影が薄いが試験を受ける2
机の下から出てきながら驚いている皆の顔を見て思い出す。
初めて師匠と出会った時の自分の顔を。
俺は小さい時から影が薄くて、時にそれを利用して罠を仕掛けていた。俺は小さい頃からこういう事が趣味だった。
大きな穴を掘ってあえてそこは、埋めずにその横に落とし穴を作った。穴を避けて通ると確実にはまるようにして。
それに良くはまってくれていたのがパーレだった。
パーレは村のガキ大将で良い奴だったが、かなりのアホだった。
同じ仕掛けに確実に二回は引っかかるからだ。
全く同じ内容なのに。
5歳の時、罠に誰かがはまるのを見ていたら俺の現在の師匠が気配を感じさせず話しかけてきた。
人生で一番驚いた時だった。
そして、師匠にこの罠を狩人に使わないかと言われた。
そこからは狩りは大変だったがすごく楽しかった。
罠以外に色々な武器を教えてもらったが、弓などの才能は無くナイフなどの武器を教えてもらった。
ちなみに一番得意なのは罠とナイフだ。
この話しを聞くと罠をかけた後にかかった人達ばれそうだが、みつけられなかった。
いや、俺が隠れていると何故か誰も気づかなかった。目の前を通っても。師匠以外は。
この頃から自分が影が薄いのことに確信を持った。
そんな事を思いだしながら、俺は皆の驚いた顔を見た後にこっそり水晶玉に手を置いた。
水晶玉を見ると、
『影法師』
どうやらこれが影の薄い原因のようだ。