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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第五章 ボフミエ皇帝誘拐する

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ボフミエ王宮攻防戦3 ボフミエ帝国魔法の塔崩壊

城門の中では血みどろの戦いが始まっていた。

兵士たちが出てくると所かまわず手当たり次第にアレクとジャンヌは叩っ切っていく。


「姉さん!」

ウィルは姉を求めて魔法の塔に向かおうとする。


「ウイル、取り敢えず地下牢だ。後ろの住民たちを連れて行く」

ジャンヌが叫ぶ。


「しかし、魔導師が少なくないか」

アレクが騎士を弾き飛ばしながら言った。

あまりにも本拠の護衛が弱すぎるのだ。

数も少ない。



「確かに魔導帝国ならもっといておかしくないはずだ」

「おい、魔導師はどうした」

弾き飛ばした騎士の胸倉をつかんで引き上げてアレクが聞く。


「ふんっ貴様らがいくら探ってもここには魔導師も皇帝陛下もおられぬわ」

騎士がカラ元気で答える。


「どこに行った?」

アレクが聞く。


「ふんっ。知らぬわ。たとえ知っていても答えぬ」

アレクはにやりと笑った。

「貴様、目をくりぬかれたいとみえる」

剣を振りかざす。

「ひえええ」

男は慌てた。

脂汗をたらたら垂らす。


「アレク、答えないならさっさと殺せば」

「そうだな、ジャンヌ。あっさり首でも落とすか」

アレクは更に不吉な顔をする。

「アレクって、赤髪のアレクってひょっとして赤い死神…」

男は目を見開いてアレクを見た。

自国のノルディン皇帝でさえ恐れる赤い死神。

その殺した人間の数は100万を下らないと。

男はもう震えを通り越して失禁していた。


「そう、で皇帝はどうしたって」

アレクが尋ねる。


「ど、ど、何処かの娘を追ってみ、南に行ったと」

震えてドモリながら男は言った。


「娘の名前は」

「し、しりません。ほ、本当です」

「ふんっ、では殺そうか」

「ひ、ヒィー――」

男は今にも気絶しそうだった。


「姉様がいないのならばこんなところに用は無いですね」

ウィルはさっそく転移していこうとする。


「ウィル待て。この人たちを何とかしないと」

後ろの住民たちを見てジャンヌが言う。


ウィルは後ろを見て諦めた。

(もし庶民を見捨てたなんて姉様に知られたら絶対に二度と話などしてくれない…)


「おい、こいつらの家族はどこにいる」

アレクが聞く。

「地下の発掘現場に」

「発掘現場?」

アレクが聞き返す。


「古代の遺跡を発掘しているとか」

なんで王宮にそんなのがあるのかは判らなかったが、アレクは男に案内させた。


王宮の地下が洞窟の入り口になっていた。

その前の10名ほどの見張りを一瞬で3人は倒す。

鉄格子もジャンヌの一閃でぶち破られていた。

地下から運び出した土を運んでいた囚人たちはジャルカが杖を一閃すると鎖をつけられた囚人たちの手かせと足かせが取れて自由になる。


「おとう!」

「ケイトや」

見知った顔を見つけた住民たちが駆け寄る。

しかし、奥にはまだまだ捕まったものが働かされていそうだった。



「!」

その時すさまじい魔導反応が遠くに感じられた。

こんなところまで感じるなんてとんでもない力だ。

「今、すさまじい魔力を感じたぞ」

ジャンヌがジャルカに言う。


「さようですな、これくらいの魔力を有する方となるとクリス様しか心当たりはありませんが」

「姉様」

ウイルはすぐにでも転移していきそうだった。


「場所はここから南に300キロばかり下ったところかと」

ジャルカが言う。


「まあ、クリスの事だから問題はないとは思うが」

ジャンヌが言うが、

「姫様。姉様は姫様みたいな暴風王女では無いんです」

ウィルが喰ってかかる。


「何を言う。クリスはシャラザール山を一瞬で弾き飛ばすほどの魔力を持っているのだぞ」

「それと大丈夫かは別問題です」

ジャンヌの返事に即座に反論する。

何しろ姉はジャンヌと違ってかよわいのだ。


「この囚人たちを解放するのに、あと1日はかかるみたいだが」

アレクが言う。


「まあここは私一人がいれば何とでもなりましょう」

ジャルカが言った。


そして、解放した者の中で使えそうなもの達に次々に指示を下していく。

ジャルカは人質に取っていた騎士にもアレクに殺されたくなかったら言うとおりにしろ

と脅して使いだした。


「魔法の塔のある限りここから半径10キロは転移の魔法は使えませんが」

ジャルカが言う。

ボフミエ魔導帝国の象徴の王城、その中心の魔法の塔は長年の魔導の研究の蓄積と

ボフミエ帝国の王城の守備のかなめだった。


「ならばその塔を叩っ切るのみ」

ウィルは言うや地下から駆けだした。


地上に飛び出すや、

「やっ」

と叫んで飛び上がって剣を一閃する。


ガキーン


大きな音がしたが、塔はびくともしなかった。


「まだまだだな」

ジャンヌは笑って言うと今度は自分で飛び上がる。


「喰らえ!」

大声で叫びながら剣を一閃した。


ドカーン

すさまじい音と噴煙が上がる。


しかし、その噴煙の晴れた後にはびくともしていない魔法の塔が聳え立っていた。



「あははは、君たちでは無理かな」

残ったアレクが笑って言うと、魔力を纏って飛び上がる。



「喰らえ、必殺剣」

アレクは渾身の魔力を剣に込めると横に一閃させる。




光が塔を直撃した後辺りは白い光に包まれる。


ズキューン


そしてそのあとにすさまじい音が周りに襲い掛かる。


「ふふふ」

決まったとアレクは思った。

ウィルもジャンヌもまだまだだと。


しかし、白い光が収まった後にはびくともしていない魔法の塔があった。


「ふぉっふぉっふぉっ。お三方ともまだまだ修行が足りませんな」

ジャルカが後ろから笑った。


「技が派手でも効かなければ意味がありませんぞ」

言われた3人はあらぬ方を見て誤魔化す。


「ならばジャルカは出来るのか」

ジャンヌがきっとして聞く。


「ふっふっふっ、では御覧じろ」

ジャルカはトントンと杖で地面を叩いた。

それだけだ。


「えっ」

3人はしばらくしてジャルカと塔を交互に見る。


「何も起こらないではないか」

馬鹿にしたようにジャンヌが言う。


「姫様の目は節穴ですな」

「何を…」

ジャンヌが反論しようとした時だ。


ピキッと塔に斜めのひび割れが走った。

「えっ」

驚く3人をしり目に塔がその線に従ってゆっくりと倒れていく。

それは誰もいない森の方にゆっくりと倒れていった。


すさまじい大音響とともにボフミエの象徴魔法の塔は消滅した。







ここまで読んで頂いてありがとうございます。

次は1日おいて金曜日に更新予定です

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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