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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第七章 魔王復活

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トリポリ国王はアレクに嵌められました。

トリポリ国王ホフマン・トリポリは久々に機嫌が良かった。

隣国クロチアが1日でモルロイの魔王カーンに占拠された事に恐怖を感じていたが、なんとか、ボフミエの筆頭魔導師のクリスティーナにいざという時の援助の確約をもらえたのだ。

赤い死神のアレクと違って魔王に攻撃されたら即座に援軍を送ってくれるはずだ。


前の会談で話した通りに1週間に1度ボフミエとの間でスカイバードも飛び出した。

ボフミエへ送り出した魔導師の育成も順調に進めば毎日飛び出すはずだ。

ホフマンにとっては自国の魔導師の能力も上げてくれてこれほどうれしいことは無かった。

ボフミエとの協力体制は搾取だけでなくてトリポリ自体の国力も上げようとしてくれていた。

5000トンの食糧など安いものだった。

今まではノルディン帝国に搾取されるだけだったが、ボフミエとの協力体制は国家の存続の可能性も上げてくれるものでありがたかった。

ドラフォードとも同盟は結べたし、マーマレードとテレーゼの次期国王とも顔つなぎは出来た。

更に息子も留学させてさらに確固たる繋ぎも出来るだろう。


「儂もやっと運が向いて来たぞ」

ホフマンは自分を褒めたかった。

「さようでございますな。陛下のお力によってボフミエ国とも援助協定が結べましたし」

「そうだろう。ボフミエの筆頭魔導師様は義に厚いお方だ。

いざという時は必ずお助けいただける。アレクサンドロ殿下ではいざという時は裏切られる可能性があるからな」

「誰が裏切るって」

いきなり転移して来たアレクはニコニコして言った。

「閣下」

椅子にふんぞり返っていたホフマンが驚いて椅子ごとひっくり返っていした。


「私が貴様を裏切ったことがあったか」

地の底から聞こえるような声でアレクが言う。

「いえいえ、滅相もございません。言葉の綾でございますよ」

慌ててホフマンが否定する。

戦場に置き去りにされたり囮にさせられたことは一度や二度ではないが。


「言葉の綾だと」

「ヒィィィぃ」

アレクの言葉にホフマンは震えあがった。


「まあ良い。実はその方に頼みがある」

「はっ何でございましょうか」

またとんでもない事を頼まれるのではないかとホフマンはおっかなびっくりで聞いた。

「何、大したことは無い。モルロイの使者が来た時に今のように尊大な態度で対応してほしいのだ」

何でもない事のようにアレクが言う。


「はいっ?」

目を見開いてホフマンはアレクを見つめる。

「そのような事をしては私が魔王カーンに睨まれますが」

慌ててホフマンが言う。


「何を恐れる。貴様の後ろには我々がいるのだぞ。私では信用ならなくてもクリスティーナ様は自愛のお方。貴様を見捨てる事は絶対になさるまい」

アレクは断言した。

「いやいや、閣下を信用していないわけではございませんが、このような依頼をなさるから…」

「このような依頼?」

「いえいえ、しかし、使者がカーンであった場合はクロチアのようにそのまま殺される可能性がございますが」

怯えてホフマンは言う。

「ふんっ。傲慢なカーンが再び使者などなるものか。貴様にはカーンの使者を愚弄して馬鹿にしてもらいたい。もし、カーンが現れたなら、クリスティーナ様が自愛の鉄拳雷撃でカーンを攻撃して頂けよう」

「本当でございますか」

多少疑わしそうにホフマンが聞く。

「カーンはクリス様の雷撃は恐れておるわ。その証拠にそれ以降このボフミエには手を出して来ん」

「さようでございますか」

「そうだ。頭に来たカーンが攻め込んできた時に我々が待ち構えてモルロイを殲滅するのだ」

「本当にすぐに来ていただけるのですか」

なかなか信じようとせずにホフマンは食い下がる。何しろ本当に今までアレクには散々ひどい目にあわされてきたのだ。

「そのためのスカイバードであろう。この地には1時間もあれば到着する。それに私ならばこのように瞬時にここまで来れる。ジャンヌ、ウィルとクリス様の4人ならば即座にこの地に来ることも可能だ」

「さようでございますか。それならば喜んでさせて頂きましょう」

ホフマンはやっと頷いた。

「そうか。やってくれるか。クリスティーナ様もお喜びになられるだろう」

「はい。このホフマンにお任せください」

ホフマンは胸を叩いた。


それを鋭い目つきでアレクは見ていた。


(例え遅れたとしても必ず仇は必ず取ってやるよ。その時は息子を必ず王にしてやるしな)

そのアレクの思惑をホフマンが知らないのはホフマンにとって幸いだった。

人物紹介

ウィリアム・ミハイル15 クリスの弟 ミハイル侯爵家の次期当主

今はジャンヌの下の魔導師団所属。クリスの護衛の騎士も兼ねている。

3年前のノルディン戦はクリスを守って12歳で従軍。

転移が出来る。魔力量はジャンヌの下だがマーマレードでは最年少騎士。

騎士の誓いはクリスに捧げている。

「姉を泣かせるものは叩っ切る」と。

前皇太子のエドがクリスと婚約破棄した時エドに剣を向けているとんでもないシスコン…






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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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