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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第一章 婚約破棄

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クリスは大国皇太子と踊ります

王子様登場です。

クリスは今日のサマーパーティーは婚約者に相手にされず、とてもつらいものになるのではないかと危惧していた。

ウィルと踊った後は壁の花になろうと。

しかし、弟と踊った後は舞踏を希望する男性に取り囲まれていた。

いつもなら王妃様から言われている事を守って、王太子以外とは踊らなかったはずだ。


「ミハイル嬢。隣国のしがいない王子の留学の最高の思い出と貴国との今後の末永いお付き合いになる事を祈って一曲、是非とも踊って頂けないでしょうか?」

目の前に正装した黒髪のオーウェン・ドラフォードが手を差し出していた。

どうしようかと逡巡するがその瞳の端に仲良さそうにするエドとマティルダの姿が見えた。


「私で良ければ喜んで」

クリスは手をオーウェンに預ける。


そのまま、中央に歩みを進めて踊り出す。


「無理言って申し訳ない。」

「そんな、私で良ければいつでもお付き合いし致しますよ。殿下」

「よく言うよ。図書館で会って話しかけても無視するくせに」

オーウェンはからかう。


「図書館は勉強するところですから」

すましてクリスは答える。

「でも本当によく頑張っているね」

「殿下も遅くまで図書館でお見かけしますわ」

「ありがとう。気づいてくれていたんだ」

嬉しそうに黒い瞳が輝く。

思わず赤くなってクリスは下を向いてしまった。

「ごめんごめん。また、王妃様に叱られちゃうかな?」

「えっ」

クリスは思わず不審に思ってオーウェンの顔を見る。


「留学するときに、王妃様からはくぎを刺されているんだ。

あなたとは出来る限り話すなって」

「????」

「あなたもあんまり異性と話すと醜聞になるから控えろって言われているでしょう」

「未来の皇太子妃ですから、ある程度は仕方がないと」

「でも王子は守っていないよね。」

頷くわけにもいかず、愛想笑いをする。


「ごめん。あなたをいじめるつもりはなくて。ただ、いつも無理していないかなって」

王子は次々に触れられたくない核心を突いてくる。

でも私は未来の皇太子妃。笑ってごまかさないと・・・・


「昔はもっとお転婆だったのに」

「えっ昔?」

「そう。僕と結婚しても良いって言ってくれたのに」

「そんなこと・・・・」

ドラフォードの皇太子と会った事なんて今まであったっけ。

最近ではないはず。という事は最近の夢を思い出していた。

昔こけた自分を助けてくれたのが黒髪の子供だった。

その子の名前は・・・


「ひょっとしてオウ?」

「そう、オーウェンが言えなくてオウになっちゃったけど」

「えっこんなに立派になって」

「それはあなたこそ。こんなにきれいになられて」

「まあ、お上手になられたのね。昔はもっと意地悪だったような気がするわ」

「そんなことないよ。それはエドだろ。虫とか君に押し付けてたよ」

そんなことあったような。それでよくオーウェンに助けてもらっていたんだ。

そう言えばオーウェンは年上でどこか落ち着いていた。


「でも、オウ、結婚の話の返事は確か考えておくだったような」

「ちぇっ、覚えていなくて良いこと覚えているんだ」

少し悔しそうにオーウェンは言った。

「あの時は楽しかったわね」

無邪気だったし。

クリスには懐かしかった。


「そろそろ曲も終わりだね」

残念そうにオーウェンは言った。

クリスももう少し話したかったが立場上出来なかった。

「ええ、また機会がありますわ」

「本当はもう一曲踊りたい」

オーウェンはクリスの華奢な手を強く握りしめた。

思わずクリスの目が見開かれる。

「ごめん。冗談だよ。君の婚約者の目が怖いから戻すよ」

先ほどからきつい目で睨んでいるエドの視線は感じていた。


笑って言うオーウェンの目は何故か悲しそうだった。


「オウ・・・」

「ミハイル嬢。幸せにね」


次の順番を争奪する男たちの中にクリスを置いてオーウェンは離れて行った。



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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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