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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

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クリスと大国皇太子はGAFAとの交渉に失敗しました

ここまで、食料手配にはあまり成功しません。

クリスもオーウェンも、暴風王女も赤い死神も

世間の風は冷たく、おままごと政権は危機に。

ボフミエの地は餓死者で溢れかえるのか

明日の20時からクリスらの反撃が始まります。

結局当初の目論見ではノルディン、マーマレード、ドラフォードで2.5万トン手に入るはずが、1.7万トンしか手に入らなかった。次の穀物が収穫される9月までに、民が飢えないためには7万トンが必要だった。残り5.3万トン。

どうしても手に入れないといけなかった。

何としてでも、GAFAが押さえている4万トンの米は手に入れたい。

クリスはオーウェンとGAFAとの交渉に当たることにした。


真っ先に呼んだのはドラフォード出身のアマダだ。

ドラフォードの皇太后が先代と親しかったらしく、オーウェンも現会長とは面識があった。

まだ、アマダならば何とかなるはずだ。

オーウェンはそう考えて真っ先に呼んだのだった。

アマダが頷けば他の3商店も頷いてくれるに違いないと。


ボフミエ地区の統括責任者としてブライカーと言うひと癖もふた癖もありそうな男がやってきた。


「これはこれは筆頭魔導師様と内務卿自ら対応いただけるとは光栄の極みですな」

ブライカーは商人らしく頭を下げながら言った。

「お金のご返済の算段が出来ましたので?」

しらじらしく聞いてくる。

「ブライカー殿。実は折り入って相談があるのだが」

オーウェンが言いにくそうに言う。

「何でございましょう。内務卿のお願いは出来る限りお伺いするように現会長からは申し付かっております」

ブライカーは下手に出た。

オーウェンはホッとした。

「そうかそれはありがたい。出来れば担保にしている米1万トンをとりあえず、返して頂きたいのだが」

「それは金貨25万枚のご返済の算段が付きましたので?」

また、ブライカーが尋ねる。


「そこはまだ、なかなか難しいのだ。何しろ国も出来たばかり、本来ならば前帝国の借財。我々は返す必要は無いというものもいるのでな」

思わず、オーウェンが漏らしてしまう。

「ドラフォード様。そう言う事があっては困るのでお金を貸す時に担保を取らしてもらったのですが」

「だから、お金の返済をしないとは言っていない。少し猶予してほしい」

「それでは担保をお返しするわけにはいきませんな」

取りつく島もなくブライカーは言った。


「このままでは民が飢えてしまう。大商店となられたアマダとしても民を飢えさすのは本望では無かろう」

「確かにそれはその通りです。しかし、そこは内務卿様が何とかされる領域では。

私どもはボランティアでやっているわけではないのです。そんな事をすれば今度は我々が飢えてしまいます」


「半年間。米を貸してはくれまいか。半年後には必ず返す」

「しかし、25万枚。返す当てはありますまい。そこで踏み倒されては我々共も商売が上がったりでして」

「そこを何とかなりませんか」

クリスが頭を下げる。

「しかし、担保はどうされます。帝都の土地でも担保に入れられますか」

「さすがにそれは難しいですね」

「ならばクリス様ご自身を担保に入れられますか」

笑ってブライカーは言った。

「ブライカー。何を言う」

オーウェンは切れて立ち上がった。

こいつ未来のドラフォードの妃になんという不敬を働くのだ。

「6万トン貸して頂けるなら私自身が担保になりましょう」

「何を言うクリス。そんなことが許される訳ないだろう」

慌ててオーウェンがクリスの肩を掴んでいった。

「オーウェン様。民が飢えるのが防げるなら私が担保になるくらいなんでもありません」

「はああ、そんなの絶対に許さない」

オーウェンは切れていた。

「お二方とも何をおっしゃっていらっしゃるのですか。冗談ですよ。

それにクリス様には米1万トンの価値もございますまい」

笑ってブライカーは言った。

「貴様!」

思わず剣の柄に手をかけたオーウェンを必死にクリスは止めた。

後ろに控えていたアルバートとメイも思わず柄に手をかけていたのは言うまでも無かったが。



ほうほうの体で帰って行ったブライカーだったが、オーウェンは二度とアマダは使うものかと心に決めたのだったが。

残りのグルップル、ファス2商店も同じようなものだった。

米を買い取る場合は1万トンあたり25万枚の金貨がいるとみんな言っていた。

「25万枚だと。ふざけたこと言いやがって普通は高くても金貨10万枚だ。

担保と同じ値段にしやがって許せない」

オーウェンはいきり立っていた。


最後のアントは会長のバロン・アント自らが足を運んできた。

「これはこれはアント会長自らこのような弱小国にお足をお運び頂けるとは」

嫌味たっぷりにオーウェンは迎え入れる。

「何をおっしゃいます。ドラフォードの皇太子殿下とミハイル筆頭魔導師様にお会いできる聞いて喜んで参った次第でして」

「ふんっ。どのみち青二才のお手並み拝見とバカにしに来たの間違いではないのか」

もう飾るのはやめてオーウェンは素で話していた。


「相当、他の店にいじめられたみたいですな」

笑ってアントは言った。

そのアントをオーウェンは白い目で見る。

「アント様も1万トンは貸して頂けませんか」

クリスがオーウェンを見て聞いた。

どのみち断られるなら早い方が良いだろう。

そうあきらめに似た気持ちで聞くと

「いえ、そこまで言われたら我々にも矜持があります」

アントが言った。

「お貸し下さるのですか」

クリスが食いつく。

「そうですな。1万トンと言わず、6万トン何とかお貸しいたしましょう」

「ありがとうございます」

思わずクリスは礼を言っていた。

しかし、オーウェンは胡散臭そうにアントを見ていた。

「で代わりに何を求める」

冷ややかにオーウェンが言う。

「クリス様を担保に」

「私は喜んで」

「許さん」

オーウェンがクリスの言葉をぶった切った。

「オーウェン様。6万トンあれば食糧問題が片付きます」

「クリス。そんな事俺が許せるわけないだろう」

オーウェンが言い切る。


「まあ今すぐには無理でしょう。じっくりとお考え下さい」

不気味な笑いをしてアントは帰って行った。


そのアントに対してオーウェンは必ず滅ぼしてやると心に誓った。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

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私のお話

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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