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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

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テレーゼ王女はクリスに丸め込まれて魔導学園長になりました

「ジャンヌお姉さま。お疲れさまでした」

仮王宮でクリスがジャンヌらを出迎えた。

「海軍の具合はどうですか」

「海賊共も慣れて来たみたいだ。あいつらがしっかりすればマーマレードからの食糧供給も問題なくなる」

ジャンヌが言った。

マーマレードからの食糧輸送で海賊は一掃したはずだが、いつまた次の海賊が現れるか判らない。

それを警戒するためにも海軍の整備は急務で、兵士と海賊から足を洗わせた元海賊を使って急遽海軍を編成しつつあった。

ジャンヌはその司令官として監督していたのだ。


「あれ、アメリアじゃないか。なんでここにいるんだ」

ジャンヌは目敏くアメリア王女を見つけて聞いた。

「テレーゼから金貨500万枚の援助のお話を頂いたんです」

「えっ500万枚も。あのけちのテレーゼが」

クリスの言葉に驚いてジャンヌが言った。

「ケチとは何よケチとは。確かにお母様は倹約家だけれど、困った人には手を差し出すわよ」

「怪しい。何か裏があるだろう」

ジャンヌが不審そうに言う。

「何も裏は…」

「スカイバードをテレーゼにも持ってきて欲しいんだと」

アメリアの後ろからオーウェンが言う。

「やっぱりね」

ジャンヌは納得する。

「500万枚だからいいでしょ」

アメリアが怒って言う。


「でも、あの死にそうなののどこが良いんだ。転移ならあっという間なのに」

「それは転移が出来る奴が言う事だ」

怒り気味にオーウェンが言う。

転移できないオーウェンはいつも悔しい思いをしていた。

人間ミサイルで死にそうな目に会ったが、今回クリスと一緒に初めて衝撃吸収装置付きスカイバードに乗って全然問題無い事が判って感激したのだ。

これが実用化されればクリスに置いて行かれなくて済むと。


「衝撃吸収装置は素晴らしいですわ。本当にショックは無いのですね」

衝撃吸収装置のありと無し両方体験したアメリアはしみじみ言った。

「そんなにすごいのか」

「ほとんど気付かないうちにあっという間に空の上だったわよ」

自慢気にアメリアは言う。

「ふーん」

興味なさげにジャンヌは言う。


「私もボフミエの危機を何とか手助けしたくてお母様に言ったのよ。

それに、お金だけで無くて、人材も不足しているのよね。

もしどうしてもとお願いされたら長官の1つもやってあげましても良いですわよ」

ふんぞり返ってアメリアが言う。

「却下」

ジャンヌが一言でいう。

「何その一瞬で却下するなんてどういうことですの」

「だってアメリアはわがままだし」

「暴風王女のあなたに言われたくありませんわ」

「戦闘には十分役に立っているんだよ。お前がいると和が乱れる」

ジャンヌが言い切った。何時も和を先頭切って乱す張本人のジャンヌが何を言うんだと白い目でみんな見る。特にいつも厄介事を丸投げされるクリフィズはジト目で睨んでいた。

「クリフィズ。何か」

「いえ、まさか姫様から和を尊ぶという言葉が出るとは思いませんでしたので」

思わずクリフィズは本音が出る。

「何か言ったか」

ジャンヌが睨みつける。


「ほら見なさいよ。あなたよりはましよ」

どっちもどっちだとオーウェンは思ったが、

「そもそも、空いている席が無いぞ。財務卿は無理だろ」

「だってアイス買うのに金貨10枚出す奴だからな」

「それは子供の時の事でしょ」

オーウェンとジャンヌの言葉にアメリアは反論する。

「殿下は金勘定は無理でしょう」

今まで黙っていたサイラスが言う。

自国の人間にまで言われてはそれ以上は言えず、

「内務卿とか」

「内務はオーウェンがやっているだろ」

「事務作業や物事を順序だてて規則的にやるのにオーウェン以上の適任者はいないぞ」

ぼそっと言った言葉にあっという間に周りに反論される。

物事をきっちりとやって行くのにオーウェン以上の適任者はいなかった。

「まあ俺の下なら使ってやってもいいが…」

「誰が陰険腹黒王子の下なんかつくものですか」

オーウェンの上から目線にあっさり反論する。

「テレーゼのわがまま王女に言われたくないな」

「何ですって」

二人は睨みつける。


「まあまあ、お二人とも」

クリスがなだめる。

ここでアメリアにへそを曲げられると金貨500万枚が消えかねない。


「アメリア様の素晴らしいお人柄にふさわしい椅子をご用意できますわ。

資金が揃えばやりたいことがあったんです。

新しい事ですが、今後のボフミエの未来を形作る素晴らしいお仕事なんです」

「それはどんな事なの」

「やはり今後世界で伸びていくには、識字率をはじめ子供たちをいかに優秀な人材に育てていくかが大切なんです。その責任者にぜひともアメリア様はなっていただきたいんです」

「その責任者に?」

嬉しそうにアメリアは頷いた。


「そうです。未来のボフミエはアメリア様にかかっているんです」

「仕方が無いわね。クリスがそこまでお願いするならなってあげるわ」

「ありがとうございます」

クリスはお礼を言う。

「ボフミエの教育のトップはボフミエ魔導学園を考えております。

各地から優秀な生徒を集めて教育するように既に準備は整っています。

アメリア様にはそのボフミエ教育界のトップ。ボフミエ学園長をやって頂きます」

クリスは言い切った。


皆は微妙な顔をする。

教育省か何かを作ってそのトップに付かせるとか言うのかと思いきや学園長とは。


「学園長なの…」

少し不満そうにアメリアが言う。

「何をおっしゃっていらっしゃるんですか。ボフミエは魔導士の国。当然ボフミエの魔導学園は魔導師にとっては世界のトップの学園です。

初代学園長アメリア様の名前を取ってボフミエ・アメリア魔導学園の学園長です。

アメリア様の名前が魔導史の歴史に燦然と輝くんです」


「アメリア魔導学園…」

アメリアにとって母国にも名前を冠した物など何も無かった。

それに確かにボフミエは魔導の国、その学園のトップならば世界魔導学のトップの学校になるかもしれない。

その学園に自分の名前が冠するという事は歓迎すべき事だ。

オーウェンの下でこき使われるのは嫌だし、うまくいけば世界の教育史に名前が残るかもしれない。


「判ったわ。そこまで言うならやってあげる」

皆は唖然とアメリアとクリスを見ていた。

そして思ったのだ。クリスの口車には乗らないように気を付けようと。

何でもないことをものすごい事のように言われて喜んでいるうちに戦場に一人で放り込まれかねないと。


クリスの人たらしの才能は世界一?

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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