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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

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アデリナは友達の家族に奴隷として売られてしまいました

すいません。いろいろ推敲を重ねて遅くなりました。

ここからおままごと王朝はどのように対処していくか。

国民が全てGAFAの奴隷と化してしまうのか。

暴風王女の我慢はどこまで続くのか?

赤い死神は?

シャラザールは?

乞うご期待!!


帝都ナッツァと同じような澄んだ青空は他の町々でも見られた。

帝都の青空はクリス達にこの先の希望を与えていたが、ミマスの青空は少女アデリナには絶望を与えていた。

手枷足枷されたアデリナらは馬車に乗せられて運搬されていた。


3日前、アデリナは自分の家の横に座り込んでいた。

お腹が空いていた。

心の中は絶望のあらしが吹いていた。


5年前まではまだ普通に食べ物は手に入った。

しかし、5年前くらいから人刈りによって働き手が減って、穀物の収穫量が減りだした。

父も王宮へ捕られてそれ以来帰って来なかった。

2日に一度は食べられたお米は1週間に一度になり、増税によってさらに少なくなった。

年に一度の収穫からしばらくすると食糧が不足しだし、子供たちも山や森に木の実や狩りに行った。

多くの人がそうするようになって山や森に食べられるものはどんどん減っていった。


先日聖女様が悪い皇帝を退治してくれたそうだが、それでも父は帰って来なかった。

そして10日前に森に木の実を探しに行ったアデリナが暗くなってから少しの木の実を取って帰って来たら母がいなくなっていた。

必死に探したが見つからず、周りの人に聞くと人攫いに攫われてしまったのではないかと言われた。

それ以来母の帰りを待つが、手掛かりは家の待ちに落ちていた母の櫛だけだった。

村の世話役に話に行っても、どこでもそんな話は多いと相手にもしてもらえなかった。

元々アデリナの一家はよそ者で魔術も使えずに、この村でも白い目で見られていた。

友達も自分らで生きていくだけで精いっぱいだった。


そのアデリナに隣のケビンの母親が家に来ないかとよんでくれた。


「さ、お食べ」

ケビンの母親は久しぶりにかゆをくれた。

「ありがとう」

アデリナは久しぶりに他人から与えられる親切にうれしくて涙が出た。

「辛かったんだね。母親がいなくなって」

ケビンの母がアデリナのかみを撫でてくれた。

アデリナはその胸の中で嗚咽した。

久々にアデリナの心が温かくなった。


気付いたらアデリナはケビンの母の胸の中で寝ていた。


アデリナはケビンの大声で目が覚めた。

「アデリナを売るってどういう事だ」

「でかい声を出すんじゃないよ。アデリナの母も金貨10枚になったんだ。アデリナも同じくらいになるだろう」

「人買いに売るなんて人間のやることか」

「何言っているんだい。生きていくためには仕方が無いんだよ。金さえ入れば食料も融通してくれるって言うんだから」


アデリナは母がとなりの友達の親に奴隷として売られたことを知った。

おばさんのやさしさも、アデリナを人買いに売るためだったんだ。


アデリナは皆が寝静まった時に逃げようとした。

しかし、気付かれて捕まってしまったのだった。


友人だと思っていたケビンはアデリナが目を向けると目を逸らしてくれた。


馬車にゴトゴトと揺られてアデリナは人生に絶望していた。

これから人身奴隷として他国に売られるのだろうか。

若い女が奴隷として売られる先など、娼館か嫁の貰い手の無い他国の寡だろう。

父は宮殿で殺され、母も奴隷として売られた。

そして今度は自分だ。貧しくて、お腹が空いたことも多々あった。

父親がいなくなって、母と二人きりだったが、食料が乏しくともまだ生きていけた。

そして、母がいなくなって今自分も売られた。

友達だと思っていた男の家族によって。

もう絶望しか残っていなかった。





「予算がないだと!」

内務卿になったオーウェンは復興予算の掛け合いに財務卿のメルヒオール・バウナを訪ねていた。


「前皇帝陛下が王宮の地下の太古の遺跡の発掘に多大なお金を使われましたからな」

メルヒオールは太った体を揺らして言った。

「ほとんどが徴用した人々をタダで使っていたのではないのか」

オーウェンが言う。


「人件費はかかっておりませんが、食費はかかります。

それ以外に魔人の育成には高価な魔石が大量に必要になりましてな。あと武器の購入費用もかかっておりまして」

「世界征服とか言うふざけた理由でか。卿は何も諫めなかったのか」

「諫めなかったから命が続いていたわけで」


オーウェンは頭を抱えた。この無能な官僚共が皇帝の暴虐を許していたのだ。

「何という国なのだ」

オーウェンが宣う。

「オーウェン。父の暴虐をメルヒオールでは止められなかっただろう」

その皇帝の息子で暴虐を止められなかったというか恐れていたヘルマンがかばう。

「私たちも同罪ですが」

ヘルマンの取り巻きだったシュテファン・キッツィンゲン子爵令息も言い訳する。

彼らは人材不足の折、人脈もあるという事でマーマレードから帰国させたのだ。

今はオーウェン付の事務官僚として働いていた。

王族の多くは収監されたのだが、ヘルマンはクリスの友人という事で許されていた。

「まあいい。金が無くても人力で何とかやって行こう」

オーウェンは二人に言った。

しかし、金が無くてはどうしようもない事にオーウェンが気付くのはもう少し先だった。



ドラフォードでも空は青かった。

ランベルト・アマダは広大な庭を見やりながら庭園で午後のお茶を楽しんでいた。

世界を影で牛耳るGAFAと呼ばれる四大商店の一つアマダ商店の会長だった。父は一代でこの商店をGAFAと並び称される大商店に築き上げた。ランベルトはそれを更に大きくしようと色々画策していた。

「ボフミエの小娘からはまだ何も言ってこないのか?」

補佐をしているモーリツに訊ねる。

「何も」

「さすがおままごと王朝だな。自らの国の危機が判らないのか?」

「まあクリス様らもお若いですから。海千山千の旦那様方に対してはお相手も出来ますまい」

笑ってモーリツが言った。

「それでは面白くも無いか。メルヒオールに借金の催促を送ってくれ」

ランベルトはモーリツに指示を出した。

「さて、おままごと王朝は果たしてこの危機をきちんと乗り越えられるかな」

そう言うとランベルトはニヤリと笑った。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

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『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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