第4話 緊急クエストと宴
誤字脱字等が御座いましたら
報告お願いします。
「ドラゴンだって!?」
冒険者の声が上がる。
「おいおい、マジかよ」
「しかも見ろよあの血、相当な強敵だったんだろう」
「ああ、多分あのレッドドラゴンだぞ」
騒然となるギルド内に受付嬢の声が響き渡る。
「緊急クエスト!レッドドラゴンの討伐または撃退です!」
「なぁ、受付嬢さんよ」
「は、はい?なんでしょうか?」
「ランクEでも参加出来るか?」
「出来ることは出来ますが、ダメです!」
う、うーむ・・・・・何故止めるのかわからぬ・・・・。
「参加を希望します」
「・・・許可出来ません」
「・・・・何故かお聞きしても?」
「・・・・・答えられません」
何故此処まで止めるのだろうか。
俺にはよくわからない。
「では参加します」
「で、では参加者の方々は至急南門へ!」
別の受付嬢が指示をし始める。
「さて、奈々、ユキノ、南門へ向かうぞ」
「「はい」」
そして俺達はギルドから出る。
「あっと・・・・武器屋寄っても良いかな?」
「何故ですか?私が居るじゃないですか」
もっともな質問をどうもありがとう。
「よし、考えてご覧、ランEが魔剣をドラゴンの前で振り回してたらどう思う?」
「・・・・嫉妬・・・ですかね」
「そ、ランクEの駆け出し冒険者なのに武器は+SSSときたもんだ。」
「な、なるほど」
「しかも俺は楽して勝ちたいとは思わない。何故かわかるか?」
「・・・・」
ユキノは首をコテンと傾げる。
かあいい。
「自分の力で勝ちたい・・・ということでしょうか?」
代わりに答えたのは奈々だ。
「そういう事だ。じゃ、適当な鉄剣選んでくっから此処に居ろよ」
さてどんな武器があるかな。
「・・・いらっしゃい」
無愛想な店主がチラリと俺を見るとしわがれた声で、独り言を言うように告げる。
「ミスリルの剣ってありますか?」
「ミスリル製はそこの1本だけだ」
店主は店の角に立てかけてある剣を指差す。
「値段は?」
「金貨五十枚だ」
「これで足りるかな?」
俺は銀貨に似た硬貨をカウンターに置く。
「白金貨か・・・・・」
「ダメでした?」
「いいや、ダメじゃない。ほら金貨五十枚」
店主はカウンターの上に金貨を置く。
「どうも」
俺は金貨を袋に仕舞うと、ミスリルの剣を持ち店を出る。
「なぁ~少しくらい良いじゃねぇか」
店の外に出た時、目の前で奈々とユキノがナンパされていた。
ナニコレ珍◯景。
「お断りします」
と返す奈々。
「お帰り下さい」
と返すユキノ。
「俺が払うから」
とナンパ男はユキノの手を掴んだ。
「ひっ・・・!?」
ナンパ男は尻餅をつき、後ずさる。
なんでだろう?
「・・・おい、それ以上妹と嫁に触れてみろ・・・消し炭にしてやるからな?」
はい、俺でした。
気づいた時にはもう威圧し、あんな言葉を言っていた。
怒りって・・・・・凄いんだな。
「は、はひぃー!」
男は四つん這いで逃げていった。
なんでや、立てばええやろ。
「ユキノ、奈々、大丈夫だったか?怪我は?」
「は、はい大丈夫です」
「問題ありません」
そう二人から返ってくる。
「んじゃレッドドラゴン討伐しますか」
俺達は南門へ走った。
「皆さん!これから戦うのはあの災厄をもたらす竜、レッドドラゴンです!良ければ討伐!悪くても撃退をしなければなりません!」
「なるほど・・・・災厄をもたらすか・・・」
「命を賭けた戦いなので報酬金も相当な物になるでしょう、そして――」
受付嬢はその他もろもろを話していた。
俺は心底どうでもいいので流す。
「もう奴の翼が見えるぜ!意地でも勝つぞ!」
2mの巨漢の奴が腕を上げ声を上げる。
「「「「「「「「おう!」」」」」」」」
皆元気な事で‥‥‥。
「よし、ユキノ、奈々、三人であいつを討伐するぞ」
「いざとなったら私を使ってくださいね」
「勿論、お兄様となら何でも倒せますよ」
奈々の言葉に苦笑した俺だった。
「えっと・・・・菜々のアビリティってあるのか?」
「はい、ありますよ」
シクシク、兄に無くて妹にあるのかシクシク。
「教えてくれる?」
「はい、えっと・・・『移動【物】』ですね」
奈々はステータスを見て指を指しながら言った。
移動?・・・あれ?強くね?
「ねえ、それってさ・・・山とか持ってこれるんじゃないか?」
「え?・・あ・・・・・・」
奈々は口を開けたまま固まった。
口を閉じなさい!せっかくの美少女が!
「よし、ユキノ!」
「はい」
「これから作戦を伝える」
✩ ✩ ✩
「矢を放て!」
いつの間にか来ていたギルドマスターが指揮をとる。
まぁ、俺達は単独で討伐するだけだ。
「ユキノ!前足を断ち切れ!」
「はい!」
ユキノは瞬時に魔剣を顕現させ、ドラゴンに向かって行く。
「菜々!『あれ』をドラゴンの真上に!」
「わかりました!」
菜々は詠唱を開始したのを確認し、俺は・・・ドラゴンと真逆に走り出した。
「なっ・・・!?」
冒険者達は驚きを隠せなかった。
何故なら楓真が冒険者の方に走ってきたからだ。
「おい!お前何で戻って来た!」
その驚きは怒りに変わった。
女二人を戦わせ男は逃げたと思ったのだから。
違うな、俺の狙いは壁だ!
俺は魔力をすべて足に集中させる。
「そぉい!」
俺は壁を蹴った。
その足が触れた瞬間を狙い、魔力を爆発させる。
予想通り俺はぶっ飛んだ。
そして周りの冒険者もぶっ飛んだ。
そして俺はミスリルソードを構える。
風圧が凄い。
「第一段階クリア!」
ユキノの声が聞こえた。
「第二段階に入ります!」
次は菜々の声が聞こえる。
「んじゃ、ドカンと行ってみよう」
✩ ✩ ✩
私はお兄様が壁に向かうという合図と共に詠唱を開始した。
しばらくすると
「第一段階クリア!」
とユキノちゃんの声が聞こえた。
「第二段階に入ります!」
私はそう言うと魔法陣をドラゴンの真上に発現させた。
「いでよ『マグマ』!」
私は魔法陣からマグマを出した。
そう、私が移動させたのは火山のマグマ溜まりそのもの。
マグマは全てを溶かす・・・ドラゴンの骨さえも。
「第二段階クリア!」
「後は頼みましたよ、お兄様・・・」
✩ ✩ ✩
「第二段階クリア!」
菜々からの最後の声が聞こえた。
「全力で斬る!」
そして俺は体制を整え、剣を横に構える。
剣が炎を纏う、首を狙って。GO!
「『七天刀流 豪炎天龍』!」
剣は首の鱗を溶かし、溶かしたところをミスリルソードで斬る。
「吹っ飛べクソドラゴン!」
剣を振り抜く。
びっくりするほど竜の首が飛んで行った。
「さーて、このスピードをどうやって殺すか・・・」
俺は吹っ飛びながら考える。
やっぱあれしかないか・・・。
俺は"空気を蹴る"。
『空歩』
そして地面に落ちる。
「あー、痛ってぇ」
恐らく120kmは出ていただろう。
それを強制的に止めたのだ。
足が痛くなるのは当たり前だ。
あー、死ぬほど疲れた・・・。
眠い・・・・・寝よう・・・。
お休み。
✩ ✩ ✩
「ま、マジかよ、あの駆け出し冒険者がレッドドラゴンを倒しちまった・・・。」
「ぎ、ギルドマスター!」
「ああ、わかっておるわ、奴は・・・SSS以上の力がある」
ギルドマスターは空を仰ぐ。
「SSSはお前以来だな‥‥‥なぁお前は今、何処に居るんだ――」
✩ ✩ ✩
「お・・・さ・・ま・・・・おに・・・・さま・・」
「ふう・・・・くん・・・・・ふ・・・・ま・・・ん」
もうダメだよパト◯ッシュ
知らない天井だ・・・。
俺は飛び起きた。
「なんだ!?加賀さん轟沈したのか!?宇宙人の襲来か!?それともラピ◯タが落ちてきたのか!?」
「お兄様、落ち着いて下さい」
その声と共にグーパンが飛んでくる。
「グハッ!」
俺の体が吹っ飛んだ。
おい、レベル1000近い奴を吹っ飛ばすってどんだけだよ・・。
そう考えつつ受け身をとった。
「えーと・・・この状況は?」
顔が引き攣っているのを感じる。
「はい、フウマ君がレッドドラゴンを討伐したので宴が開かれたのです」
ユキノは呆れた表情をして窓を指差していた。
およ?いつの間にフウマ君って呼ばれるようになったんだ?
「あー、七天刀流で首から上を吹っ飛ばしたんだっけか」
俺は思い出しつつ言った。
「聞きたいのですが、七天刀流とはなんですか?」
ユキノは思い出した様に言った。
「あー、七天刀流ってのは俺が考えた二刀流の剣術だよ」
「二刀流?」
「ああ、二刀流だ」
「でもフウマ君は1本の剣だけで発動させてましたよね?」
そう言い、ユキノは右手を顎に当てる。
「まぁその辺はまた今度な、さ!宴行くぞ!」
俺はドアを思いっ切り開けた。
そして俺は思った・・・・やらかした・・・・と。
終わり方雑ですかね?
どうも、最近余り筆が進まないKomeijiです‥‥。
もうちょっとはやくしたいんですがね‥‥。
出来るだけ早くします!
七天刀流の動きは全部私が竹刀で練習しています(笑)
動きだけですよ?
あ、豪炎天竜は出来ませんよ?なんてったって吹っ飛ばないといけませんからね(笑)