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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第七章 魔王復活

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テレーゼ女王は魔導師長に魔王について調べるように命令しました

小春日和の太陽の光を浴びて、温室は暖かかった。

冬に咲く南国の花々が色とりどりの花をつけて、温室を訪れる者たちの目を楽しませてくれていた。

もっとも今のオリビアの目は、目の前の菓子に吸い寄せられており、きれいな花など見てもいなかったが。


このプルプル震える黄色い色合い。

そして、スプーンをさして、口元に持ってきて一口入れる。

じわーッと来る甘さが下の上をまろやかに滑り、それを堪能して飲み込む。


「うーん、本当にこのプリンはおいしいわ」

ニコッとテレーゼ女王オリビアは笑った。


「お菓子を2個も食べられるとまた太られますぞ」

ボソリとサイラスがつぶやく。


「サイラス。いつからそこに」

オリビアは驚いてサイラスを見た。


「その2つ目の菓子を何度もいとおしそうに見られている時からです」

サイラスが皿を目で見る。


「何度もスプーンに手を伸ばしては手を引っ込められるところからどうされるかずっと見ておりました」

何も言わないオリビアにサイラスが話す。


「入ってきたらさっさと声をかけなさい。と言うか淑女の部屋に無断で入って来るな」

「これはこれは異なことを。もう結婚されて30年近くなられるあなた様が淑女とは」

「サイラス、言う所がそこか」

オリビアは怒って言った。

怒った勢いを持ってプリンの残りを食べだす。

久しぶりのプリンなのだ。サイラスの下らない話が始まる前に食べてしまうにしかず…


「陛下。非常事態です。魔王が復活しました」

しかし、サイラスのとんでもない言葉に思わずプリンを喉に詰まらせる。


それからが侍女が総出で慌てて駆け寄り、背中を叩いたりと大変だった。


「陛下。プリンなどと言う柔らかいものをのどに詰まらせるなどどういう事ですか」

呆れてサイラスが言う。


「貴様がとんでもない事を言うからだろうが。魔王の復活とはほんとうの事か」

「はい。前ボフミエ皇帝が発掘した魔王を封じ込めた石を何故かモルロイの第一王子が解放して

魔王となったようです」

サイラスがはっきりと報告する。


「あのクーデターを起こし、両親を惨殺して国を乗っ取った暴虐王カーンが魔王だというのか」

オリビアは確認する。


「おそらく正しいかと。そのカーンがボフミエの街カロエに襲撃に現れ、正義の騎士を撃破しました」

「正義の騎士に勝ったからと言って魔王とは限るまい」

「それはそうですが、その場に居合わせたロルフ・ノーマンが巨大な魔力を宿しているのを確認いたしました」

「ロルフとはその方が報告してきた人の魔力量を見ただけで判るとかいう稀有な能力を持つ若者の事か」

「御意。そのものが申しますには我が孫娘と同じでどれだけ魔力を持っているか判らなかったとのことです」


「少し待て、今の話を聞くとそのカーンとか言うやつはその方の孫娘くらいしか魔力が無いのであろう。

それを魔王と認定できるのか」

オリビアは不審そうにサイラスに聞く。


「確かにそのロルフと言うものがきちんと魔力量が見えるかどうかは判りませぬ。

何しろあ奴は私の魔力量があのジャルカよりも少ないと抜かしたのですからな」

悔しそうにサイラスが言う。


「ちょっと待て、サイラス。お前はあの生けるゾンビ、いや屍、と呼ばれるジャルカよりも魔力量があると思っておったのか」

「何をおっしゃいます。女王陛下。このサイラスは古よりも正当魔導師を引き継いでおる由緒正しき魔導の殿堂テレーゼ王国ナンバーワンの魔導師ですぞ。

科学立国のマーマレードなどと言う三流国の魔導師などに負ける訳は無いと」

怒ってサイラスが言った。


「まあ、それは置いておいて、魔王が復活したのなら、早急に対応せねばならぬ」

「対応とおっしゃられても人間では魔王には勝てませんが」

サイラスがあっさりと言う。


「そのような事を申しても、この魔導の正当な継承国である我がテレーゼ王国が中心になって事を勧めるしかあるまい」

「そうは言われても陛下。前回魔王が復活したのは一千年前の事でテレーゼが出来る前ですぞ。

確かその時は戦神シャラザール様と相打ちでは無かったかと」

思い出すようにサイラスが言う。


「いや、私はシャラザール様が魔王を石に封印なされたと聞いておるが」

「そうでしたか。私は傷ついた魔王をボフミエ建国の3魔導師が聖なる石に封印したと聞いておりますが」

「そのあたりの不確かな事も含めて早急に調べ上げよ。

人はどれだけ使っても構わん。確か禁書コーナーに魔王について書かれた書物が多くあったと記憶するが」

「あの禁書コーナーですか。魔王関連の書物だけで一千冊以上あったと記憶しますが」

げっそりとした顔でサイラスが言う。


「当然であろう。その方はこの魔導師の正当な継承者であるテレーゼ王国の魔導師のトップであるのだからな」

有無を言わさぬ声でオリビアは言い切った。

「直ちにその方が中心になって全魔導師を動員してその対策にあてよ」

オリビアは命じていた。


「御意」

サイラスは反論するのを諦めてオリビアに礼をした。

次はボフミエに傲慢な魔王からの使者がやってきます。

赤い死神や暴風王女 シスコンのウィルの目の前で、クリスに対して暴言の数々を言えるのか?

果たして、王宮から無事に帰れるのか

読んでのお楽しみに


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
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■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] あとがきで「次はマーマレードに傲慢な魔王からの使者がやってきます。」と書かれていますが、「ボフミエ」では? それともいつの間にか「マーマレード」へ移動したのですか?
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