表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第一章 婚約破棄

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/480

王宮侍女長の号泣

婚約破棄ざまー編。

ここから3連荘です。

すいません。書きながら少し涙しました。

作者失格です。

つたない文章ですいません。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。

あと少し我慢してお読みください。



ジャンヌと久々に話して、愚痴を吐き出して、少しは王妃の気が晴れた。王宮は婚約破棄の余波で混乱の真っただ中にあった。

ジャンヌとの魔導電話を終えて、今度は侍女頭に愚痴を言い出した。

「何なの皆。いじわる王妃とか、嫁いびり王妃とか噂してくれて」

王妃は怒り心頭だった。


「私そんなにひどい事した?」

侍女頭のコマリーに愚痴っていた。


「確かに少しクリス様に対して厳しすぎたように思いますが」


「コマリー。あなたあの時はそんなこと言わなかったじゃない。今さら言う?」


「えええ!」

コマリーは反論した。

「少し厳しすぎるんじゃないかとは何度も申し上げましたよね。でも王妃様はこれくらいできて当然よとおっしゃっていましたが」


「うーん、それは確かにクリスに期待しすぎた点は反省するわ。でもクリスなら普通にできると思ったのよ。うちのどうしようもない子供たちに比べて」


「でも、クリス様も一杯一杯だったのでは。聞くところによると寝る間も惜しんで励んでいらっしゃったとか」

もっと王妃に注意すれば良かったとコマリーは反省していた。

クリスは侍女等にもとても気さくで気が付いていろいろ慮ってくれた。本当に人気の高い婚約者だったのだ。


「でも、クリスなら出来ると思ったのよ」

王妃がなおも言い訳する。


「まあ、王妃様がクリス様に対してご期待されるのも判ります。

本当に私達にも本当によくして頂いて、子供のいる者にはお菓子などよく作って頂いて、子供が熱を出した時にはすぐに帰るようにおっしゃっていただいたり、年老いた母のいる者にはクリス様のお母様が作られたという昔懐かしい柔らかいお菓子頂いたり、こうは言いたくありませんが、王女殿下皇太子殿下とは全く違って本当に良くできた方でした。

今回の件でもうお会いできないとなると、ショックのあまり3人ほど退職の申し出が出ております」


「えっ本当に?私の時はそんなに慕われていなかったわよね」

エリザベスはショックだった。

しかし、本当のショックはこの後に続いていた。

その王妃の言葉を無視してコマリーは言う。


「私はそんなクリス様の心遣いなど何も知らないで、

いらっしゃるのが少し遅くなると他のものが苦労するから時間はお守り下さいときつく申した事もございます。そうたった1分遅くなっただけで。クリス様は一言も言い訳されず、申し訳なかったとおっしゃいました」

コマリーは少し口を閉じた。

コマリーの様子が少しおかしいのに、やっと王妃は気づいた。


「でも、その時はクリス様はひとり親の侍女のメリーの息子の為に徹夜明けで誕生祝に竹トンボを作ってやっていたそうです。

私はそんなクリス様にもっと使用人の事を考えろと言ってしまいました…本来は私が気を付けてやらねばならないのに。

私の至らないところを18歳の学園の生徒にフォローさせていたのです」

絞りだすようにコマリーは言った。


「本日、メリーが涙ながらに辞表を持って来ました。

クリス様がひどく言われているのは自分の息子のためにいろいろしてくれたからだと。

自分がやめるからクリス様を元に戻してほしいと。

号泣しながら言ってきたのです」

一旦コマリーは言葉を区切った。


王妃には初めて聞く内容だった。


一杯一杯だったクリスが侍女たちにも気を遣っていた。


本来なら王妃である自分自身がしなければいけない気づかいを。


自分が至らないばかりに更に寝る時間をつぶさせていた。


エリザベスは初めて自分はとんでもないことをしてしまっていたことに気づいた。


「また、本日、クリス様から手作りのお菓子とお詫びの書状を皆に頂きました。

一人ずつです。

それぞれ文面を変えて、本来ご存じないはずのことまで気にされて。」

エリザベスはそれがどんだけ手間暇かかる事なのか分かった。

いや、自分はそんなことはやったことがなかった。

そもそも全員の家族構成とかそもそもメリーが一人親で男の子がいる事も知らなかったし、気にかけたこともなかった。

それを気遣っていた。本来ならやる必要もない子がやっていたのだ。

そしてその子に気遣いが足りないと平然として言っていたのだ。

息子もバカ息子だが、自分もばか王妃だった。


「あんなにひどくあたった私にも、私が至らなかったばかりにエドワード様に嫌われてしまってごめんなさいって・・・・」

コマリーの瞳に涙が溢れていた。


厳しい侍女頭の目から。


「メリーに聞くところでは息子は一人親なのをいじめられていたそうです。

その息子に、本当に忙しい中、クリス様はその忙しい合間を縫って何回かお電話されたそうです。

努力すれば必ずいつか報われるから頑張れって・・・・

クリス様の忙しい時間をつぶした私が悪いとメリーは号泣していました。

私どもが追い出した形になっているのにご自分が悪いだなんて、あんまりだと。

クリス様を婚約破棄するなら私を首にしてください。

と似たような辞表がすでに3通。

クリス様を追い出すなら辞めますと侍女の多くが申しております」


下を向いて一息つくと

「申し訳ありません。至らない侍女長で。

私、本日責任を取って辞めさせていただきます。

本当に至らない侍女で申し訳ございません」

侍女長はその場にひれ伏して号泣した。


気の強いしっかりした侍女長が…


王妃は呆然と立ち尽くした。


何も声を掛けられなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ