表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/480

アデリナは奴隷の方が食べていける事に気づきました

久しぶりに連続更新です。

そろそろプロットが立ちました。

ここからは怒涛のGAFA対クリスの戦争がはじまります。

アデリナは心の中では絶望していた。

馬車に揺られて2日がたっており、馬車は帝都に向かっているようだった。

このまま売られて娼婦として一生すごさなければならないかもしれない。あるいはどこかの国の貴族の妾として買われるかもしれない。蛮族の首長に売られるかもしれない。

不安しか無かった。

でも食料事情だけは良くなった。3食きちんと与えられるのだ。ここ5年間こんな量の食事を与えられたことは無かった。

ご飯も粒粒の普通のお米で水っぽいお粥ではないし、おかずも3品はつく。お肉もついた。

奴隷には勿体なかった。

「うん。本当に美味しい。こんな美味しいご飯久しぶり」

姿はもう一つパットしない女がご飯を食べながら言った。

女は奴隷に売られて悲しんでいる女たちを尻目にムシャムシャ食べている。

「あなた何メソメソ泣いてるの?」

少し背の高い女が泣いている少女に聞いた。

「母さんに会いたい」

少女が言う。

「あなた幾つ?」

女が聞く。

「15」

「15になって何が母さんよ。我が家は私が売られて餓死から救われた。

私もこんなにご飯食べたの久しぶりよ。あのままいってたら皆死んでいたわ。」

女が言う。

「でも、娼婦にされるのは厭」

女が泣き叫ぶ。

「まあどうなるかは判らないけど。なるようにしかならないわよ。うまくいけばいい人に買われるかもよ」

女は能天気に言う。

「あのままにしていたら弟たちも餓死していたもの。私一人が犠牲になればいいだけじゃない。

それに少なくともご飯はよいわよ。飢え死にする心配はないわ」

女は能天気だった。

「それにこの国は聖女様が皇帝陛下になられたのだもの。

必ず私たちを助けてくれるわ」

女はそう言うが、皇帝が聖女様に代わっても何も良いことは無かった。

ご飯が食べられるようになったわけでも、父が帰って来たわけでもなかった。

逆に母が売られ、私までもが売られるようになったのだ。

聖女様は余りにも上の世界にいらっしゃって庶民の事など知りもしないのだとアデリナは思った。



「金貨25万枚の借金がある?」

財務大臣の報告の前にオーウェンが叫んでいた。


「はいっ。皇帝陛下がアマダから借金されまして」

ボフミア全人口100万人が約1.6ヶ月食べていける金額だ。


「それも月に1割の利息ってどこの高利貸しだ。」

オーウェンはうなる。

「すいません。もう担保も無くて、その利息でしか貸してくれないと」

財務卿のメルヒオールが言う。


「前ボフミア帝国の負の遺産だ。ここは踏み倒しても良いのでは」

アレクが言う。

「しかし、相手はGAFAの一角ですぞ。後で何をしてくるか判ったものでは無いですぞ」

グリンゲン宮内卿が言う。



「そのお金は何に使ったのですか」

クリスが聞く。


「戦争準備にいろいろと」

「そのいろいろの中身は」

オーウェンが畳みかける。

「私は金を借りただけで何に使ったかは皇帝陛下に聞いてみないと」

メルヒオールが言う。


「メルヒオール様は現在の財務内容の精査を。次の閣議を明後日に開きます。

それまでに出してください」

「明後日ですか?」

驚いて言う。

「25万枚など大金です。そんな借金があるなんて他にも何かないか非常に気になります」

クリスが言い切る。

「概算でいいので出してください」

「オーウェン様はそのお金が何に使われたか、調べられる限りでいいので調べて頂けますか。

それ以外に何かあれば早急に」

「判りました」

「アレクサンドル様は今回踏み倒した場合のメリットとデメリットをご報告ください」

「判りました」

アレクも頷く。


「ジャンヌお姉さまは一刻も早く国の治安維持を。少なくとも王都の見回り等宜しくお願いします」

「判った」

ジャンヌが頷く。

「ジャスティン様はジャンヌお姉さまの手助けをお願いします。

それとグリフィズ様と共に治安要員の確保と訓練を」

「了解しました」

ジャスティンとマーマレードのジャンヌの元同僚で今は部下のグリフィズが頷く。

クリスは優秀な知り合いを伝とお願いで手に入れていた。

そして、その下には有望そうなボフミアの若手をつけていた。

あと10年もすれば素晴らしい国の組織になるとは思えたが、今この危機を乗り越えられるかどうか不安な一面もあった。


クリスは不安な予感しかしなかった。

何かもっと隠されているような気がする。

その不安が閣議の終了の後にジャルカを訪ねさせる。


「これはこれはクリス様。お呼びいただければそちらに参りますのに」

ジャルカがのんびりと言った。

「ジャルカ様。お手数ですが、この国がどうなっているかもっと詳しくお調べいただくわけにはいかないでしょうか」

「このおいぼれにそれを望まれますか」

「本来ならば私たちがもっとしっかりしていればいいのですが、

財務卿はまだ何か大切な事を隠しているような気がしますし、膿は出来る限り早く出し切った方が良いと思います。何かとんでもない事が隠されているような気がして。

なんとかお力をお借り出来ないかと」

クリスは頼み込んだ。


「まあ、クリス様をこの位置につけた責任の一旦は私にもあるかもしれませんからの。

少しは老体に鞭打って働いてみます」

ジャルカは笑って言った。

「何卒宜しくお願いいたします」

クリスは頭を下げた。

「そう、その謙虚さです。クリス様が素晴らしいのは」

「謙虚などと、自らの力が無いからです」

「いやいやどこぞの馬鹿皇太子はふんぞり返っていればよいと考えているものもいますからな。

私の忠告など全く聞かない者もいますし…」



「ハクシュン」

ジャンヌは盛大なくしゃみをした。

見回りにザンらと出た途端にこれだ。


「どうしました?夏風邪ですか」

「ザン、今は冬よ」

冷静なライラが突っ込む。

「言っても俺らから言うと夏だぜ。この気温は」

ザンが言う。

「そうかと言うと夜は冷えるしな。姫様も布団を蹴飛ばしして寝ていて風邪ひいたのでは」

横からヨハンが言う。

「そんなガキみたいなことしない。絶対にどこかの誰かがろくでもない噂をしているに違いない」

ジャンヌが言い切った。

噂をすると言えばジャルカかジャルカかジャルカしかいない。

絶対にお目付け役の爺がクリスに愚痴っているに違いない。

ジャンヌの予感は当たっていた。




「どうでしたかな。財務卿」

電話の向こうでモーリツが聞く。


「言われたように一同慌てふためいておりましたぞ」

笑ってメルヒオールがいう。


「これでGAFAで金貨100万枚の借金があると知ればどうでしょうな」

「しかし、それをきちんと払って頂けますかな」

モーリツが聞く。

普通は踏み倒そうと動く奴もいるはずだ。


「アレク殿下らは踏み倒しそうでしたな」

「ノルディン皇太子殿下ですか」

唇を上にあげてモーリツがいう。


「いつまでもノルディン皇太子殿下のつもりでいてもらっては困りますな

借りた金は払って頂かないと」

笑ってモーリツが言う。

と言ってもアレクはノルディン帝国の皇太子はそのままに今の役職についているのだが。

GAFAにかかればノルディン帝国と言っても恐れの対象では無いようだった。


「メルヒオール様にも渡したお金分は働いてもらわないと」

「判っておる。当然その方らに悪いようには動かないようにする。

しかし、赤い死神らがどのように動くかは確実な事は判らんぞ」

「ある程度はこちらで手は打ってあります。メルヒオール様には借金返済の方向で動いていただいて

後はこちらにお任せください」

「んっ宜しく頼むぞ」

「そちらこそよろしくお願いします」

にやっと笑ってモーリツは電話を切った。


「どうだ、うまくいきそうか」

電話の様子を後ろから見ていたランベルト・アマダはきいた。

「メルヒオールもある程度は動いてくれましょう。

まあうまくいかない時は切り捨てれば済むことですが」

「モーリツは怖いな」

「ランベルト様にはかないませんよ」

二人は笑い合った。


皆々様のおかげでここまで書き進められました。

これも感謝感謝です。

やっと2000ポイントが目前に迫りました。

ブックマーク評価宜しくお願いいたします。

ううん、ねだるより面白い話を書け!

毎日ちゃんと更新しろ!

おっしゃることごもっともです。

頑張ります。

でも応援もお願いします!!!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ