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影が薄い俺は能力を授かりさらに薄くなった  作者: 会長
第1章 組織への入団
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影が薄いが学園を目指す2

ガンツさんの武器屋 裏庭


ガンツさんと試合をする事になった。

ルールは簡単、5分以内にガンツさんの腰につけている赤色の紐の鈴を奪えば勝利する。

正式に1ヶ月間の間泊まらせてもらえる。


「5分間ってもらいすぎじゃないですか?」

「あらあら、もう勝った前提ですか?よほど自信がおありで。」

「まぁ、負けませんよ」


俺がそう告げるとほんわかした雰囲気からガラリと変わり顔には獰猛な笑みを浮かべていた。


「それじゃあ試合を始めますね?」


ガンツさんはポケットに手をいれてコインを一枚取り出し、指ではじいた。

コインが地面に着いてたら試合開始だ。

俺とガンツさんの間の距離は2メートル弱ある。俺の影の移動では届かない。

俺は右足を下げ腰を少し低くする。走り出す体勢になる。

ガンツさんは棒立ちのまま何も構えない。




そして、コインが地面に着いた。

と、同時に右手をポケットに入れある物を取り出し姿勢を元に戻しガンツさんに話しかける。


「もう鈴は取りましたよ。」


と、同時にその鈴を1メートル前当たりに軽く投げる。

ガンツさんは一瞬俺の鈴に気をとられた後、自分の鈴を俺から視線を外さずに確認する。

その一瞬の間に俺は鈴にできた影に移動する。

ガンツさんは俺が一瞬で前に出てきた事に驚いた素振りはみせなかったが右眉が少しピクリと動いた。

それでもまだ棒立ちのままだった。


「それは偽物よ」


と、ガンツさんが律儀に答えてくれているタイミングで俺は再び影で移動をした。ガンツさんの自身の影に。

そして、ガンツさんの腰の鈴を右手を伸ばして取りに行く。


「もらい「甘い!」ッ!」


まるで俺が最初から後ろに来ることが分かっていたかのように、俺の右手を左手で取り左足を軸にくるりと回って俺の体の下にもぐり足を捕まれ空中にほりなげられた。

俺はまともな受け身を取れず地面におもいきり叩きつけられる。


「グハッ」


俺は倒れた状態で右手の握りこぶしを上げ静かに宣言する。


「取りましたよ」


それを聞き一瞬驚いた顔したが鈴が腰にないことをすぐに感じると。

俺に手をさしのべ、


「おめでとうレイン君、あたなは合格よ。」


と言って俺を起こしてくれた。


「体が汚れているからお風呂に入ってきなさい。お湯は沸かしているから。」


そのあと、服に付いた落として案内されたお風呂に入った。




「ふぅ~、ギリギリだったな。」


俺はお風呂に入りながら俺とガンツさんの試合について振り替える。

まず、ガンツさんと同じ鈴を出した事が、失敗だったことには驚かなかった。最初から失敗すると思っていたから。

けど、その鈴の影に移動したことにほぼ無反応だったのは驚きだった。

そして、本命のガンツさんの影に移動したことに後ろも見ずに反応したことは()()()だった。

でも想定外ではなかったので、吹き飛ばされると同時に自分の影に鈴を取ってもらい右手に渡してもらった。

ガンツさんもさすがに影には気がついてなかった。いや気がついていたかも知れないが触れなかったと思う。

俺の影は人間からは触れられないから。

武器などには当たると消えるが人間の素手の攻撃は当たらないから。

これにはきずいていないと思う。



お風呂から出ると庭から誰かが言い争っている声が聞こえて来た。

1人はガンツさんだと思う。もう1人はちょっと分からない。

とりあえず近づいて声を聞いてみると。


「だーかーらー、私は認めないからね!あんなどこの骨か分からない男がうちに泊まること。いくら師匠の決定でも!」

「メーちゃんはいけずだな~。ママの言う事聞けないの。レイン君は悪い子じゃないよ。」

「ちょっ、メーちゃんって呼ばないでよ。今は師匠と弟子の関係でしょ。とりあえず私は認めないからね!」

「じゃあ、レイン君がメーちゃん事を認めされば良いのね。

分かった分かった。」

「ちょっ、そういうことじゃなくて「そこにいるでしょ~、レイン君。隠れてないで出てきてよ。」え、い、居るの!」


さすがは、ガンツさんだな。存在感は完全に消してたと思っていたのにな。

今出ていくのめんどくさいな。


「今出てきたら、メーちゃん恥ずかしい姿見れるわよ。」


う~ん。


「今出てきたら、私の恥ずかしい姿見れるわよ。」

「すぐ行きますー!」

「ちょっ、おま、ママのタイミングで出てくんなよ。最悪私で出てこいよ。」

「いや、ちょっと」

「何でなのよ!」

「それ以上近づくと大声出しますよ。」

「え、それは困るって、普通逆でしょ!」

「お宅の娘さん面白いですね。」

「そうでしょ。自慢の娘なのよ。」

「無視すんなー!」


ある程度いじった後で、こちらから握手を求める。


「レインです。よろしく」

「ふん、メリーよ。まだ私はあなたの事認めて無いんだから。」


と言いつつも握手は返してくれる。


「私の師匠に勝ったって言うなら、私にも勝てるでしょ!

私からエンブレムを取ってみなさい。」


と、ビシ!と決めて言ってくるが。


「え、これのことですか?」


と先ほど握手した手からエンブレムを出してやると


「え、ホントに無い。いつ取ったのよ。」

「そんな事よりエンブレム取ったので認めてくれますか。」

「そんな事って何よ!そんな事って!私はまだ認めないんだからね!」


と言いながら武器屋へと戻っていった。


あー、面倒くさくなりそうだ。


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