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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第六章 クリス ボフミエ皇帝?になる

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ボフミエおままごと政権誕生

父国王のベン・ドーブネルやミューラーら東方第一師団への怒りの火の粉も諸にかぶった集中砲火から解放されたのは、たっぷり小一時間がたっていた。


最後の方は逆切れしていた。

「陛下。私には東方第一師団に対しての命令権はございません。

進撃中止を望まれたならそうさせられなかった陛下の責任では無いですか」

と言って電話を叩き切っていた。

それをミューラーは耳を押えてみていた。

「殿下。そこまで言われることは無いのでは…」

「何言っているんだ。元々お前らの師団が暴走したのが原因だろう」

まだ切れているオーウェンはミューラーにもあたる。

「そもそも殿下が命懸けでクリス様を追いかけられたのを聞いて、ベンらが皇太子に負けるなと

暴走したのが原因なんですが…」

「えっ、そうなのか。ベンらが私の事をそこまで考えてくれているのか」

がらりと喜んでオーウェンは言う。

「そうです。その点も踏まえて国王陛下には適当にフォローしておいて頂けるとありがたいのですが」

ミューラーはベンらが暴走したのは皇太子の事を心配したのでは無くてクリスを助けるためだったと思いながらも、同じような事だからと多少の良心の呵責を感じながら言う。


「判った。任しておけ。父上が愚図愚図言っても今回の事は恩にきる。一生忘れない」

未来の国王であるオーウェンは言い切った。



オーウェンはその後執務室に案内されたが、クリスは席を外しており、代わりにジャンヌとアレクがいた。


「また、お前らの嫌がらせか」

オーウェンは何とか会えた目の前のアレクとジャンヌにくってかかる。


「今回は俺らはなんもしていないぞ」

「そうそう、文句はボフミエの建国3魔導師に言ってくれ」

アレクとジャンヌが言う。


「何なんだ。ボフミエの建国魔導師って。1000年も前の魔導士が生きているわけないだろう」

オーウェンがもっともな事を言う。


「うーん、私もよく判らないんだが、ジャルカが言うには古代の魔法の一種だそうだぞ」

「なんか、ボフミエは元々魔導師の国で一番強力な魔導師が筆頭魔導師として国を引っ張って来たらしい。

その選抜システムが古代魔法の一種らしいぞ」

「でも今までは皇帝の世襲制だったじゃないか?」

「ゲーリングの一族がその筆頭魔導師の時にシステムを乗っ取って自分らに都合の良いようにしたらしい。

ジャルカが魔法の塔を壊した時にその封印が解けたんだと」

アレクが説明する。


「しかし、クリスは魔法はほとんど使えないんだぞ。それが筆頭魔導師っておかしいんじゃないか」

「何言っている。持っている魔力の強さはおそらく世界一だぞ。

一瞬でシャラザール山を吹き飛ばすほどだからな」

オーウェンの愚痴にアレクが反論する。


確かにシャラザール山の跡地はこの目で見た。

あんなにかわいいクリスがそんなことが出来るなんて想像も出来なかったが、これは事実らしい。

それにこのボフミエ帝国を恐怖で支配した皇帝を一発で張り倒して生きるしかばねにした件は早くも伝説と化していた。もっともこれは怒りに任せたシャラザールの鉄拳がさく裂しただけでクリスがやったわけでは無かったが。


「で、あのむかつく騎士は何だ。ジャスティンとか言う」

机を思いっきりオーウェンは叩いた。

アルバートも慇懃無礼だが、あのジャスティンとか言ういけ好かない野郎は許せなかった。

端麗な容姿、そのりりしい姿形、そして、あの醸し出す雰囲気は悔しい事に本当の騎士だった。


「ジャスティン・ギンズバーグ、元々皇帝筆頭騎士、皇帝のやり方に異を唱えたので永久追放されたが、帝国の追手相手に堂々と反撃してびくともしなかった正義の騎士として有名な奴だ。

奴とやり合ってもおそらく俺らでは勝てない」

アレクが平然と言い切った。

アレクが負けを認めるなんてどれほど強いんだと思わないわけでは無かったが、クリスの隣に立つなら負けを認めるわけにはいかなかった。


「まあ、そのジャスティンがクリスを主と定めたのだ。ボフミエの騎士でそれに文句を言うやつは残っていまい」

「しかし、他の領主共は」

「それを押えるのは俺たちの仕事だろ」

アレクが言う。

「そうそう、なんか楽しくなってきたな」

ジャンヌも喜んで言う。

「お前らは協力するのか」

「えっ、オーウェンはしないのか」

「クリスに振られたのか」

アレクとジャンヌが言う。

「うるさい。振られてはいないぞ」

また婚約者と認めてくれていないだけで…という言葉は言えなかったが…

「当然クリスには協力するぞ。死ぬまでな」

と言い切る。

「しかし、ドラフォードの皇太子がいつまでもこの国にいられるのか」

「それを言うならお前らもだろう」

オーウェンが返す。

「まあ、どのみち国に帰ってもしばらくは皇太子教育だ。

それならここでやっても問題無いだろう」

ジャンヌが喜んで言う。

「そう言う事だ。荒廃した国を一から建て直すなんてなかなかできないぞ」

アレクまで喜んで言う。

「確かに、うちの父もあと10年は元気だからな。

面倒くさい皇太子教育よりもここの方が面白いかもしれないな」

オーウェンまでも乗り気なってきた。


ここに、各国からおままごと政権と馬鹿にされる政権が誕生した。

クリスの意志とは別に。


筆頭魔導師クリスティーナ ミハイル。皇帝と言うか本人曰く雑用係。


内務卿 オーウェン・ドラフォード ドラフォード王国皇太子


外務卿 アレクサンドル・ボロゾドフ ノルディン帝国皇太子

 

ボフミエ魔導師団長 ジャンヌ・マーマレード マーマレード王国皇太子


ジャスティン・ギンズバーグ ボフミエ騎士団筆頭騎士


グリンゲン兵部卿 ボフミエの公爵。おそらく形だけ


ジャルカ最高顧問 魔法の塔再建責任者。皇太子たちの教育係を兼ねる


という顔ぶれであった。


事務処理能力は弱い人間も多く、人も足りなかった。

政治の経験の無さも世界最低の国家だった。

それをしておままごと政権と言われたのだ。


ただし、マーマレードの第一魔導師団のジャンヌ中隊と

東方第一師団の第一大隊がしばらく駐留することになった。

それとジャスティン・ギンズバーグに鍛えられる騎士団と魔導士たちを鑑みると

戦力だけは経験も踏まえておそらく史上最強の再建国となるのは確実だった。

そこを慮る人はまだ少なかったが…。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

明日も頑張ります

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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