表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

167/480

大国皇太子は剣を持ったウィルに追い掛け回されました


翌朝、ベッドの中で目覚めたクリスはその横で椅子に座って突っ伏して寝ているオーウェンを見て目を見開いた。


「えっ」

なんでクリスのベッドの横でオーウェンがいるのだろうか。

そして昨日の事が思い起こされた。

オーウェンの胸で泣いて、そのまま泣きつかれて寝入ってしまったのだ。


「お目覚めですか」

そこへミアが温かい目をして入ってきた。

「ついにクリス様もオーウェン様と結ばれたんですね」

「えっ、違う。ミア誤解よ」

慌ててクリスが真っ赤になって否定する。


「殿方と一緒の部屋で一晩過ごされるなんて」

感激した面持ちでミアが言う。

「あっクリスおはよう」

もそもそとオーウェンが目を覚ました。

「お二人で素敵な一夜を過ごされたんですね」

ミアがからかう。

「そんな訳無いでしょ。これはショックを受けた私をオーウェン様が慰めてくれただけで」

「そうだ。クリスの寝顔を見ていたらそのまま寝てしまっただけで」

二人が必死に言い訳する。

「はいはい、そう言う事にしておいてあげます。

はい。オーウェン様は外に出てください。姫様は朝の準備がありますので」

ミアはオーウェンを外に追い出した。


オーウェンはミアの言葉に頷けばよかったと少し後悔していた。

一夜を共にしたとなればもう自動的に婚姻するしかなくなるからだ。

今までのクリスのガードが全て無くなり、クリスも拒否できなくなる。

しまった。失敗した。

と思ったオーウェンはしかし、その事は別の危機を手繰り寄せる事に気づいていなかった。


オーウェンは部屋を出たところで殺気を感じて避ける。

目の前にナイフが突き刺ささっていた。


「オーウェン。姉様に何をした」

そこには真っ赤な目をしたウィルが立っていた。

「いや、待て、ウィル。まだ何もしていない」

「はんっ姉様と一夜同じ部屋にいただけで万死に値する」

ウィルは剣で切り付けていた。

それをオーウェンはかわす。

ウィルはシスコンだった。そのウィルが部屋の外で寝ずの番をしていた事をオーウェンは忘れていた。

「ちょっとウィル」

「問答無用。死ねエエエ」

逃げるオーウェンを血走った眼をしたウイルが追いかけて行った。




4大商会のGAFAがクリスを暗殺しようとして逆に返り討ちに会った事は瞬く間に世界に伝わった。

クリスに親しみを持っているマーマレードやドラフォードでは天罰が下ったと言われ、

クリスに好印象を持っていない国では悪徳魔女の攻撃で殺されたとなった。


テレーゼに本店を構えていたバロン・アントも黒焦げの死体で見つかった。


雷撃の一撃は巨大な邸宅を瞬く間に灰燼と化していた。

「しかし、これはすごいな」

テレーゼの皇太子アメリア・テレーゼはその焼け跡を見て呆然とした。

ボフミエの地からここまでは3千キロは離れている。

ここだけでは無くてGAFAの4拠点を悉く灰燼と化したとのことだった。

アメリアはその力に空恐ろしいものを感じていた。

「さすがに魔力の強いヨークシャーの血筋か」

「御意」

となりにいた護衛隊長が頷く。

「付近に被害は無かったのか」

「アントの邸宅のみをピンポイントで攻撃しています。その能力は計り切れないかと」

「あのおとなしそうなクリスがな」

アメリアは昔遊んだことのあるクリスを思い出していた。

元々クリスの母親は魔術が強いとされるテレーゼのヨークシャー公爵の娘であり、

マーマレードの王妃もテレーゼの王女で、アメリアとジャンヌはいとこに当たっていた。

たまたま、遊びに行ったマーマレードでクリスらと遊んだこともあるのだ。

その時のクリスは小さくてエドワードにいじめられていて泣いていたのをオーウェンに慰められていたのを覚えていた。

そのクリスがこんなことをしでかすなど到底信じられなかった。


宮殿に帰るとバロンの息子のドロンが拝謁に来ていた。

面倒なのが来たと思いつつ、止む終えず面談に向かう。


「待たせたな。ドロン」

アメリアは颯爽と入って行った。

「殿下。殿下の僕が敵国の魔術の攻撃を受けました。

何卒殿下のお力で何とかして頂きたく、平にお願いする次第であります」

ドロンは頭を下げた。

そのドロンを白い目でアメリアは見る。


「ドロン、巷では今回の事は何と言われているか知っておるか」

呆れてアメリアは聞いた。

「悪徳魔女によって善良な商人が殺されたと」



「愚か者。それを言っているのは貴様等だけだろうが」

アメリアは一喝した。


「巷ではな、聖女クリスを殺そうとした悪徳商人らに天罰が下ったとな」

「そんな。殿下の僕であるまっとうな商人が殺されたのですぞ」

ドロンは顔を上げた。

「ふざけるな。前皇帝の悪政で飢饉が起こりそうなボフミエ国に更にあくどい商売を持ちかけて神の怒りを買っただけだろうが」

アメリアは叫んでいた。

「今回のボフミエ筆頭魔導師暗殺事件の逮捕依頼がボフミエ国からも来ておるわ。

貴様らGAFAはボフミエの民が飢えてどうしようもない時に攫って奴隷として酷使していたそうではないか。

それを救おうとしたクリスを殺そうとして逆襲されただけだろうが。

悪事の片棒をこの私に担げと言うのか」

アメリアは立ち上がった。

「直ちにアントの関係者をすべて捕縛、悪事の全てを詳らかにせよ」


この世の春を謳歌しておごり高ぶっていた4大商会GAFAはこのクリスの攻撃を機に壊滅していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ