら1通も出してはいけないような気がするのですが。」


「そういうわけはないけれど、母が出す方が正式な礼状になるし、良いと思うわ」


「じゃあオーウェン様は」

「うーん、そこもどうかなとは思うけど、向こうのお母様からもお電話いただいたし、私からも礼状はドラフォードの国王陛下に出しておきます。」


「姉上。なんで赤い死神に出すんですか?」

ウィルがその下の封筒を見て聞く。


「ウィル。今は戦時中では無いのよ。停戦しているの。隣国の皇太子殿下に赤い死神は無いでしょ。」

シャーロットが注意する。


「まあ、未来の王女殿下の夫になるかもしれませんし。」


「そんなに仲が良いの?」

「仲が良いのなんのって。毎日のように駐屯地に来て、僕らの訓練の邪魔していますよ。」


「そうなんだ。」

北方の脅威は去ったのかとシャーロットは安心した。

もっともその赤い死神が一番恐れているのは自分の愛娘だとは夢にも思っていなかったが。


「その王女の想い人にお手紙なんて出して良いの?」

クリスを見てシャーロットが聞く。


「だって、アレクサンドル皇太子殿下は私に向かってかけられたワインを私をかばってかかって頂いたんですもの」


ウィルは疑問に感じた。

「いや、姉上あれは違いますよ。

あの時跪いたオーウェン皇太子殿下の前にはノルディンの戦いの時に僕らを逃がしてくれたボリスがいたんです」


「えっそうなの。あの時のお礼もまともに出来ていないのに。」

クリスは驚いて言った。


「うーん、私も彼がいる事は、あのときはじめて知ったんですけど。」

ウィルが言う。


「ボリス様にもお礼を言わないといけないわね。」

「うーん、その彼がアレクサンドル皇太子にワインをぶっかけていましたけど。」

「えっなんで自国の皇太子にかける必要あるの?

皇太子殿下は兄弟にも恐れられているんでしょ?」

シャーロットが聞く。


「おそらく、ボリスはオーウェン皇太子殿下がお姉さまに申し込むのを止めようとしたのではないかなと思いますが。」

言いづらそうにウィルは言う。


「えっ何を止めようとしたの?」

クリスが疑問に思ったとき、


外で何か叫び声がした。


「外がうるさいみたいですよ」

ウィルが慌てて剣を取ると窓から外を見る。


外では小柄な男が侯爵家の騎士に抑え込まれようとしていた。


「あれ? あれ噂をしていたボリスですよ」


「えっ」

慌ててクリスは外へ駆け出す。


「待ってください。姉様」

慌ててウィルもクリスを追いかける。


騎士たちはクリスらが駆けてきたので慌てた。

「ちょっと待って。そちらの方は私たちの命の恩人なの」


「ミハイル嬢」

ホッとしたのかそのままボリスは気を失った。

衣服はボロボロだった。


「クリス様。門を強行突破されようとしたので、慌てて抑え込もうと…」

メイが言う。


「でもこの格好は。」

「クリス様。まだ何もしていないですよ。

拘束の魔法をかけただけで。この格好は他所で被られたのかと。」

「取り急ぎ、客室にご案内して。

3年前のノルディンとの戦いの時に、私とウィルを逃してくれたの。」

「という事はノルディンの方?」

「今は王立高等学園に留学していらっしゃるはずよ。」

どこでどうしたらこんな格好になるのだろう。

あたかも襲撃にあったような格好だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ