表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第五章 ボフミエ皇帝誘拐する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/480

大国の東方方面軍第一師団 ボフミエに向けて全軍出撃す

「はくしゅんっ」

オーウェンが盛大なくしゃみをした。

「最悪」

オーウェンはブスっとして言った。

せっかく人間砲弾になってまでクリスを助けるために飛んできたのに、ぶつかる瞬間に皇帝とサロモンはクリスを連れて転移していったらしい。


海の中でおぼれかけていたオーウェンはなんとかジャルカに助けてもらって今はこの戦闘艇でボフミエに向かっていた。

第一魔導師団の大半はまだ到着していないので後での合流となる。


オーウェンはボフミエに先行させていた騎士たちの事も心配だったが、洋上では魔導電話があまり使えず、どうなったかは判らなかった。

ジャルカらはさすがに少し寝てそれから転移でボフミエに向かうようだ。


「くっそう、せめて東方師団が動いてくれたなら、まだ何とかなるのに」

オーウェンは悔しがった。

「ああ、あの生真面目なフィリップジュニアのことですな」

ジャルカが笑って言った。

「皇太子殿下が実験に命懸けでお付き合い頂きましたからな。

かやつらも今頃必死でボフミエに向かっている頃だと思いますぞ」

ジャルカが笑って言った。


「えっジャルカ殿。どうしてそれを」

「皇太子殿下の本気度見せて頂きました。

まさかあんな命懸けの人間砲弾なんかやって頂けるとは。私もそれに応えねばとアダムにお願いいたしましたのじゃ」

ジャルカが胸を張って言った。


「えっあのマッド魔導学者に?」

「はいっ。殿下の乗って頂いたカプセルに火薬詰めて東方第一師団の頭上で破裂するように、あの後発射してもらいましてのう」

「えっでもあれが爆発すると」

「上空で花火が破裂したようなもの。被害はありますまい」

ジャルカは笑って言ったが、今回の砲弾も1発で貨物船が轟沈、ボフミエの魔導部隊が1個大隊は消滅したと思われる。本当に被害が無いのかとても不安だったが、あんなの真上で爆発させられたらボフミエに攻撃されたと思うに決まっている。

まさか友軍からそれもマーマレードから攻撃されたとは思うまい。

東方第一師団にしてはちょっと気の毒な気もしたが、ここは絶対にボフミエの好きにさせてよい訳は無いとオーウェンは思ってていた。




そして第一師団駐屯地。

疲れ切ったミューラーは熟睡していた。

あの後、何故ボフミエを攻撃しないのかと部下から突き上げを喰らって訪ねて来た隊長たちからの突き上げを何とか収めて帰らせるのに1時間くらいかかった。

そら見た事かとレオンの白い眼を無視して何とか下士官たちを引き下がらせたが、彼らも不満たらたらだった。

ミューラーはクリスに自分の兵士たちまでもが篭絡されているとは思ってもいなかった。

そして、一部の警戒の歩哨を残して師団の寝入りばなにジャルカの砲弾がさく裂したのだ。


ズドーン


すさまじい爆発音にたたき起こされる。

爆風で哨戒していた兵士たちは弾き飛ばされた。


「ボフミエ敵襲」

哨戒に当たっていた兵士たちはもうそれ以外に考えられなかった。


国境線上にあったボフミエの哨戒小屋は飛び起きた魔導師たちの手で一瞬に破壊された。


それに対して魔術でボフミエが反撃する。


「突撃」

前線にいた騎兵隊が慌てて突撃。

少人数だったボフミエ国境警備隊は殲滅させられていた。


「閣下。ボフミエの攻撃です」

飛び起きたミューラーのところに連絡兵が飛び込んでくる。


「何だと」

「国境線にて戦闘。敵哨戒部隊を一掃したそうです」

ミューラーは慌てた。

国王陛下の命令は待てだった。それをあっさり破ってしまった。


慌てて司令部に行く。


「レオン、どうなっている」

「ボフミエからの遠距離魔導攻撃だったようです」

レオンが言う。

「それと同時に前線にて衝突。我が部隊は敵前線部隊を敗走させて残敵掃討中です」


「本当にボフミエからの攻撃だったのか?」

一抹の不安を残して言う。

王都の老害共なら、秘密工作でボフミエの攻撃となるようにやりかねない。


「ボフミエの方角からの遠距離攻撃だったのは確認しました。

攻撃して来ない我々に対しての挑発行為は明白。

前線にいた第一大隊は進軍を開始しています」

「やめろ。直ちに進軍の中止を」

副官の報告にミューラーは慌てる。


「閣下、第一大隊長はベン・ドーブネルですよ。突っ走りだすと止まりません」

「くそう、あの脳筋か」

ミューラーは歯ぎしりした。

ドーブネル将軍の長男で猪突猛進の性格は親譲りだった。

「もうこうなったらボフミエの王城まで突っ走るしかないのでは無いですか。

兵士たちはそのつもりみたいですが。」

副官が諦めたように言う。

「1個師団で行けるか!

奴らは魔術師の国なのだぞ。我々には魔術師は50名ばかりしかいまい」


「オーウェン皇太子がマーマレードのジャンヌ王女と共同でボフミエ皇帝を攻撃したそうです。

ボフミエ魔導師100名を撃破したとか」


「それは本当か」

「はい。攻撃の後に証拠の画像と共に送られてきました」

苦り切った表情でミューラーは副官の顔を見る。

「ベンは皇太子殿下に後れを取るなとこの部屋から飛び出して行きました」

「判った。王都に連絡。

我ボフミエからの攻撃を受け反撃。これを撃退せり。以降追撃戦に移る。」

そう言うと全員を見回した。

もうここまで来たらあきらめの心境だった。

ドラフォード最強師団がこの東方第一師団だ。

師団に攻撃受けてまで待機は出来まい。


「これより全軍出撃する」

進軍ラッパが高らかに鳴り響いた。

皇帝に連れ去られたクリスの運命やいかに

次回はクリスの登場です。

シャラザールが出現するか

地上部隊の殲滅か

ボフミエの王宮崩壊か…

クリスの危機のはずが何故か危機に瀕するボフミエの未来しか見えません????




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ