第13話 神剣からの試練Ⅱ
待ちに待った戦闘シーンです!下手なので大目に見てくださいm(__)m
誤字脱字等がありましたら報告していただけると有り難いです。
目が覚めた俺は何故か立っていた。
ん?何で?え、俺ぶっ倒れたよな・・・
周りをキョロキョロしていると目の前にユーリディアが現れる。
「楓真さん、こんな所に居たんですか」
と言われたがこんな所とは?なんだろう。
「えっと、どういう事でしょうか?」
と訊くと「何を言ってるのですか?」と言われた。
「さ、第二試練を始めましょ――」
空間が揺れる。
「何!?」
驚く声をあげると、ユーリディアの隣に折れている漆黒の剣を背負ったフードを被った黒ずくめの男が現れる。
「神剣よ」
男はユーリディアに話し掛ける。その声に俺の意識が呼び戻され、ミスリル製の剣をアイテムボックスから出し、構える。ユーリディアはバックステップで男から距離を取ると左手にユーリディアの本体を召喚し構える。ユーリディアが男を睨むと驚いた顔をし、本体を落とし、膝をつく。
「ふむ、第二試練か・・丁度良い時間だ」
そう言うと俺に向き話し掛けられる。
「楓真よ」
何処かで聞いた声で俺の名前を呼ぶ。
こいつ・・間違いなく強い・・しかもこの声何処かで・・。
そう考え始めると男が前のめりになる。その瞬間『死』という字が頭を過る。そして咄嗟に剣を右に構え、剣を受け止める体制になる。その直後に剣に大きな衝撃が走ると俺は左に吹っ飛ばされた。
痛ってええええ!!!
それに俺を軽々吹っ飛ばすあの筋力、俺以上だ・・!
「・・・この攻撃を防ぐか・・今回のは出来るな、才能がある」
そう言うと俺に向け衝撃な事を告げる。
「今帝国が百鬼夜行に襲われている」
百鬼夜行とは何か分からなかったが、なんとなく分かった。
「モンスターが帝国を!?」
「いや、モンスターだけなら良かったが・・百鬼夜行とはモンスターは勿論、神獣が居るんだ」
その話をしている男の表情に驚いた。奴は笑っていたのだ。
「・・・悪いが嬉々として話してる奴は信用出来ない」
そう伝えると更に口角をあげる。
「・・・合格だ」
そう言うと右手でフードを取ると、俺は驚いた。
「どうだ?驚いたか?教えてくれよ、この世界の俺」
フードが取られ、出てきた顔は白髪の俺だった。
「・・ああ、驚いたよ、まさか別の世界の俺が来るなんてな」
肩を竦め、驚いた事を伝えると『俺』は笑い出した。
「ははは、そりゃ良かった」
「俺は剣が折られてハッピーじゃないけどな」
剣を見せ、俺も笑いながら言った。
「わりぃな、何か代わりの武器やるよ」
『俺』はそう言い、アイテムボックスから鞘に入ったキラキラと光った黄金の剣を出した。
「えーっと、なんだっけコレ」
と言いながら神眼を使って見る『俺』。武器の名前くらい覚えとけよとか思ったのは内緒だ。
「あー、『宝剣ファーヴニル』だってよ」
そう言うと俺に押し付ける。
宝剣ってお前・・・
「よし、ユーリディア、第二試練俺がやっても良いか?」
振り向き、いつの間にか立っているユーリディアに許可を取る。
「はい、大丈夫です」
と言うと俺の後ろに来た。
「んじゃ、俺と戦ってもらおうか」
そう言いながら背負っていた折れている漆黒の剣を抜き、自然過ぎる流れで構える。
俺はトリニティアを左手に顕現させ、未来視の魔剣を右手に顕現させる。
未来視の魔剣は刃は濃い青、剣脊は薄く水色寄りの青。
「氷の剣みたいだな」
思わず呟いてしまう。
「合図はユーリディアがしてくれ」
『俺』がユーリディアに頼むと、俺の後ろに隠れていたユーリディアが俺達の間に立つ。
「では」
ユーリディアが開始を告げようとするとフィールアーカイブが焦りを感じさせる声で俺に警告する。
[対象上級神に達しています!警告!警告!逃げてください!対象の総合評価:一万五千二百六十五 マスター総合評価:一万二千五百二 圧倒的不利、結果敗北。勝利不可。勝率0%]
と完全に諦めるフィールアーカイブ。
(お前が無理って言うんだったら無理なんだろうよ、でも何処まで出来るかって試してみたいじゃん?だから俺は止めないよ)
[マスターが死にたいなら別に止めませんよ]
と言ってくれた。有難うフィールアーカイブ。
「始め!」
ユーリディアが開始の合図をすると『俺』もといフウマは一気に俺の前に来ると剣を俺の頭めがけ振り下ろす。
俺はそれをトリニティアで防ぐとファフニールで相手の左横腹を斬りつけるが、いつの間にか戻された漆黒の剣で防がれる。ファフニールに魔力を込めると、俺の左肩に突きを放つフウマの姿が見えた。俺は素早く右に避けるとさっきまで左肩があった位置を漆黒の剣が通る。フウマに駆け出すと同時にトリニティアを逆手に持ち替え、左横腹を斬る。
「チッ」
フウマが舌打ちをする。
俺は『縮地』を使い、十分に距離を取ると魔法を発動させる。
「『パーフェクトフリーズ』!」
フウマだけを対象にし、発動。発動すると俺の目の前に雪が形成され強風で吹雪となってフウマを襲う。
「『消滅蒼炎』」
フウマが魔法を発動した。その直後パーフェクトフリーズが消された。
「七天刀流」
「なっ!?」
フウマは漆黒の剣の剣先を俺に向けると、一言だけ言った。
「『毘沙門天』」
俺は咄嗟に『テレポート』を使い攻撃範囲から逃れようとしたが一歩遅かった。一瞬で俺の前に来ると俺の腹に激痛が走った。その瞬間『テレポート』が発動し、フウマの後方十メートルに転移する。
「があああああ!」
俺があまりの痛さに叫ぶと、フウマが振り向く。
「なんだ、避けられたか」
俺に黒い笑みをし、ゆっくりと歩み寄る。俺はただ叫ぶしかない。すると俺の頭にある魔法が思い浮かぶ。
「『オートヒーリング』」
魔法を使うと先程までの痛みが嘘の様に消える。傷も癒えてきたのが分かる。
「ほ~、そんな面倒な魔法覚えてたのか」
そう言う奴の左横腹の傷も癒えている。
「まさか、お前のアビリティは・・・!」
「お、気付いたか、流石俺」
感心した様な表情を浮かべ、歩みが早くなる。
「相手のダメージ分回復って、チートにも程があるだろ」
そう呟き、トリニティアとファフニールを構える。
すると、フウマが口を開く。
「合格だ」
フウマはその一言を言うと漆黒の剣を鞘に戻すと「それに」と言葉を続ける。
俺はトリニティアとファフニールを仕舞う。
「俺もそろそろ時間――」
言葉の途中で勢い良く振り向く。そして振り向いたまま俺に話し掛ける。
「お前の嫁が連れてかれたぞ」
そう言った。
「何!?」
俺は自分の耳を疑った。一番起こって欲しくない事が起こった。
「邪神だな」
そう言うと俺に向く。
「早く行け!」
俺に怒鳴るフウマ。俺は走った。
後ろでフウマがユーリディアに門を開けろと言っている。
そして突如俺の前に大きな門が現れる。
「開門!」
ユーリディアが声を上げると門が独りでに開く。
俺は門を出る。
外は明るく、夜が明けたのが分かった。
俺は空を見上げるとユキノを担いだ男が北門あたりの上空を飛んでいるのが見えた。
「『ウィング』!」
俺は直ぐ飛べる魔法を発動し北門へ飛んだ。
☆ ☆ ☆
フウマが言っていた通り百鬼夜行が来ていた。
俺は地面に付くと近くの冒険者に訊きに行く。
「何があったんだ?」
そう問うと
「邪神だ」
親切なおじさんが答えた。一言だけだったが重大さは分かった。
「なあ!夏井楓真いるんだろ?出て来いよ」
邪神の声と思われし声が響く。
呼ばれたので冒険者の大群を掻き分けて先頭に来る。
目の前に広がる光景はモンスターの大群、二回り大きいのは神獣だろう、此処から見てもニ十体以上いる。
そして目の前には十八くらいの青年と魔法陣から出ている鎖に縛られた少女――ユキノだ。
「お前が夏井か」
青年、グリザールが喋りだす。
「んじゃてめえが浅見か」
同じ様に言うと、浅見が驚いた顔をする。
「調べたのか?」
訊いてくる。
「誰がてめえが好きで調べるか、強いて言うなら知り合いかな」
そう言ってやる。
「へぇ、その知り合いって奴物知りだな、まあそんな事はどうでもいい」
切り捨てると浅見はユキノを指差すと言葉を繋げた。
「この女とこの町、どっち選ぶ?」
「は?」
「また私のシーンが・・・」
大丈夫!ちゃんとデート回作るから!
「そうですか、なら良かった」
とユーリディアさんがホッとしている間に一言、今回からこの作品の後書きには〆のコーナーを作ります。
「はい、でも次回からですよ?」
あ、え?マジか
「ではまた次回で」
Komeijiと
「ユーリディアでした」