第15話 暴食剣
ユーリディア「作者よ、言い残した言葉は?」
作者「本当に遅れて申し訳ございませんでした!」
ユーリディア「粛☆清☆」
ドドドドドドッ
チーン。
ユーリディア「では、本編どうぞ!」
「くっ!」
奴――浅見は俺の剣撃をひたすら耐えていた、俺はいつの間にか再生していた左腕に宝剣ファーヴニルを持ち、右手にはミストルティンを持っている。剣撃の間に槍での攻撃を入れる。
「『ディメンションダイブ』」
その魔法を使うと、俺の姿が掻き消える。そして浅見の背後に現れ、ファーヴニルを振る。が、赤い剣でガードされる。浅見はクルリと体を回すと漆黒の剣――グリムガルドで斬りつけてくる。それをミストルティンで防ぎ、ファーヴニルを引っ込め、距離を開ける。
「てめぇの強さと反応速度は異常だぞ!?」
息切れながら声を上げる。
「ハハハ、反応速度だけが取り柄なんだよ」
俺も息切れし、笑いながら返す。
俺は剣を握り直し、ミストルティンに魔力を流し込む。するとミストルティンが更に光り輝く。浅見の方も赤い剣に魔力を流している。俺のミストルティンと同じ様に、赤く光り輝く。
「やっぱ異端者か・・・」
異端者?なんじゃそりゃあ
「その異端者ってなんなんだ?」
ファーヴニルを逆手に構え、訊いた。
「異端者ってのはつまりイレギュラーってやつと同じさ、本来俺達は此処に召喚されるはずじゃなかったって事、分かるか?」
赤い剣は更に光り、LEDライト程の光を撒き散らし始めた。
「さて夏井くん、この赤い剣の名前を知っているかな?」
そう言い、赤い剣を俺に向ける。
「正解は七つの大罪、『暴食』の力が封印された剣――暴食剣だ」
浅見が説明を終えると、暴食剣の剣身に赤い鎖が見え始める。
「暴食剣には二つの封印がされていてな、一つは『暴食』の力を封印。二つ目は暴食剣の武器スキルを封印してるものだ、さて、頭の良い君ならもう分かるだろ?」
「まさかお前は!」
俺は浅見に向かって駆け出す。
「『我、無限の力を望む。
我、暴食の大罪剣の主。
万物を喰らいし大罪の戒めを開放せよリべレーションライズ』」
あと少し、間に合わなかった。暴食剣から溜められた魔力が爆発し、俺は冒険者達の目の前まで吹っ飛ばされた。
「この感じは武器スキル開放だな」
俺はミストルティンとファーヴニルを仕舞い、半ばから折れたミスリル製の剣を取り出す。
「・・・来る」
その直後、浅見が真っ直ぐ飛び込んで来る。
「おらあ!」
浅見は暴食剣を振り下ろす。俺はそれを防ぐ様に、剣を斜めに傾け、剣を滑らす方を選んだ。そして刃と刃が触れた瞬間、浅見がスキルを発動させた。
「『暴食』」
その時、暴食剣が赤く光り、俺の剣が消えた。俺は寸のところで体を捻り、躱すが服の端が消えた。だが端は斬られた様な跡ではなく、噛み千切られた様な跡が残っていた。
「言葉通りかよ!」
俺は剣だった物を捨て、暴食剣を寸のところで躱し続ける。
「その通りッ!」
真横に振った瞬間、俺は落ちている石を拾い、投げる。浅見の視線が石に向いた。その時、俺はある魔法を使用する。
「『ホワイトアウト』」
一瞬で視界が霧で遮られる。それと同時に目を閉じ、魔力を薄く伸ばし索敵に使い攻撃に備え聴覚、触覚をフル活動させ浅見を探す。
「喰らい尽くせ」
浅見の声が聞こえた瞬間。俺の伸ばしていた魔力が喰われ、機能しなくなる。が、一度発生した霧は消えない。
チャンスは今しかない!
俺は最後に索敵に引っかかった場所へと一気に加速しエクスブレードを顕現させ、力任せに振るう。一瞬何かを斬った感触が伝わってくる。その瞬間右腕と共に暴食剣が飛んできた。俺はそれを避け、口で暴食剣のグリップを咥え首を回し、暴食剣をぶん投げる。そして武器スキルを発動させる。
「『暴食』」
剣が霧と共に浅見の左足を喰らう。
「邪神様!」
横から人型の魔族が浅見を突き飛ばす。浅見は右に逸れ、代わりに魔族を喰らわれる。
「チッ」
舌打ちをし、飛び去ろうとする浅見。俺はブーメランの様に戻って来る暴食剣を口で受け止め、浅見に向かって縮地を使おうとすると新たな魔族が割り込んでくる。
「我は怠惰の魔王!邪神様はやらせない!」
そう言って飛び出して来たのは大剣を構えた女だった。外見はコートを着てフードを被っているので分からないが、禍々しいオーラを纏っているのは分かる。
「アケディアか・・・」
俺は困っていた。魔王を仲間に引き込むか、隷属化させて強制的に連れて行くかを・・。
[マスター、隷属化させれば良いかと]
突然アーカイブが話し掛けてくる。
(その理由は?)
[はい、実はその魔王に強力な隷属化が掛っておりまして・・・ってマスター、いつから髪を染めたので?]
「は?」
俺は思わず声を零す。その時抜けた髪の毛が視界に映る俺はもう一度声を零す。白かったのだ、抜けた髪の色が・・。即座に水で鏡を作り、覗き込むとそこに映ったのは白髪右目が黒く光り、左目が赤く光っている中二病が好みそうな格好をした男が居た。そして俺は即座に頭を抱え膝をついた。
「『隷属化』」
俺は頭を抱えながら魔法をアケディアの魔王に全魔力を使い使用した。
チッ、抵抗が強い・・もっとだ、絞り尽くせ!
俺は体に残っている魔力をかき集め、隷属化につぎ込む。
次の瞬間魔王の体がピンク色に光る。ビクンと体を震わすと、糸の切れた操り人形の様に倒れる。
「カハッ」
俺は血を吐き膝から崩れ落ちた。薄れゆく意識の中俺はユキノの事を考えていた。
ユキノ「バーン!」
奈々「パンパカパーン!」
奈々「私最近出番無いの何故!?」
ユキノ「それは作者がサボってるからでは?」
奈々「キー!作者は後で死刑ね」
ユキノ「決定ですね」
奈々「次回!『Sランククエスト!』」
ユキノ&奈々「来いよ、魔剣!」
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