表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/480

田んぼの中は虫だらけ テレーゼの王女は軟体動物に絶叫しました。

ボフミエ魔導国では前皇帝の世界征服策略で武具を買うために食料を売り払い、GAFAの奴隷人身売買戦略で多くの村で飢饉逃散が起きていた。

昔は人口は100万人を超えていたが、今や80万人を下回ったとも言われていた。

その中クリスらの努力で何とか飢饉は回避されたが、今年からの食料生産に難があった。

多くの農村が荒れ果てて食料の減収が予想されたからだ。

その荒れ果てた農地を復活させるために、兵士の屯田や犯罪者の農作業化が図られていた。奴隷販売や賄賂に当たった罪人も急速な生産回復には欠かせないという考えがクリスらにあり、早急な社会復帰も視野に農作業をさせていた。

そして、これからのボフミエを背負っていく魔導学園の生徒にも全員に農業の授業への参加が決定されていた。学園から5キロ離れた雑木林を切り開き各自に1アールの農地が与えられた。


そして、今日は田植えの授業だった。

田んぼには水が張られていた。


今日は実践学年の120名が田植えに来ていた。

全員靴も脱いで体育の汚れていい服装で集まっていた。


「では、皆さん。田植えのやり方は以上です。

では、まず、学園長に田植えのやり方を見せて頂きます」

農学師のバルドゥル・ケンプが、見本を一通り見せた後で学園長に振った。


「えっ私?」

アメリアはびっくりして言った。汚れていい格好とのことで、学園長であるアメリアも体操服を着ていたが、まさか、見本をさせられるとは思っていなかったのだ。


「はい。今日の書面に、学園長にまず最初にやって頂いて、そのあと生徒が一斉に始めると記載させて頂いていたんですが、書類は回って来なかったですか?」

「そんな書類あったんだ…」

アメリアは適当にハンコを押しており、詳しく見ていなかった。


そもそも、アメリアはテレーゼの王女、当然田植えなんてしたことが無かった。

そして、王族の女の子で、花や草木やと大切に育てられており、当然田んぼなんて入った事も無かった。

貴族の女の子にありがちなように、虫や水中生物は嫌いだった…。

濁った水に素足をつけるなんて絶対に今までやったことは無かったし、やりたいとも思っていなかった。

そんな貴族が多い中で、その不安を払拭してくれるためにも、テレーゼの皇太子でもあるアメリアに最初にやってもらおうとバルドゥルは考えていたのだが…。

アメリアの様子を見るとおっかなびっくりで、水に向かうが中々入らない。


「なんだ。アメリアはこの濁った水を恐れているのか。こんなの深さ10センチも無いぞ。」

そう言うとジャンヌが飛び込んだ。

バシャンと泥水が跳ねる。

「キャッ」

思わず足にかかった泥を見てアメリアが悲鳴を上げる。


「何やっているんだよ。アメリア、本当に箱入り娘だな」

呆れてジャンヌが言う。


「でも、食物を作るのは国の基本だからな。二度と民が飢え無いように、しっかりと我々王族も学ぼうというのが今回の趣旨だから。王族は特にやってもらわないと」

いつものいい加減なジャンヌに似合わない正論を堂々と言われてアメリアもその趣旨には賛同出来た。

でも、賛成するのとつまり、理性がやらないといけないと思うのと嫌だと感情が拒否するのは別ものだった。



「アメリア、そんな事でテレーゼが飢えたらどうするんだ」

中々入って来ないアメリアにしびれを切らしたのかジャンヌは言う。

「貴族の女の子にはなかなか難しかったかな」

オーウェンが言う。

「何言ってるんだよ。生きるか死ぬかだぞ。食い物なかったら飢饉になるんだから王族ほどそれを思い知らないと」

ジャンヌが言う。ジャンヌには余程お粥三昧が堪えたみたいだった。

「アメリアは食事が3食お粥がどういうことか判っていないんだよ。特にボフミエの北部は3食お粥も無くて木の実とかも食べていたそうだよな。アデリナ」

「はい。木の実が取れない時はもう死ぬのかなと思いました」

そのあまりに実感のこもった言葉にアメリアは絶句した。

「飢え死にすることに比べたらこんな泥水何でもないよな。アデリナ」

「元々私の家も稲を育てていましたから別に田んぼの中に入るのは問題ないです」

アデリナが頷く。


それでもアメリアは躊躇する


「もう仕方が無いな。クリスも来いよ。それとオーウェンとアレクと5人で植えようぜ」

ジャンヌが言う。

「ボフミエの筆頭魔導師にテレーゼの王女、マーマレードの王女、それにドラフォードとノルディンの2大国の王子が揃って田植えするって絵になるよね」

「ジャンヌお姉さま。私は平民のクリスなんです」

クリスが文句を言うが。

「何言ってるんだよ。もうほとんどバレているだろ。なあオーウェン」

「そうそう、素直にあきらめよう」

オーウェンも頷く。


「じゃあアルバートきれいな画像を取ってくれ。

田植えをする皇太子たちみたいな」

「じゃあ私はいりませんよね」

クリスがあくまでも逃げようとする。

「ボフミエ国の筆頭魔導師が何言っているの。はい、眼鏡も取って金髪に戻して」

ジャンヌはクリスの眼鏡を取ると魔法で髪の毛の色も戻す。

クラスのみんなは唖然とした。

そこには金髪端麗で美しい令嬢が現れたのだ。

「ちょっとジャンヌお姉さま」

クリスが抗議したが遅かった。


いつもクリスに突っかかるデニスが呆然としてクリスに見とれていいた。

「ブス眼鏡が女神になった…・」


「さあ、アメリア、クリスも入ったんだからお前もさっさと入りな」

強引に田の中に引っ張り込む。

「ちょっとジャンヌ」

アメリアが抗議した時にはもう遅かった。

「アメリア様。形だけでも」

アルバートが魔導電話をかざして言う。

動画として保存されるのだ。

仲良く田植えする大国皇太子たちという事で十分にニュース価値はあった。

「ようし、端まで競争するぞ。」

ジャンヌが言う。

5人は稲を持って並んだ。

「バルドゥル。合図してくれ」

オーウェンが言う。

「では皆様方。始めてください」


「えっ、嘘」

アメリアは慌てた。

他の4人は3株ずつ苗を植え始める。

アメリアも見様見真似で植え始める。

最初はなかなかうまくいかないが、何回かやるうちに慣れだす。

うまくいきだした時に、足に違和感を感じた。

何かが…

脚を持ち上げるとヒルがアメリアのきれいな脚に吸い付いていた。


「ギャアアアア」

アメリアは絶叫を上げると気を失って倒れ込んだ…

貴族の女の子にとって拷問にも等しい授業でした

ジャンヌとクリスは別格です


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ