ボフミエ王宮攻防戦2 暴風王女は城門を叩っ切ります
晴れが続きますが、皆さんお出かけされましたか?
コロナで大恐慌よりひどくなった日本の経済はなんとか再生してほしいです。
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ジャルカは何処から取り出したか杖をついてよぼよぼの年寄りのようにゆっくりと歩きながら3人を引き連れて前に出て行く。
城門の前では百人強の人々が門番相手に何事か請願していた。
「頼むからおとうを返して下され」
「娘を親の元に戻してくだされ」
「子供は何も悪くねえだ。頼むからけえしてけろ」
ボロボロの恰好をした老若男女が押し寄せていた。
「ええいうるさい。そのような者などこの王宮にはおらん」
門番が言う。
「そんな事ねえだ」
「んだ。確かに王宮に連れて行くと騎士の方が言われただ」
民衆は門番の言葉に反論して詰め寄る。
「どうなさったのですかな?」
ジャルカが隣の女性に聞く。
「おら達のおとうらが王宮に連れ去られて帰って来ねえだ」
「なんと、相も変わらず、帝国のやること犯罪まがいですな」
ジャルカが言う。
「何だとじじい!好きな事を言いよって。貴様何奴だ」
目敏く聞きつけた門番が誰何する。
「よく聞いてくださった。
儂はノルディン帝国はアレクサンドル州の街ウィルのジャンヌという所から参りました偉大な魔導仙人のジャルカと申す」
それを聞いて後ろの3人はひっくり返りそうになった。たんに3人の名前をつなげただけだ。
(アレクサンドル州など存在しないぞ!)
アレクは心の中で叫んでいた。
それも自分で偉大なってつけてどうする。
「皇帝陛下に是非ともいろいろ教えてくれと頼まれましての。わざわざ参った次第ですわ」
「そのような事は聞いてはおらんが」
門番がいかにも胡散臭そうにジャルカを見て言う。
「はて、そんなことは無いと思うが」
ジャルカがとぼける。
「どうした?」
そこに騎士の恰好をした一団が現れた。
「あっ皇帝騎士団の方々」
門番たちは喜んだ。
「この者たちが家族を返せとうるさいのです」
「あっお前たちが連れて行ったおとうを返せ」
「そうだ。娘は何も悪い事はしていないぞ」
「変態皇帝はクリスを返せ」
「現役の皇帝が誘拐をするなど何事だ」
「ロリコン皇帝なんてやめてしまえ」
どさくさに紛れてジャンヌ達も叫ぶ。
「ええい!うるさいわ」
騎士たちは剣を抜き放った。
「これ以上騒ぐと皇帝陛下への反逆者として成敗するぞ」
その言葉に一瞬にしてみんな静まり返る。
「ほう、そのようななまくら刀でこの偉大で有名な魔導仙人様であるジャルカ様が切れるかな」
笑ってジャルカが言った。何故か名前の前の文字数が増えている。
「何だと」
「皇帝が婦女誘拐の現行犯なら騎士も罪もない庶民に切りかかる悪逆非道の騎士団とは笑えますな」
そこでジャルカはわざわざ大声で笑いだした。
本気で挑発している。
後ろの3人はため息をついた。
絶対に静かに潜入する気なんて最初からなかったのだ。
(私の城門叩き切って突入する案と何が違うんだ?)
ジャンヌは甚だ疑問だった。
「おのれじじいめ」
一人の騎士が抜剣してジャルカに切りかかった。
しかし、ジャルカの発動した結界バリアによって剣ははじかれていた。
「は、は、は、は。そのようななまくら剣では世界一と言われる偉大でとても有名なジャルカ大魔導仙人様にはかすりもせんわ」
ジャルカは高笑いをした。
「おのれ曲者」
後ろの騎士が全員抜剣する。
「愚かな者はいつまでも愚かじゃな」
ジャルカは笑うと
「ジャンヌさん、アレクさんやっておしまいなさい」
何処かの隠居のようなことを言う。
えっ?ここで振るかと思いつつ後ろの3人が抜剣した。
ジャルカはいつの間にか悠々と後ろに下がる。
20人ほどの騎士が門の前に出てきた。
陳情に来ていた者たちも慌てて下がる。
「ふんっ、ここは任せろ」
アレクが言うと真横に剣を振り払った。
その一瞬で20人の騎士は吹っ飛び、城門に叩きつけられた。
「どけ―――!」
次に叫びながらジャンヌが飛び出す。
そして巨大な城門を飛びあがって剣を一閃させる。
ドカーン
巨大な音と共に巨大な城門は上下に真っ二つにへし折れて門の中に吹き飛んでいた。
「行くぞ」
さっさと3人は中に入っていった。
「さあ皆さん、今こそ皆さんの家族のところに行きましょうぞ」
ジャルカが叫ぶや中に入っていった。
民衆も恐る恐る壊れた城門から中に入っていった。








