第1話 異世界転移とステータス
明けましておめでとう御座います!
誤字脱字が時々あります。
生暖かい目で見守って下さい。
何分たったのだろうか・・・何時間たったのだろうか・・・・
そんな考えとともに意識がはっきりして来た。
「ようこそおいでくださいました勇者の皆様、<イベルリエル王国>へ」
いつの間にか居た純白のドレスを着た少女が勇者という単語を言ったのを楓真は聞き逃さなかった。
「私はイベルリエル王国第二皇女、アリス・リエス・イベルリエルです」
姫様はスカートの端を少し持ち上げお辞儀(?)をしている
「なぁ姫様、此処って・・・」
「勇者達よ、頼みがある」
少女の隣に居る玉座に座ったままの老人が俺の言葉を遮る様に言葉を被せてきた。
「なぁ頼みの前に、俺達って帰れるのか?」
それは誰が聞いたのかわからなかったがここに居る全員(楓真以外)の気持ちを代弁している様だった。
「邪神を倒せば帰れる・・・・とは聞いたことがある」
爺さんは暗い表情のまま俯いた。
「じゃあその邪神とかいう奴を倒せば良いんだな!」
祐木はお気軽に倒せると思っているのか、軽く言う。
「そうなのだが、邪神とは言っても神は神、神を倒すのに聖剣が要る、しかし!この国には聖剣を扱える人間は居らぬ・・・じゃが勇者達の中には一人だけ扱える者が居ると言われておるのじゃ、他に聞きたいことはないかね?」
暗い顔をしたり明るく振る舞ったりと、忙しい。
「なぁ爺さん」
「国王に向かってなんて口の聞き方だ!」
護衛だと思われる騎士に怒られる。
こうゆう奴って彼女出来ないんだよな~。
「まぁまぁ、良いではないか」
「し、しかし!」
というようなやり取りが10分以上続いた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おい、流石に長えよ!騎士の方はずっと『しかし!』を繰り返すし!いいかげんにしろっての!」
そう怒鳴り散らしてるのは他ならぬ主人公、楓真である。
「も、申し訳ない」
「す、すまない」
もう既に王様と騎士は楓真に逆らえなくなっている。
「んで聞きたいんだけど」
「何かな?」
「天職とか能力とか無いのか?」
今最も重要な事を聞く。
「あるぞ、<ステータス>と念じれば見れるはずだ」
ふむふむなるほど、ステータス
============================
夏井楓真 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:----
スキル:隠蔽
天職:平民
筋力:120
体力:30
俊敏:60
魔力:9999999
魔法耐性:1
打撃耐性:50
魔法属性:光・無・時空
所持武器:魔剣グリムガルド
称号:シスコン・ロリコン・勇者・時空魔法の使い手・魔剣の使い手
============================
そう、所持武器を見ればわかるだろうが、特典として貰ったのは魔剣グリムガルドだ。
ってか誰がシスコンだ!あのロリ女神の仕業だな?次会ったら絶対に平手打ちしてやる。
ん?なんだ?時空魔法って。
魔力も馬鹿みたいに高いし、天職平民って・・何もさせる気無いだろ・・・。
追い打ちをかけるみたいにアビリティ無いし・・・・良い事魔剣持ちと魔力超高いしかねぇぇぇぇぇ!!
「えーっと、どうじゃった?」
「・・・・だめですね」
「天職は「平民です」・・・アビリティは「無いです」・・・・」
「一つあるとすれば魔力が高いことですね」
此処で魔剣の話はしない、何故なら此処で魔剣の話をすると絶対に拘束されるからである。
クラスメイト達は自分のステータスを見ているのだろう、全員ぼーっと突っ立ったているだけだ。
「えーっと、『時空魔法』って知ってます?」
さっきより少しかしこまりつつ聞く
「・・・・・」
王様は何故知っておるのかという様に目を見開いている・・・・。
え?俺なんか変な事言った?
「何故その魔法の事を?」
「いえ、魔法でそんなのあった気が・・・・って思って」
王様はため息をつくと
「良いか?これから話すのは内密に頼む」
「は、はあ・・・」
「実はだな・・・・」
王様の言っていることをまとめると
時空魔法は過去に一人しか習得できなかった神が作り出したと言われる魔法の一つで、テレポートやストレージ等の魔法はこれに分類される。
時空魔法は時として時間を操ると言われるらしい、そして必ず天使に殺される。
という事だった。
「なるほど・・・『天使に殺される』か・・・」
「ああ、直接見ようとすると目が焼かれるらしい」
「待て、じゃあなんで天使だってわかったんだ?」
「それについては記録が残ってるのだ」
「記録?」
神代魔法なのに記録があるのかよ・・・・。
「ああ、記録では『時空魔法を習得せし者は天駆ける少女が天罰を与えに行くだろう』と記録されておるのだ」
天駆ける少女・・・もうちょっと言い方があるだろ・・・・。
「さて、そろそろ勇者様達のステータスを聞きに行かねば」
笑顔で勇者の元に向かう王様。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「よし、では勇者達のステータスを教えて欲しい、ユウト殿」
「はい、ステータス」
声に出さなくてもステータスは見れるのだが、ユウトは雰囲気を大切にしたいのか、わざわざ口に出している。
============================
伊澄勇人 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:他人の能力を借りる
天職:勇者
筋力:100
体力:120
俊敏:120
魔力:120
魔法耐性:120
打撃耐性:130
魔法属性:光
所持武器:光神剣
称号:勇者・聖剣の使い手
============================
「ほう!ユウト殿が聖剣の使い手か!」
王様は目をキラキラさせ、見入るように上空に現れた文字を見る。
周りの騎士達は「ほう、流石勇者だ」「聖剣の使い手か、一度手合わせしたいものだ」等の言葉を呟いている。
あれ?俺いつの間に聴力良くなったんだ?
「さぁ、他の勇者達のステータスも見せて欲しい!」
両手を広げ、植物が光合成をする様なポーズをとった。
そして、これがユウトと同じパーティになった者達のステータスだ
============================
姫娜月希美 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:敵の全ステ20%ダウン
天職:賢者
筋力:90
体力:150
俊敏:100
魔力:1000
魔法耐性:200
打撃耐性:100
魔法属性:光・水
所持武器:----
称号:勇者・賢者
============================
============================
佑木沙介 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:剣術レベルアップ促進
天職:聖騎士
筋力:110
体力:112
俊敏:100
魔力:30
魔法耐性:100
打撃耐性:200
魔法属性:光
所持武器:ナイトソード
称号:勇者・聖騎士
============================
============================
小峰川陸人 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:筋力向上
天職:剣士
筋力:130(+100)
体力:120
俊敏:100
魔力:10
魔法耐性:100
打撃耐性:120
魔法属性:光
所持武器:----
称号:勇者・剣士
============================
============================
海葉文香 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:見破り
天職:探偵
筋力:95
体力:100
俊敏:100
魔力:120
魔法耐性:110
打撃耐性:100
魔法属性:光・火
所持武器:----
称号:勇者・探偵
============================
「ほう!全員アビリティ持ちとは流石じゃ!」
王様はさっきから褒めるの一手、褒めるしか出来ないのか・・・。
あれ?でもスキルウィンドウがあるの俺だけ?
「なぁ、王様」
と王様に何かを聞こうとしている。
あれ?何か嫌な予感が・・・・・。
「さっき夏井とコソコソ話してたけど、何を話してたんだ?」
さぁ、祐木が爆弾発言。
どう誤魔化すんだ王様?
「少し特殊な魔法について話していたのだ」
よく見れば額に汗を流している。
うん、事実だけどね、もう少し誤魔化そうよ。
「特殊な魔法ぅ?」
「あぁ、そうだ」
肯定する王様。
この流れ知ってるな〜。
「その魔法教えてくれよ」
そぉら来た、面倒くさい質問第三位『何話してたんだ?』だよ面倒くさい。
「わかった」
っておい王様!良いのか!?内密に頼むって言ったのにあいつに言って!
「先程フウマ殿と話していた内容は『時空魔法――」
カットします。
「――と、言う事なのだ」
話の中盤位から皆口を開けたままだ。
俺を除いて。
うん、まぁ当たり前だろう。
神の味方として呼ばれたのにその魔法を習得したら殺されるのだから。
でもその天使がロリ巨乳で「コロコロしちゃうよ」って言ったら殺されても構わないけど。
「なるほど、では夏井君、ステータスを見せてくれるか?」
勇人は真顔である。
さぁさぁここで一番言われると困る言葉がキマシタネ。
「わかったわかった」
適当に答える。
やばいやばいやばい。魔剣の事隠し通せねぇじゃん!
いや、待て。確かスキルウィンドウに『隠蔽』ってのがあったはず!
これに賭ける!
「『隠蔽』」
誰にも聞こえないように小声でスキルを発動させる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「さぁ、夏井君早くステータスを」
やはり真顔である。
「うぃ、『ステータス』」
だるそうに答え、ステータスを開く。
============================
夏井楓真 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:----
天職:平民
筋力:30
体力:20
俊敏:100
魔力:5
魔法耐性:6
打撃耐性:20
魔法属性:光
所持武器:----
称号:勇者・最弱
============================
と、この様に表示された。
低すぎたか・・・。
「ぷっ・・ははっ、流石夏井!あはははは!」
「称号が最弱だってよ!はははは!」
最初に笑い出したのはいつも通りの二人である。
それに釣られたのかクラスメイトが全員笑い出す。
いいさいいさ、言わせときゃ助けて欲しいって言われても助けてやらん。
「・・・・嘘ね」
笑いが渦巻く中、女子生徒一人が発した言葉だ。
それは紛れもない海葉だった。
「嘘、貴方は魔法でステータスを隠してる」
やはり真顔。
皆俺に向けるのは真顔。
ってあれ?バレてる?
「私の能力を忘れたのかしら」
そこで俺はハッとした。
そう海葉のアビリティは『見破り』だ。
そこを考慮するの忘れてた。
「さぁ、貴方の本当のステータスを見せてもらうわ。『解呪』」
海葉の魔法だろう、その言葉を発した後。
俺のステータスが書き変わってゆく。
============================
夏井楓真 15歳 レベル:1 ギルドランク:----
アビリティ:----
スキル:隠蔽
天職:平民
筋力:120
体力:30
俊敏:60
魔力:9999999
魔法耐性:1
打撃耐性:50
魔法属性:光・■_/・時空
所持武器:■剣_リ_ガル●
称号:シスコン・ロリコン・勇者・時空魔法の使い手・■剣の使い手
============================
俺の本当のステータスが表示された。
だが魔剣関連の場所だけは暗号化していた。
「へぇ、これが貴方の本当のステータスね」
海葉は感心したように頷いている。
だが他のクラスメイト口が開いたままだ。
辛い。
「な、なんと!フウマ殿が時空魔法の使い手だったとは!」
驚いたのは口調からわかるだろうが、王様だ。
王様の言葉を聞いたクラスメイト達はハッと放心状態から回復し、様々な事を言い出す。
「あの夏井が」とか「うわー、あのキモオタに負けるとか」等が聞こえる。
キモオタは余計だ!
ぶっ殺すぞてめぇ等
と心の中で言った・・・・・はずだった。
いつの間にか声が聞こえなくなっていたのだ。
顔を上げると。尻餅を付いている者や手足をガタガタと震わせている者が居た。
そこで俺は聞いてみた。
「えっと・・・・今俺言ってた?」
「うん、滅茶苦茶怖かった」
ちょっと引きつつ言うのは姫娜月。
どうして引いてるのか分かるのかって?頬が引き攣ってるからさ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この世界に来てから1週間が経っていた。
現在俺は部屋のベッドでゴロゴロしている。
午後からは王の間に集まる様言われているので直ぐ行かねば遅れてしまうのだが、正直行きたくない。
何故かと聞かれると・・・・。
「最弱が来たぞ」
とはやし立てるのはやはり小峰川。
だが最近は俺を馬鹿にするのは小峰川と数人程度に減っているのだ。
だから俺はまだ耐えられる。
此処で怒りに任せて魔剣を顕現させれば魔剣の使い手とバレるのは早いだろう。
故に俺は魔剣を顕現させないのだ。
何故最弱と呼ばれるのか、それはまだ所持武器の顕現も魔法さえも"出来ない無能"と思われているからである。
1週間前は皆口々に悪口や褒め言葉等を言ってきたが、いざ魔法が使えない、武器顕現も出来ないと聞くとボロクソ言われた。
「魔法だって使えない無能が!」や「期待したのに損しちゃった」と言われた。
だが此処で俺が魔剣顕現、時空魔法、時間魔法、無属性魔法が使えるとバレたら王様はそこまで違わないが、騎士団長や将軍にこき使われると思ったからである。
これが現在のステータスである。
============================
夏井楓真 15歳 レベル:985 ギルドランク:----
アビリティ:----
スキル:隠蔽・神刀
天職:平民
筋力:??????
体力:40037548
俊敏:10678685
魔力:??????
魔法耐性:900085
打撃耐性:100786
魔法属性:光・無・時空・時間
所持武器:魔剣グリムガルド(+SSS)
称号:シスコン・ロリコン・勇者・時空魔法の使い手
魔剣の使い手・神の天敵・竜殺し・最凶
魔王を凌ぐ者
============================
うん、狂ってるよね。
1週間でレベル985とかないわ。しかも筋力と魔力が非表示になってるし。
別に俺は特別な事をした覚えは無い。
何故ならこの1週間毎日早朝に魔剣を顕現させていただけだ。
調べても"魔剣グリムガルド"の事は文献にも載っていなかった。
なので詳しくは知らないが恐らく魔剣には毎回顕現すると同時にステータスをあり得ない程アップさせるスキルがあるのではないかと睨んでいる。
そしてこの魔剣には嬉しいことに"誤魔化し"というステータスを誤魔化すスキルも備わっている。
何故知っているのかは試したからだ。
そして魔剣の隣にある(+SSS)はレア度らしい。
他の武器を見ると(C)や(-C)があった。
レア度は(-F)~(+SS)までの武器は見つかっているが(+SSS)はこの魔剣以外無いみたいだ。
因みに聖剣は(+SS)らしい。
防具にも階級はあるらしい。
基本武器と同じだが(+SS)は(聖剣以外は)まだ発見されていない。
こんな感じだ。
だが2日前にステータスに変動が無くなった。
恐らくカンストしたんだろう。
さぁ、今では城の中で最弱のお荷物というレッテルを貼られた迷惑な居候。
という事は城を出て行っても良いわけだ。
だが王様に「城を出るのは今日の集まりに出てから」と釘を刺された。
きっと奴の聖剣引継ぎの儀だろう。
別に見なくても良いんだが・・・・。
そして聖剣引継ぎの儀が始まった。
さぁ、聖剣の引き抜きショーはどうなるのか!
次回のサブタイトルは多分『嫁は魔剣』です。