影が薄いが学園を目指す5
道具屋『ブース』
俺はガンツさんの所を後にして、手紙を読んだ。
その中身はこの場所に行く旨だけが書かれていた。
この道具屋は北側の大分端にある場所だ。
一見少しさびれただけの店に見えるが目の前にいる従業員の強さが分からない。
俺よりは強いだろうがどれぐらい強いのかが全く分からない。
でも、とりあえず声をかけるか。
「すいませ~ん、ガンツさんの紹介できたんですが。」
店に声をかけたとたんに、気配が消えた。
さっきまではこの店に三人はいた気配がしたが消えた。
それに合わせ俺も影も使って気配を消して一歩下がる。
すると、横から声をかけられた。
「中々気配を消すのが上手いな。」
その声が聞こえ振り向こうとしたとき、声が聞こえた方向からお腹をめがけて蹴りが飛んできた。
咄嗟の事で反応できなかったが蹴りをもらうと同時に口の中で食べていた飴をを吐き出した。
そしてその飴の影に飛び込みながらしゃがんだ。
「ほぅ、蹴りはあたったと思ったんだがな。中々に骨がある。」
俺の予想通り相手は蹴りを回避したと勘違いしたようだ。
その事に安心していると、上から刃物が飛んできたと同時にもう1人が俺に向かって走ってきた。
俺は腰からナイフを取り出し刃物をはじき、前から向かってくる物に対しては影と完全に同化をして回避した。
「そこまでじゃ」
その声が聞こえると上から老いた男性が降りてきた。
「ほほほほ、中々に愉快じゃったぞ。一発も当たらなかった新人はそういないお主やるの~。」
「中々見所のある奴だ。」
「ワタクシモ、ソウオモウノネ。」
と、三人の男たちが集まってきた。
「おっと、そういや自己紹介がまだじゃったな。ワシはノワールという物じゃ。」
「我はガオウだ。」
「ワタシハチューアルネ。」
こうして無事、俺は『ブース』の皆さんに認めてもらった。
ちなみにチューさんがどうやらメリーの剣の指導をしていたらしい。
ノワールさんは表向きは冒険者ギルドのギルド長らしい。
ガオウは表向きはここのギルドの顔の冒険者らしい。
これは、暇な時に調べていたので驚かなかった。
そして、ここから一週間は午前中は変わらず森を走った。
しかし、重りをつけてない状態だと余裕ができたがガオウが横につき攻撃をしかけてくるのを避けながら走ることはすごく難しかった。が、今回エンブレムを奪った後に取り返しに来るときの逃げる練習だと考えると役に立った。
午後からは俺が得意なナイフなどの小物の武器について実践を交えなから教えてもらった。
ナイフ以外にもブーメラン、フォーク、鎌みたいな草苅道具などの色々な使い方を教えてもらった。
俺の場合、ナイフなどはまともに剣と戦うと負けるのでいかに相手の想定外のことをするかを考えさせられた。
夜は能力の検証をした。
『ブース』の店前で戦ったように俺はまず影と同化できるようになった。というよりは相性が非常によく常に影と同化してきているらしい。なので最近は影の姿で過ごす事が普通となった。
これの利点は人間の体のみでは俺に攻撃を当てれないと言う事だ。武器などの道具を利用すると当たる。
そして、支配下に置いていた半径一メートルの影に自分自身の影を伸ばしてそこに転移できるようになった。
今までは移動としていたがどうやら転移だった。
ただ、五回転移をすると十分置かないと次の転移ができないなどの欠点が浮き彫りになった。
そして、道具屋なので色々な罠を作った。
もともと罠を作ることが好きだったがノワールさんの罠作りを見て感動をすることになり、よりはまった。
テストまで一週間を切った時今回の候補生の写真と性格とどんな武器を使ったているかなどの資料を見せてもらえるようになった。
「レイン君や。君は学園の場所がすでにわかっとると聞いたのじゃが本当かの?」
「はい、検討がついているのでこの資料に目を通しあとしっかりとした、下見をしに行こうとおもっています。」
「なるほどの~。それじゃあ、その場所の答え合わせをするがいいかの?」
「はい、俺は今回の学園の場所は1つですが入る箇所は何ヵ所かあると思っています。理由としてはもし自分に置き換えた場合裏の組織なので逃げる場所を何個か作ると思ったからです。
そして、主に場所については、人の出入りが激しい場所と王城にあると思っています。出入りが激しいと学園からここにかえって来たときばれない、王城はこの国が困った時にすぐに連絡を取るためとおもっています。」
「うむ、正解じゃ。そこまでわかっとるのならチューお前さんが正確な場所を教えてやれ。あとは、テストに向けて頑張るのじゃ。」
「はい!」
そして、とうとう当日の朝が来たのであった。
今回初めてブックマークとポイントがついたのでまた本文以外を投稿したいと思います。
今日、もしくは明日をまたいでしまうかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。