第一章 変態
毎日が平凡に過ぎていく。朝起きて学校に行き飯を食って寝る。
こんな毎日を当たり前に過ごしてきた。
昨日までは...。
2020年4月、入学してすぐに俺は停学処分をくらっていた。
理由?
...。
..。
不純異性行為未遂...である。
か、勘違いするなよ!?全くもって誤解なんだ!俺はそんなことをする気もなかったしする勇気もない。
じゃあなんでこうなったかって?俺自身も良く分からないんだ。ただ分かっていることは俺の日常はもう来ないってことだけ。
「キャァァァッ!!」
放課後の教室で女の子の叫び声が響く。涙を浮かべた女の子は産まれたまま姿で座り込んでいる...俺の目の前で。
なんでこうなったんだ!?ここに来るまでのことを落ち着いて考えるんだ...。
名前も知らないこの子に教室に呼ばれた...。
それで告白されたんだ...。
返事は明日まで待つって言われて...。
教室から出ようとしたら目の前でこけて俺の方に倒れてきたんだ..。
それで両手に柔らかい感触があって...。
そしたら...そしたら...女の子が産まれたまま姿になってたんだ。
なんで!?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでだぁぁぁぁ!?
なんでこうなった!?え、なにこの子脱いだの?倒れる瞬間に全部脱いだってことなのか!?
自問自答を続けていた脳内の俺が答えを導き出した。
確実に犯人は俺だ。だって両手にこの子の制服と下着もってるんだもん。警察さんがいたら現行犯だね、うん。
いやでも脱がした記憶もないしそんな高速で脱がす技術もない。
頭がパンクしそうになっていると...
「おい、どうした!叫び声が聞こえ...。」
体育教師の岩村と国語教師の後藤が教室のドアを開けて口もあけていた。そして岩村は鬼の形相でこちらを睨んでいた。
その後のことは覚えてないんだ。ただ覚えているのは裸の女の子に言われた言葉。
「...変態...。」
そして俺は停学処分をくらったのだった。